後継者不在の中小企業は全国に存在します。では、それを支援するFA・M&A仲介会社はどこにいるのでしょうか。本記事では大手町プレップFA・M&A仲介会社データベース掲載327社を本社所在地ベースで都道府県別・地域別に集計し、企業数・M&A専従者数・1社当たり人員の観点から、東京・大阪・地方の市場構造を分析します。

東京都206掲載社数の63%
大阪府3410.4%
東京の専従者シェア78.7%4,148人/5,273人
本社所在の都道府県数30都道府県47都道府県中

都道府県別ランキング

本社所在地が確認できた327社の都道府県別の内訳です。会社が1社でも所在するのは30都道府県で、残りの17県には専従者5名以上のM&A支援会社の本社が存在しません

順位都道府県会社数専従者合計1社当たり地域
1東京都2064,14820.1関東
2大阪府343079近畿
3愛知県141269中部
4福岡県78812.6九州・沖縄
5京都府7618.7近畿
6北海道7547.7北海道
7埼玉県67011.7関東
8静岡県55110.2中部
9栃木県4348.5関東
10大分県35016.7九州・沖縄
11沖縄県3279九州・沖縄
12広島県3227.3中国
13熊本県3227.3九州・沖縄
14山口県3206.7中国
15神奈川県3186関東
16兵庫県22311.5近畿
17岐阜県2189中部
18宮崎県2199.5九州・沖縄
19山形県2147東北
20富山県11919中部
21石川県11414中部
22岩手県11010東北
23愛媛県11010四国
24茨城県11010関東
25長崎県188九州・沖縄
26青森県188東北
27新潟県166中部
28福井県166中部
29福島県155東北
30和歌山県155近畿

表1: 都道府県別のM&A支援会社数・専従者数(本社所在地ベース・2026年8月15日時点)

地域ブロック別の構造

北海道
7社 専従者54人・1社当たり7.7人
東北
5社 専従者37人・1社当たり7.4人
関東
220社 専従者4,280人・1社当たり19.5人
中部
25社 専従者240人・1社当たり9.6人
近畿
44社 専従者396人・1社当たり9人
中国
6社 専従者42人・1社当たり7人
四国
1社 専従者10人・1社当たり10人
九州・沖縄
19社 専従者214人・1社当たり11.3人

図1: 地域ブロック別の会社数・専従者数(本社所在地ベース)

関東(実質的にはほぼ東京)に220社・専従者4,280人が集中し、社数で67%、人員では81%を占めます。注目すべきは1社当たり人員の格差です。関東の19.5人に対し、北海道・東北・中国は7人台。地方のM&A支援会社は「存在しない」のではなく「小さい」のです。地方の案件は、地方の小規模プレイヤーと、東京大手の全国ネットワークが分け合う構造になっています。

第二極・大阪と第三極・名古屋

大阪府は34社・専従者307人と東京に次ぐ第二極ですが、その規模は東京の約7%(人員ベース)に過ぎません。大阪に本社を置く主要プレイヤーは次のとおりです。

会社専従者数分類
1オンデック36人M&A仲介・FA複合
2ベネフィットM&Aコンサルタンツ18人M&A仲介・FA複合
3グローバルマネジメント17人税理士法人系
4池田泉州M&Aソリューション15人金融グループ系M&A専業会社
5あおいFAS13人FAS・アドバイザリー

表2: 大阪府に本社を置く主要M&A支援会社(専従者数順)

愛知県(名古屋圏)は14社・専従者126人。製造業の集積地であり、税理士法人系・地銀系を含む地場プレイヤーが厚いのが特徴です。

会社専従者数分類
1名南M&A41人M&A仲介・FA複合
2栄町リサーチ&コンサルティング11人その他M&A支援会社
3ブラザシップコンサルティング10人コンサルティング会社系
4東海東京証券8人証券会社系
5セレンディップ・フィナンシャルサービス7人金融グループ系M&A専業会社

表3: 愛知県に本社を置く主要M&A支援会社(専従者数順)

地方のM&A支援体制——専業プレイヤーと大手の拠点網

三大都市圏以外では福岡県(7社)・北海道(7社)・静岡県(5社)などが比較的厚く、金融グループ系・税理士法人系・事業承継支援系の顔ぶれが目立ちます。一方、東京大手は支店網で地方をカバーします。国内拠点数が多い会社は次のとおりです。

表4: 公式サイトで確認できた拠点数の上位(拠点数は公式サイト記載ベース)

地方の売り手企業にとっての実務的な含意はこうです。選択肢は「地元の専業・士業系」か「東京大手の地方拠点・全国対応」の二択になりやすく、両者で手数料体系(最低成功報酬の有無)・買い手ネットワークの広さ・地元金融機関との関係が大きく異なります。データベースでは国内エリアでの絞り込みができるため、自社の所在地に対応するプレイヤーを比較できます。

集計方法・定義

本社所在地
中小企業庁登録制度および各社会社概要ページ記載の本店所在地。登記上の本店と主たる営業拠点が異なる場合があるが、公開情報で確認できる本店を採用。
地域区分
北海道/東北/関東/中部/近畿/中国/四国/九州・沖縄の8区分(標準的な地域区分)。
拠点数
各社公式サイトで確認できた国内・海外拠点数。営業所・サテライトの扱いは会社により異なるため、厳密な同一基準ではない。
集計対象
大手町プレップFA・M&A仲介会社DB掲載327社(M&A専従者5名以上)。

本記事は中小企業庁「M&A支援機関登録制度」および各社の公式サイト等の公開情報をもとに、大手町プレップが独自に集計・分類したものです。公開情報で確認できない項目は推測で補完せず「未確認」として扱っています。

よくある質問

M&A仲介会社は東京にどれくらい集中していますか?

掲載327社のうち206社(63%)が東京都に本社を置き、M&A専従者ベースでは78.7%が東京に集中しています。詳細は東京集中度の分析記事をご覧ください。

大阪の主要なM&A支援会社はどこですか?

専従者数ではオンデックベネフィットM&Aコンサルタンツグローバルマネジメントなどが大阪府の主要プレイヤーです(本社所在地ベース)。東京大手の大阪支社も選択肢になるため、実際の候補はこれより広くなります。

地方の会社を売却する場合、地元の会社と東京の会社のどちらに相談すべきですか?

一概には言えません。地元プレイヤーは地域の買い手・金融機関ネットワークと距離の近さ、東京大手は全国の買い手データベースと組織力が強みです。手数料体系(着手金・最低成功報酬)も大きく異なるため、複数社を比較することが重要です。データベースではエリア・料金での絞り込みができます。

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