この記事で分かること
- 日本のPEファンドに「総合順位」が存在しない理由と、指標別に比較すべき理由
- 公開投資先数・事業承継案件数・カーブアウト案件数・公表ファンド規模という4つの指標でみた各社の実像
- 公開データだけで比較する際の限界(開示方針の違い、件数と実力の関係)
- ファンド研究を転職・キャリア準備にどうつなげるか
結論:日本のPEファンドに「総合順位」はなく、指標別に比較するのが正しい
「日本で一番のPEファンドはどこですか」という質問に、正直に答えられる人はいません。運用成績(IRR・MOIC)、報酬水準、採用の難易度といった、比較に本来必要な情報の多くが非公開だからです。本記事はこの前提を踏まえたうえで、公開されている情報だけを使い、指標ごとに比較するという方針を取ります。「公開投資先数」「事業承継案件数」「カーブアウト案件数」「公表ファンド規模」の4指標でランキングを示しますが、これらを足し合わせた「総合順位」は作りません。指標が変われば上位に来るファンドも変わるという事実そのものが、日本のPE業界の多様性を表しているからです。
まず全体の文脈を押さえておきます。大手町プレップの日本PE市場統計(データ時点2026年8月15日集計)では、127ファンドの公開投資案件を収録し、重複を除いたユニークな案件数は2,780件(総レコード数2,856件)です。内訳は投資中1,433件、Exit済1,052件、一部Exit(Partial)14件、状態未確認281件。2026年の新規投資は159件、同年のExitは77件でした。保有期間が算出できた699件の平均保有期間は4.3年、中央値は4.0年です。2026年に最も投資が集中した業種は製造業(24件)でした。取引の性質別では、経営権を伴う投資(コントロール型)が1,392件、成長投資型が755件、性質不明が672件と、コントロール型が市場の中心を占めています。市場統計上、公開データに基づく件数が最も多いファンドはアドバンテッジパートナーズ(135件)でした。
ファンド一つひとつの特徴を掴む作業は、PE業界のキャリアパスと転職を検討する準備とも直結します。本記事のランキングを読みながら、志望動機の材料として使ってください。
指標別ランキングに入る前に、まず「規模」と「戦略」という2軸で日本のPEファンドがどう分布しているかを概念的に整理します。
調査方法と、この比較の限界
本記事のランキングは、次の2つのデータソースのみに基づいています。
- 大手町プレップ PEファンドデータベース(/pe-funds/ 各ファンドページ)。各社の公式サイト・公式発表など公開情報を収集したもので、投資中・Exit済の件数はDB表示値です。
- 日本PE市場統計(/pe-market-data/、2026年8月15日集計)。上記DBの案件データを集計したものです。
比較を読む際に、必ず踏まえてほしい限界が4つあります。
- 「公開投資先数」は公式に公開されている件数であり、実際の全投資件数ではありません。 非公開のまま保有・Exitした案件は集計に含まれず、実際の投資実績はここに表示される件数を上回ります。
- 開示方針はファンドごとに大きく異なります。 投資先企業のプレスリリースや自社サイトでの公表を積極的に行うファンドもあれば、守秘義務契約を理由に個別開示を最小限にとどめるファンドもあります。したがって件数の多寡がそのままファンドの実力差を意味するわけではありません。
- 指標によって集計方法が異なる場合があります。 例えば、市場統計側で件数最多とされたアドバンテッジパートナーズの135件(前段落)と、後述の表Aで示すDB表示値の140件(投資中50件+Exit済90件)は一致しません。これは市場統計側の集計対象・期間と、ファンドページの累計表示との間に方法論上の違いがあるためで、いずれも架空の数値ではなく、それぞれの集計方法における実数です。本記事では、どちらの集計に基づく数値かを明示するようにしています。
- アント・キャピタル・パートナーズとアント・ソリューション・パートナーズは同一グループです。 グループ単位で見るか法人単位で見るかにより、合算した際の順位は変わり得ます。
最終確認日は2026年8月16日です。以下の表はいずれもこの時点のDB・統計データに基づきます。
指標1:公開投資先数ランキング
投資中とExit済を合計した「公開投資先数」で並べたものです(国内本拠ファンドのDB表示値、上位20社)。長く事業を続けているファンドほど累積件数が伸びやすい指標である点に注意してください。
