この記事で分かること
- FAS(財務アドバイザリー)面接で問われる評価論点10問——IB面接との出題傾向の違い
- WACC計算・調整項目・非上場評価など、FASらしい「正確性重視」の問いと模範回答
- 深掘りに耐える答え方と、次に進むべき演習
FAS面接の特徴:スピードより正確さと根拠
IB面接が「速く・大づかみに」を好むのに対し、FASの評価実務(算定書・フェアネスオピニオン・DD)は監査的な正確性が要求されます。面接でも「定義の精度」「調整の根拠」「基準への感度」が採点されます。
厳選10問
| 問い | 回答の要点 |
|---|---|
| Q1. 評価アプローチ3つと採用判断 | インカム・マーケット・コスト。対象の性質(継続事業か・類似があるか・資産型か)と評価目的で組み合わせる(全体像) |
| Q2.(計算)Ke=2%+β1.2×ERP5%、Kd税引後2.8%、D/(D+E)=30%のWACCは | Ke=8.0%。WACC=0.7×8.0+0.3×2.8=6.44%。時価ウェイトである点を一言(計算の作法) |
| Q3. βはどう取りますか(非上場) | 上場類似のレバードβ→アンレバー→対象の資本構成でリレバー。類似選定の根拠まで(非上場の評価) |
| Q4. サイズプレミアムを載せる根拠と論点 | 小規模企業のリターン実証に基づく実務慣行だが、恣意性の批判もある。載せるなら出典と水準の根拠を明示(断定しない姿勢が正解) |
| Q5. 非流動性ディスカウントは何%ですか | 「一律の正解はない」が正解。評価目的・裁判例・対象の個別性に依存し、出典なき◯%は書かない(整理) |
| Q6. 類似会社の倍率、どの調整をしてから使いますか | 一過性の正常化・期間統一・リース等会計基準の平仄・希薄化込み株式数(分母を磨く・NDの統一定義) |
| Q7. 事業計画をどう検証しますか | 過去実績との接続・ドライバー分解・達成率の癖・市場との整合(4つの物差し)。「計画に依拠した」で終わらせない |
| Q8.(計算)EBITDA100・借入300・現金100・リース40・退職不足30・少数20・持分法10。8倍評価の株式価値は | EV=800。調整ND=300+40+30+20−100−10=280。株式価値520(拡張ブリッジ) |
| Q9. DCFとマルチプルの結果が乖離したら | インプライド倍率に翻訳して要因分解(成長期待・TV・母集団・ベース差)。収束の化粧はしない(ズレの読み方) |
| Q10. 算定書とフェアネスオピニオンの違い | 算定書はレンジの報告、FOは公正性の意見で責任が一段重い。依拠情報と限定事項の意味まで(本編) |
FASらしさが出る「二の矢」
- 数値を答えたら出典と基準日を添える癖:「ERPは◯◯の公表値を、株価は基準日◯◯で」——この一言がFASの文化適合を示します(基準の明記)。
- 断定を避ける技術:Q4・Q5のような論争的な調整は「実務の幅」と「自分ならどう根拠づけるか」の二段で。
- 会計とのブリッジ:評価の入り口は決算数値の理解(有報の読み方・正常化)。会計士出身でない場合はここを厚く準備。
本記事は無料抜粋版です。40問完全版(バリュエーション実務の詰め問答・NG回答の添削つき)は有料教材として準備中——公開時は教材一覧ページでお知らせします。
Q. FASとIBの面接準備は何を変えるべきですか?
A. 土台(30問レベル)は共通です。FAS向けには①定義・調整の精度、②出典を言う癖、③非上場・税務隣接論点(評価目的で答えが変わる)を上乗せしてください。逆にIB向けはスピードと商売感覚(入札の戦術)を上乗せします。
まとめ
- FAS面接は正確性・根拠・基準への感度。数値には出典と基準日を添える。
- 計算の錨:WACC6.44%・拡張ND280→株式価値520。
- 論争的な調整は「実務の幅+自分の根拠づけ」の二段構え。完全版40問は教材で。
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本記事について
本文中の数値例はすべて理解のための設例であり、実在の企業・案件とは関係ありません。制度・実務慣行に触れる箇所は一般的傾向の整理です。個別案件への適用時は必ずその時点の一次情報・専門家にご確認ください。