実務・面接・モデル作成のときに「式なんだっけ」を3秒で解決するための早見辞典です。各指標は計算式→読み方のポイント→深掘り章の順で引けます。目安の水準は業種・市況で大きく変わるため、本表では判断の枠組みを示し、具体的な水準は各章・一次情報で確認する方針です。

1. 収益性

指標計算式読み方のポイント
売上総利益率売上総利益 ÷ 売上高製品・サービスそのものの稼ぐ力。業種内比較が基本
EBITDAマージンEBITDA ÷ 売上高資本構成・償却方針に中立な本業の収益力。詳説
営業利益率営業利益 ÷ 売上高償却負担込みの本業の力。装置産業はEBITDAと併読
純利益率純利益 ÷ 売上高金利・税・特殊要因まで含んだ最終形。ブレやすい
ROE純利益 ÷ 自己資本株主資本の効率。レバレッジで上がる点に注意して分解する
ROICNOPAT ÷ 投下資本事業への投下資本の効率。WACCとのスプレッドで見る

2. 効率性・運転資本

指標計算式読み方のポイント
総資産回転率売上高 ÷ 総資産資産をどれだけ売上に変換できているか
DSO(売上債権回転日数)売掛金 ÷(売上高÷365)回収までの日数。長期化は資金繰り悪化のシグナル。詳説
DIO(棚卸資産回転日数)棚卸資産 ÷(売上原価÷365)在庫の滞留日数。分母は原価ベースが原則
DPO(仕入債務回転日数)買掛金 ÷(売上原価÷365)支払までの日数。長いほど資金繰りは楽だが取引条件と表裏
CCC(現金循環化日数)DSO + DIO − DPO現金を立て替えている日数。成長時の資金需要に直結
FCFコンバージョンFCF ÷ EBITDA利益が現金に変わる割合。LBO適性の中心指標。詳説

3. 安全性・信用(レンダー視点)

指標計算式読み方のポイント
流動比率流動資産 ÷ 流動負債短期の支払能力。100%割れは要精査(業種特性も考慮)
自己資本比率自己資本 ÷ 総資産財務の厚み。業種の資本集約度で水準感が変わる
ネットデット有利子負債 − 現金同等物実質的な借金の純額。詳説(デットライク含む)
Net Debt/EBITDAネットデット ÷ EBITDA「何年分の稼ぎで返せるか」。LBOのレバレッジ物差し。詳説
ICR(インタレスト・カバレッジ)EBITDA ÷ 支払利息利払いの余裕度。低下トレンドが最も危険なサイン
DSCRCFADS ÷(利息+約定返済)元利払いの余裕度。1.0x割れ=キャッシュで返せない状態

4. バリュエーション

指標計算式読み方のポイント
EV/EBITDAEV ÷ EBITDA企業間比較の共通言語。分子分母の整合が命。詳説
EV/EBITEV ÷ EBIT償却負担を織り込む。設備集約型はEBITDA併用で歪み回避
EV/売上高EV ÷ 売上高赤字・先行投資期の代替。マージン差を無視する限界を明記
PER株価 ÷ EPS(=時価総額÷純利益)株主帰属ベース。資本構成の影響を受ける点がEV系との違い
PBR株価 ÷ 1株純資産純資産との比較。ROEとセットで読むのが定石
FCF利回りFCF ÷ 時価総額(またはEV)キャッシュベースの割安感。分母の選択を明記して使う
永久成長率 gTV算定の前提値長期名目成長の範囲で。g≧WACCは不成立。詳説

5. PE・リターン

指標計算式読み方のポイント
MOIC回収総額 ÷ 投資額倍率。時間を無視するためIRRとセットで。詳説
IRRNPV=0となる割引率(一括回収なら MOIC^(1/n)−1)年率。早見:5年で2.0x≒15%、2.5x≒20%、3.0x≒25%
TVPI(分配+残存価値)÷ 払込資本ファンドレベルの総合倍率(含み込み)
DPI分配 ÷ 払込資本実際に返った現金の倍率。「現金化された成績」
エクイティ比率(LBO)エクイティ ÷ 買収総額S&Uの資本構成。小さいほどレバレッジが効く(双方向に)
コベナンツ・ヘッドルーム許容水準 − 実績見込み財務制限条項までの余裕。Downsideでの推移を見る。詳説

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本リファレンスについて

定義・計算式は標準的な実務慣行に基づく当サイトの整理です。具体的な水準・業界平均に言及する際は、有価証券報告書・公的統計等の一次情報を付して個別章で扱います(本表は判断の枠組みの提供に限定)。指標は順次拡張します。