| 順位 | ファンド名 | 投資中 | Exit済 | 合計 | 最終確認日 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | アドバンテッジパートナーズ | 50 | 90 | 140 | 2026-08-13 |
| 2 | SBI新生企業投資株式会社 | 84 | 22 | 106 | 2026-08-13 |
| 3 | エンデバー・ユナイテッド株式会社 | 44 | 52 | 96 | 2026-08-13 |
| 4 | アント・キャピタル・パートナーズ | 22 | 70 | 92 | 2026-08-13 |
| 5 | 阿波銀キャピタル株式会社 | 79 | 0 | 79 | 2026-08-14 |
| 6 | ジャフコ グループ株式会社 | 23 | 46 | 69 | 2026-08-13 |
| 7 | J-STAR株式会社 | 28 | 37 | 65 | 2026-08-13 |
| 8 | 横浜キャピタル株式会社 | 63 | 2 | 65 | 2026-08-13 |
| 9 | ユニゾン・キャピタル株式会社 | 25 | 34 | 59 | 2026-08-13 |
| 10 | いよぎんキャピタル株式会社 | 55 | 3 | 58 | 2026-08-13 |
| 11 | MBKパートナーズ株式会社 | 31 | 24 | 55 | 2026-08-13 |
| 12 | WMパートナーズ株式会社 | 31 | 22 | 53 | 2026-08-14 |
| 13 | きらぼしキャピタル株式会社 | 45 | 6 | 51 | 2026-08-13 |
| 14 | ごうぎんキャピタル株式会社 | 49 | 1 | 50 | 2026-08-13 |
| 15 | 大和PIパートナーズ株式会社 | 3 | 46 | 49 | 2026-08-13 |
| 16 | ベーシック・キャピタル・マネジメント株式会社 | 22 | 23 | 45 | 2026-08-13 |
| 17 | クレアシオン・キャピタル株式会社 | 26 | 18 | 44 | 2026-08-13 |
| 17 | ポラリス・キャピタル・グループ株式会社 | 14 | 30 | 44 | 2026-08-13 |
| 19 | MCPキャピタル株式会社 | 12 | 31 | 43 | 2026-08-13 |
| 19 | 株式会社日本産業推進機構 | 26 | 17 | 43 | 2026-08-13 |
上位20社のうち、阿波銀キャピタル・横浜キャピタル・いよぎんキャピタル・ごうぎんキャピタルの4社は、投資中の件数に比べてExit済の件数が極めて少ないという共通点があります(編集部分析:地方銀行系のファンドはマイノリティ出資を中心とした長期保有型の投資が多く、バイアウト系ファンドと比べてExitの回転が緩やかである傾向がうかがえます。ただしこれは開示データからの推測であり、各社の投資方針を正式に確認したものではありません)。また、アント・キャピタル・パートナーズと同一グループのアント・ソリューション・パートナーズは別法人としてカウントされているため、グループ合算では順位が変動する可能性があります。
指標2:事業承継案件数ランキング
日本のPE市場で存在感が大きい「事業承継」型の案件数です。後継者不在に悩むオーナー企業への出資・買収を集計したもので、/pe-market-data/succession/ の公開値と同一です。
| 順位 | ファンド名 | 件数 | 直近5年 | 主要業種 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | アドバンテッジパートナーズ | 33 | 4 | 消費財・小売(7)、製造業(7)、B2Bサービス(6) |
| 2 | 株式会社日本産業推進機構 | 32 | 14 | ヘルスケア(6)、製造業(4)、消費財・小売(4) |
| 3 | サンライズキャピタル | 28 | 9 | 消費財・小売(4)、IT・ソフトウェア(4)、教育(3) |
| 3 | マラトンキャピタルパートナーズ株式会社 | 28 | 26 | 消費財・小売(4)、不動産・建設(4)、製造業(4) |
| 5 | アント・キャピタル・パートナーズ | 27 | 2 | 消費財・小売(9)、B2Bサービス(6)、不動産・建設(3) |
| 6 | J-STAR株式会社 | 22 | 3 | 製造業(7)、消費財・小売(5)、B2Bサービス(4) |
