M&A支援会社の「規模」を測る最も客観的な物差しが、中小企業庁のM&A支援機関登録制度に各社が登録しているM&A支援業務専従者数です。広告宣伝の多寡や知名度ではなく、実際にM&A支援を専門とする人員が何人いるか。本記事では大手町プレップFA・M&A仲介会社データベース掲載327社を専従者数でランキングし、平均・中央値・分布から「日本のM&A支援会社はどの程度の組織規模が中心なのか」という市場構造まで分析します。

最大の専従者数649日本M&Aセンター
1社当たり平均16.1掲載327社
中央値8平均との乖離が市場構造を映す
100人以上の会社6調査対象587社中

M&A支援業務専従者数ランキング TOP30

専従者数の上位30社は次のとおりです。会社名から各社の詳細ページ(料金体系・得意業界・公開実績・出典つき)に移動できます。31位以下を含む全327社はデータベース本体で専従者数順に並べ替えて確認できます。

順位会社専従者数支援形態上場区分本社分類
1日本M&Aセンター649FA・仲介両方上場G東京都M&A仲介・FA複合
2M&A総合研究所329仲介のみ上場G東京都独立系M&A仲介
3M&Aキャピタルパートナーズ203FA・仲介両方上場東京都M&A仲介・FA複合
4M&Aロイヤルアドバイザリー152FA・仲介両方非上場東京都独立系M&A仲介
5fundbook139FA・仲介両方上場G東京都M&A仲介・FA複合
6山田コンサルティンググループ100FA・仲介両方上場東京都コンサルティング会社系
7ブティックス91FA・仲介両方上場東京都独立系M&A仲介
8CBヘルスケア67FA・仲介両方非上場東京都独立系M&A仲介
9フロンティア・マネジメント54FA・仲介両方上場東京都FAS・アドバイザリー
10AGSコンサルティング52FA・仲介両方非上場東京都会計士法人系
11HCフィナンシャル・アドバイザー50FA・仲介両方非上場東京都M&A仲介・FA複合
12ACN経営研究所50FA・仲介両方非上場東京都M&A仲介・FA複合
13プレックス49FA・仲介両方非上場東京都独立系M&A仲介
14船井総研あがたFAS48FA・仲介両方上場G東京都FAS・アドバイザリー
15AGS FAS47FA・仲介両方非上場東京都FAS・アドバイザリー
16辻󠄀・本郷44FA・仲介両方非上場東京都税理士法人系
17レコフ44FA・仲介両方上場G東京都M&A仲介・FA複合
18インテグループ43FA・仲介両方上場東京都独立系M&A仲介
19経営承継支援43FA・仲介両方非上場東京都事業承継支援系
20名南M&A41FA・仲介両方上場愛知県M&A仲介・FA複合
21朝日中央事業承継M&Aコンサルティング38FA・仲介両方非上場東京都事業承継支援系
22オンデック36FA・仲介両方上場大阪府M&A仲介・FA複合
23信金キャピタル36FA・仲介両方非上場東京都金融グループ系M&A専業会社
24エス・エム・エス35FA・仲介両方上場東京都M&A仲介・FA複合
25FFGSuccession35FA・仲介両方非上場福岡県金融グループ系M&A専業会社
26Byside35FA・仲介両方非上場東京都M&A仲介・FA複合
27M&A承継機構34FA・仲介両方非上場東京都M&A仲介・FA複合
28事業承継協会埼玉支部33FA・仲介両方非上場埼玉県事業承継支援系
29M&Aベストパートナーズ30仲介のみ非上場東京都独立系M&A仲介
30大分綜合会計事務所28FA・仲介両方非上場大分県税理士法人系

表1: M&A支援業務専従者数ランキング上位30社(中小企業庁M&A支援機関登録制度の登録情報・2026年8月15日時点)。支援形態は登録制度ベース。

首位の日本M&Aセンターは専従者649人と、2位のM&A総合研究所(329人)にほぼ2倍の差をつけています。上位5社の専従者を合計すると1,472人で、掲載327社の専従者総数5,273人の約28%、上位10社では約35%に達します。わずか3%の会社が人員の3分の1を抱える——上位集中と裾野の広さが同居する市場です。

人員規模の分布——「平均16人」より「中央値8人」が実像

掲載327社の1社当たり平均専従者数は16.1人ですが、この平均は少数の大手に強く引き上げられています。実像に近いのは中央値の8人です。調査対象を専従者3名以上の587社まで広げた分布は次のとおりです。