| 6 | 日本プライベートエクイティ株式会社 | 22 | 3 | 消費財・小売(1)、製造業(1) |
| 8 | キャス・キャピタル株式会社 | 19 | 10 | ヘルスケア(7)、製造業(3)、不動産・建設(3) |
| 8 | 日本成長投資アライアンス株式会社 | 19 | 10 | IT・ソフトウェア(5)、エネルギー・環境(5)、消費財・小売(5) |
| 10 | りそなキャピタル株式会社 | 18 | 15 | 不動産・建設(6)、製造業(3)、消費財・小売(3) |
指標3:カーブアウト案件数ランキング
大企業の事業部門・子会社の切り出し(カーブアウト)を集計したもので、/pe-market-data/carve-out/ の公開値と同一です。
| 順位 | ファンド名 | 件数 |
|---|---|---|
| 1 | アドバンテッジパートナーズ | 27 |
| 2 | 日本産業パートナーズ株式会社 | 20 |
| 3 | MCPキャピタル株式会社 | 17 |
| 4 | ポラリス・キャピタル・グループ株式会社 | 16 |
| 5 | 日本みらいキャピタル株式会社 | 14 |
| 6 | アスパラントグループ株式会社 | 10 |
| 6 | ユニゾン・キャピタル株式会社 | 10 |
| 6 | 丸の内キャピタル株式会社 | 10 |
| 9 | ティーキャピタルパートナーズ株式会社 | 8 |
| 10 | ロングリーチグループ | 6 |
事業承継とカーブアウトは、必要とされる交渉力・実行体制が異なる戦略です。次の図は、両指標の上位ファンドを並べたものです。
指標4:公表ファンド規模
公式に金額を公表しているファンドのみ、DB原文のまま掲載します。非開示の場合は「非開示」と明記しています。組成時期や戦略(バイアウト特化か、事業承継特化か等)が異なるファンド同士を並べているため、公表額の単純比較には限界がある点に注意してください。また、ベイン・キャピタル、KKR、EQTといった外資系PEファンドはPEファンドデータベースに外資系ファンドとして収録されていますが、本記事の各表は国内に本拠を置くファンド(日本拠点として収録されているカーライル・ジャパンを含む)を対象としているため、本表には含めていません。
| ファンド名 | 公表ファンド規模(DB原文) | 最終確認日 |
|---|---|---|
| アドバンテッジパートナーズ | 日本バイアウト8号(AP VIII):3,000億円(2026年6月組成完了) | 2026-08-13 |
| カーライル・ジャパン(カーライル・グループ 日本バイアウト部門) | CJP V(2024):4,300億円/CJP IV:2,580億円(公式プレスリリース) | 2026-08-13 |
| ポラリス・キャピタル・グループ | 6号ファンド(国内998億円+海外並行ファンド、合計2,000億円超・2026年4月28日募集完了) | 2026-08-13 |
| ユニゾン・キャピタル | 6号ファンド(目標800億円、2025年8月設定・募集継続中)/5号ファンド711億円(2021年) | 2026-08-13 |
| J-STAR | 組成6ファンド合計で約2,122億円(各ファンドのクローズ時点募集金額の単純合計) | 2026-08-13 |
| インテグラル | 非開示 | 2026-08-13 |
| 日本産業推進機構 | 非開示(NSSK I〜IIIの個別金額は公式非開示)。NSSK IV(NSSK4号)は2026年4月1日付で総額2,500億円にて最終クローズ(公式発表) | 2026-08-13 |
| エンデバー・ユナイテッド | Fund-9(2022):530億円/Fund-8(2018):351億円(公式開示、現行運営中の2ファンド) | 2026-08-13 |
| WMパートナーズ | WMグロース5号ファンド:121億円(2022年7月〜2032年6月)/JPEOF2024ファンド:300億円(2024年組成、セカンダリー戦略)ほか計6ファンド | 2026-08-14 |
| 日本成長投資アライアンス | 1号ファンド173億円(2017年)・2号ファンド380億円(2020年)・3号ファンド650億円(2024年)の合計1,203億円(各ファンド組成時点の公式公表額の合計) | 2026-08-14 |
| MBKパートナーズ | 非開示(公式サイトでは個別ファンド規模を非開示) | 2026-08-13 |
| 日本産業パートナーズ | 非開示 | 2026-08-13 |
| アスパラントグループ | 非開示 | 2026-08-13 |
| キャス・キャピタル | 非開示 | 2026-08-13 |
| 丸の内キャピタル | 非開示 | 2026-08-13 |
| ティーキャピタルパートナーズ | TMCAP98(1998年設立・37億円)、TMCAP2000(2000年設立・223億円)、New Wanbishi Partners(2003年設立・共同投資専用ファンド)、TMCAP2005(2005年設立)ほか複数ファンド | 2026-08-14 |
主要ファンドの横顔
ここでは、表A〜表Dに登場する主要ファンドのうち12社について、戦略・deal_types・公開投資先数という公開情報の範囲で横顔を整理します。選考情報や社風、年収などの情報は含みません。
アドバンテッジパートナーズ
日本のバイアウトファンドの草分け的な存在です。戦略は日本バイアウトを中心に、アジア投資、グロース/Private Solutions、再生可能エネルギー・サステナビリティ、不動産と幅広く、deal_typesもバイアウト・カーブアウト・グロース投資・事業承継・再生とほぼ全類型をカバーします。マジョリティ・マイノリティの両方に対応しており、公開投資先数は投資中50件・Exit済90件の合計140件(表A参照)と、本記事の比較対象の中で最多です。事業承継案件数(33件)・カーブアウト案件数(27件)のいずれでも上位に入っており、特定の戦略に偏らない総合力型のファンドといえます。詳細は/pe-funds/advantage-partners/で確認できます。
ユニゾン・キャピタル
戦略はバイアウト・カーブアウト・成長投資・事業承継で、マジョリティ出資を基本方針としています。公開投資先数は投資中25件・Exit済34件の合計59件、カーブアウト案件数は10件で表Cの上位に入っています。ファンド規模は6号ファンド(目標800億円、2025年8月設定・募集継続中)と5号ファンド(711億円、2021年)を公式に公表しています(表D参照)。詳細は/pe-funds/unison-capital/を参照してください。
インテグラル
戦略はバイアウト・成長投資に加え、「ハイブリッド型投資(ファンド+プリンシパル)」と事業再生を掲げる点が特徴で、マジョリティ中心の投資を行っています。deal_typesはバイアウト・成長投資・事業再生・プリンシパル投資の4類型です。公開投資先数は投資中26件・Exit済15件の合計41件、ファンド規模は非開示です。詳細は/pe-funds/integral/で確認できます。
ポラリス・キャピタル・グループ
戦略は非公開化・カーブアウト・オーナー事業承継・グロースバイアウト・DX支援と幅広く、マジョリティ出資を基本とします。公開投資先数は投資中14件・Exit済30件の合計44件、カーブアウト案件数は16件で表Cの上位に入り、事業承継の実績も抱えるバランス型です。ファンド規模は6号ファンド(国内998億円+海外並行ファンド、合計2,000億円超、2026年4月28日募集完了)を公式に公表しています。詳細は/pe-funds/polaris-capital-group/を参照してください。
J-STAR
「課題解決型投資」を掲げ、中堅・中小企業のバイアウトと事業承継を中心とするファンドです。deal_typesはバイアウト・事業承継・カーブアウトで、マジョリティ中心の投資方針です。公開投資先数は投資中28件・Exit済37件の合計65件、事業承継案件数は22件で表Bの上位に入ります。組成6ファンド合計の募集金額は約2,122億円(各ファンドのクローズ時点募集金額の単純合計、表D参照)です。詳細は/pe-funds/j-star/で確認できます。
日本産業推進機構(NSSK)
戦略はバイアウト・成長投資・事業承継・カーブアウト・ハンズオン経営支援(NVP)・ESGと幅広く、マジョリティ/マイノリティの別は非開示です。公開投資先数は投資中26件・Exit済17件の合計43件で、事業承継案件数は32件と表Bで2位、直近5年の件数(14件)も多く、近年活発です。個別ファンドの金額は非開示ですが、NSSK IV(NSSK4号)は2026年4月1日付で総額2,500億円にて最終クローズしたと公式発表しています。詳細は/pe-funds/nssk/を参照してください。
エンデバー・ユナイテッド