最も厚いのは3〜4人(260社)と5〜9人(200社)の層で、合わせて全体の78%を占めます。20人以上の会社は43社(7%)しかなく、100人以上はわずか6社です。つまり日本のM&A支援会社の標準像は、テレビCMを打つ大手仲介ではなく、数名〜10名弱の少数精鋭ブティックです。売り手・買い手としてM&A会社を選ぶ際も、転職先として見る際も、この分布を前提に「どの規模帯の会社と話しているのか」を意識することが重要です。

上場グループと非上場——人員は資本市場に集まる

区分会社数専従者合計平均中央値
本体または親会社が上場292,000人69人20人
非上場2983,273人11人7.5人

表2: 上場区分別のM&A専従者数(掲載327社)

上場グループは29社と全体の1割未満ですが、専従者は2,000人と市場全体の約38%を占めます。1社当たり平均も上場グループ69人に対し非上場11人と6倍超の開きがあります。M&A仲介は成功報酬型で先行投資(人材採用・教育)が重い事業であるため、上場による資金調達力と知名度が人員拡大に直結しやすい構造です。M&A関連の上場企業自体の分析は市場統計・全体像でも扱っています。

FA専業・仲介専業・両方対応の比較

支援形態(登録ベース)会社数専従者合計平均中央値
FA・仲介両方2864,565人16人8人
FAのみ27245人9.1人8人
仲介のみ14463人33.1人8.5人

表3: 支援形態別のM&A専従者数(中小企業庁登録制度の登録情報ベース)

「仲介のみ」の平均が33.1人と突出していますが、これはM&A総合研究所など大手仲介専業が含まれるためで、中央値は8.5人と他形態と大差ありません。FA専業は平均9.1人と最も小規模で、少人数で専門性を売るブティック型が中心です。FAと仲介のビジネスモデルの違いはポジショニングマップで詳しく解説しています。

地域別の人員規模——東京の1社当たり19.5人

北海道
8人 会社数 7・専従者計 54人
東北
7人 会社数 5・専従者計 37人
関東
20人 会社数 220・専従者計 4,280人
中部
10人 会社数 25・専従者計 240人
近畿
9人 会社数 44・専従者計 396人
中国
7人 会社数 6・専従者計 42人
四国
10人 会社数 1・専従者計 10人
九州・沖縄
11人 会社数 19・専従者計 214人

図2: 地域別の1社当たり平均専従者数(本社所在地ベース)

1社当たり平均専従者数は関東19.5人に対し、その他の地域は7〜11人台です。大手が東京に本社を置くため、会社数(63%が東京)以上に人員の東京集中(専従者の約79%)が進んでいます。地域構造の詳細は地域別ランキング東京集中度分析をご覧ください。

集計方法・定義

M&A専従者数
中小企業庁「M&A支援機関登録制度」に各社が登録した「M&A支援業務専従者数」。総従業員数(バックオフィス等を含む)とは異なる。
ランキング対象
大手町プレップFA・M&A仲介会社DB掲載の327社(専従者5名以上)。分布分析(図1)のみ調査対象587社(専従者3名以上)で集計。
上場区分
「上場」は本体上場。「上場G」は親会社またはグループ会社の上場が各社公式サイト等で確認できた場合。
支援形態
中小企業庁登録制度の登録情報(FA/仲介の対応区分)。各社公式サイトの記載と異なる場合がある。
同数の場合の順位
専従者数が同数の場合はふりがな順。

本記事は中小企業庁「M&A支援機関登録制度」および各社の公式サイト等の公開情報をもとに、大手町プレップが独自に集計・分類したものです。公開情報で確認できない項目は推測で補完せず「未確認」として扱っています。

よくある質問

M&A専従者数が最も多い会社はどこですか?

日本M&Aセンターの649人が最大です(2026年8月15日時点・中小企業庁登録情報ベース)。2位はM&A総合研究所(329人)、3位はM&Aキャピタルパートナーズ(203人)です。

日本のM&A支援会社の平均的な規模はどれくらいですか?

掲載327社の平均は16.1人ですが、少数の大手が平均を引き上げており、中央値は8人です。専従者10人未満の会社が調査対象587社の約78%を占め、数名規模のブティックが市場の中心です。

専従者数と総従業員数は何が違いますか?

専従者数は中小企業庁登録制度上の「M&A支援業務の専従者」であり、経理・人事などの管理部門や他事業の人員を含む総従業員数より小さくなるのが通常です。会社の全体規模ではなく、M&A支援の実働体制を比較する指標として本記事では専従者数を用いています。

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