戦略は事業再生・事業承継・バイアウト・経営改善(ハンズオン)・ロールアップ/アライアンスで、再生・承継案件を主軸とするファンドです(マジョリティ/マイノリティの別は非開示)。公開投資先数は投資中44件・Exit済52件の合計96件と表Aで3位に入ります。ファンド規模はFund-9(2022年、530億円)・Fund-8(2018年、351億円)の現行運営中2ファンドを公式開示しています。詳細は/pe-funds/endeavour-united/で確認できます。
カーライル・ジャパン
カーライル・グループの日本バイアウト部門です。戦略はバイアウト(経営権取得)・カーブアウト・事業承継・非公開化(MBO/TOB)で、マジョリティでの経営権取得を基本とする大型バイアウト中心のファンドです。公開投資先数は投資中17件・Exit済26件の合計43件、ファンド規模はCJP V(2024年組成、4,300億円)・CJP IV(2,580億円)を公式プレスリリースで公表しています。詳細は/pe-funds/carlyle-japan/を参照してください。
日本産業パートナーズ
戦略はカーブアウト・事業再編・バイアウト・企業再生で、マジョリティ中心の投資方針です。target_evは大型(東芝・日立建機など数千億〜兆円規模の案件を含むカーブアウト・事業再編)とされ、size_bucketもLargeに分類される、日本の大型カーブアウト案件で存在感の大きいファンドです。カーブアウト案件数は20件で表Cの2位、公開投資先数は投資中6件・Exit済22件の合計28件です。ファンド規模は非開示です。詳細は/pe-funds/japan-industrial-partners/で確認できます。
WMパートナーズ
戦略はバイアウト・グロースキャピタル・セカンダリー・ファンド・オブ・ファンズと多角的で、deal_typesには事業承継・カーブアウトに加え、VC等既存株主からの株式譲受、LP持分セカンダリー取引、GP主導型セカンダリー取引が含まれます。公開投資先数は投資中31件・Exit済22件の合計53件です。ファンド規模はWMグロース5号ファンド(121億円、2022年7月〜2032年6月)、JPEOF2024ファンド(300億円、2024年組成・セカンダリー戦略)ほか計6ファンドを公式開示しています。詳細は/pe-funds/wm-partners/を参照してください。
アスパラントグループ
戦略はバイアウト・カーブアウト・事業承継・企業再生・ファンドセカンダリーで、マジョリティ/マイノリティの別は非開示です。公開投資先数は投資中5件・Exit済23件の合計28件で、Exit済の比率が高いのが特徴です。ファンド規模は非開示です。詳細は/pe-funds/aspirant-group/で確認できます。
日本成長投資アライアンス(JGIA)
戦略は事業承継投資・成長投資(グロースキャピタル)・バイアウト・カーブアウト・非公開化(TOB)と幅広く、deal_typesにはMBO・セカンダリー・スペシャルシチュエーションも含まれます。事業承継案件数は19件で表Bの上位、直近5年でも10件と近年活発です。ファンド規模は1号173億円(2017年)・2号380億円(2020年)・3号650億円(2024年)の3ファンド合計1,203億円を公式プレスリリースベースで公表しています。詳細は/pe-funds/jgia/を参照してください。
志望ファンドの投資仮説を語れるようにする
各社の戦略・deal_typesを読み比べるだけでなく、「自分ならこのファンドでどんな投資仮説を立てるか」を言語化できる状態を目指すと、面接での深掘りに耐えられます。LBOモデルを白紙から組み立てながら投資仮説の検証手順を練習できる教材を用意しています。
転職者向け:ファンド比較をどう使うか(編集部分析)
ここからは編集部分析です。ファンド比較を転職活動に活かす際、単に件数の多いファンドから順に応募するのは得策ではありません。次の3つの観点で「自分の志望動機と実際の戦略が噛み合っているか」を確認することをおすすめします。
- 投資戦略との適合。 事業承継特化のファンドを志望するなら、なぜ大型カーブアウトではなく事業承継に惹かれるのかを、表B・表Cの実績や各社のdeal_typesと突き合わせて説明できる状態を目指してください。ファンドの意思決定プロセスや投資仮説の立て方はPEファンドの投資仮説とInvestment Committeeで扱っています。
- 案件タイプとの適合。 同じ「バイアウト」でも、大型カーブアウトと中小企業の事業承継では、必要になるスキルセット(大企業との交渉・PMI設計 vs オーナー・後継者との関係構築)が異なります。案件がどのように絞り込まれ、実行されていくかの流れはPEファンドの投資プロセス(ソーシングから投資委員会・Exitまで)で確認できます。ファンドのGP/LP関係や資金の出し手の構造を理解しておくと、面接での質問にも答えやすくなります(PEファンドのストラクチャーとGP/LPの関係)。
- 規模との適合。 表Dで確認できる公表ファンド規模は、投資対象企業の規模感(target EV)とおおむね連動します。大型のファンドほど選考のハードルや求められる経験値も変わりやすいため、いきなり大型ファンドだけに絞らず、規模の異なる複数のファンドを比較検討することをおすすめします。Exitの出口戦略まで見据えた比較をしたい場合はExit戦略|IPO・トレードセール・SBOをどう選ぶかも参考にしてください。
面接で聞かれやすい質問への準備はPE面接想定問答100問で具体的な質問例を確認できます。
よくある質問(FAQ)
Q. 日本にPEファンドは何社ありますか。
A. 大手町プレップの日本PE市場統計(2026年8月15日集計)では、公開投資案件データを収録しているファンドが127あります。ただしこれは「本データベースが投資案件データを追跡できているファンド数」であり、日本国内で活動するPEファンドの総数そのものを意味するものではありません。収録対象には海外系ファンドの日本拠点も含まれ得るため、厳密な「国内独立系ファンドの総数」を示す数値でもない点に注意してください。
Q. このランキングの根拠は何ですか。総合順位ではないのですか。
A. 本記事の表A〜表Dは、いずれも大手町プレップのPEファンドDB・PE市場統計に掲載されている公開情報のみを集計した指標別ランキングです。運用成績や報酬水準などの非公開情報を含む「総合順位」は作成していません。開示方針の違いにより件数が実力差をそのまま反映しない場合があるため、複数の指標と各社のプロフィール(戦略・deal_types)を合わせて読むことをおすすめします。
Q. 事業承継特化のファンドとカーブアウト特化のファンドは、何が違いますか。
A. 編集部分析ですが、事業承継案件は主に後継者不在のオーナー企業が対象で、価格交渉に加えて従業員・取引先・創業家への配慮など非財務的な条件が成否を左右しやすい特徴があります。一方カーブアウト案件は大企業の事業部門・子会社の切り出しが対象で、独立した会社としての基幹システム・人事制度の構築(スタンドアロン化)など、案件実行時のオペレーション面の負荷が大きくなりやすい傾向があります。表B・表Cの上位ファンドを見比べると、両方に実績があるファンド(アドバンテッジパートナーズなど)と、どちらかに実績が集中するファンドに分かれていることが分かります。
まとめ
日本のPEファンドを比較する際は、単一の「総合順位」を探すのではなく、公開投資先数・事業承継案件数・カーブアウト案件数・公表ファンド規模という指標ごとの実像を読み分けることが重要です。件数の多さは開示方針の違いにも左右されるため、そのまま実力差と解釈すべきではありません。各社の戦略・deal_typesと合わせて読むことで、自分の志望動機や投資仮説を具体的な言葉で語れる準備につながります。
次の一歩:白紙からLBOモデルを組める状態を目指す
ファンド比較で志望先の当たりをつけたら、次は自分の手でLBOモデルを組み立て、投資仮説を数字で語れるようにする段階です。プラチナプランに含まれるLBOマスター講座は、空のBlankから4段階(Blank→Guided→Checkpoint→Completed)で組み上げる構成です。時間を計ってモデルテスト形式で実力を確認したい場合は、Assessmentで実務経験者の添削を受けられます。
出典・参考(2026-08-16確認)
- 大手町プレップ PEファンドデータベース(各ファンドページの公開投資先数・戦略等)/pe-funds/
- 大手町プレップ 日本PE市場統計(stats.json、built_at 2026-08-15集計)/pe-market-data/
- 同 事業承継統計/pe-market-data/succession/
- 同 カーブアウト統計/pe-market-data/carve-out/
- 各社公式サイト・公式プレスリリース(ファンド規模等の公表情報。表Dに記載の各ファンドページ内リンク先を参照)
※本記事は教育目的の一般的な解説であり、法務・税務・投資助言ではありません。設例は理解のための仮設例です。