この記事で分かること
- Financial Modeling(ファイナンシャルモデリング)と日本語の「財務モデリング」は同じ技術を指すが、英語圏の教材・求人では3-Statement Model・DCF・Comps・Merger Model・LBO Modelという型の名称と学習順序が定型化していること
- 英語圏で頻出するモデリング用語(Operating Model、Precedent Transactions、Sources & Uses、Debt Schedule、Cash Sweep、Circular Reference、Hardcode、Plug、Checkなど)の日本語での対応と意味
- 有価証券報告書・単位・消費税・決算期など、日本の実務で異なる点と、EV/EBITDA倍率のような断定できない水準感の扱い方
- 英語教材と日本語資料をどう組み合わせて学ぶか、英語面接の定番質問「Walk me through the model」への答え方の骨子
結論:Financial Modelingと財務モデリングは同じ技術。違うのは呼び方と学習順序
Financial Modeling(ファイナンシャルモデリング)は、日本語の「財務モデリング」とまったく同じ技術を指します。企業の将来の財務三表・キャッシュフローをExcel上で予測し、意思決定の材料にするという作業自体に、英語版と日本語版で違いはありません。財務モデリングという営みそのものの仕組みや作り方は、財務モデリング完全ガイドで7ステップに沿って解説していますので、本記事ではそちらと重複する基礎の説明は最小限にとどめ、英語圏の呼び方との対応関係と、日本の実務で気をつける点に絞って扱います。
違うのは、呼び方と学ぶ順序です。海外のMBA・投資銀行やPEファンドの採用選考・英語の教材では、財務モデリングという総称よりも、3-Statement Model・DCF・Comps(Comparable Company Analysis)・Precedent Transactions・Merger Model・LBO Modelという、モデルの型ごとの名称が使われます。求人票にも面接の質問にも、これらの型名がそのまま登場します。そして多くの英語教材は、財務三表の連動(3-Statement Model)から始めて、バリュエーション(DCF・Comps・Precedent Transactions)、M&Aモデル(Merger Model)、LBOモデルという順に積み上げていく構成を取っています。これは、より複雑なモデル(M&AモデルやLBOモデル)が、財務三表の連動とバリュエーションという土台の上に成り立っているためです。
日本語で「財務モデリング」と言うとき、この型の区別まで意識して使われることは少なく、Excelで数字を組み立てる作業全般を指す総称として使われがちです。英語の求人票や海外の教材、海外MBAのシラバスでこの語に触れたときに戸惑うのは、多くの場合この「総称か型の名称か」というズレが原因です。以下、型ごとの英語名と日本語の対応、そして日本の実務で追加的に押さえるべき点を順番に見ていきます。
英語圏での用語対応表:モデルの型と実務用語
英語の教材・求人票・面接でそのまま使われる用語を、モデルの型(バリュエーション手法を含む)と、モデルを組む際の実務用語の2つに整理します。3-Statement Modelの土台は財務三表のつながり、DCFの実装手順はExcelでゼロからDCFモデルを作る、Comparable Company Analysisの作り方はComps作成の5ステップ、Merger Modelの組み方はM&Aモデル(Accretion/Dilution分析)の作り方、LBO Modelの組み方はLBOモデルの作り方で、それぞれ詳しく扱っています。
| 英語 | 日本語での呼び方 | 意味 |
|---|---|---|
| Financial Model | ファイナンシャルモデル/財務モデル | 企業の将来の財務三表・キャッシュフローを予測する仕組み全般の総称 |
| 3-Statement Model | 3表連動モデル | PL・BS・CFの財務三表を連動させて将来を予測する基本モデル |
| Operating Model | オペレーティングモデル | 売上・コストなど事業の駆動要因(ドライバー)から積み上げる、財務三表より手前の事業計画部分 |
| DCF(Discounted Cash Flow) | DCF法/割引キャッシュフロー法 | 将来のフリーキャッシュフローを割引率で現在価値に引き直して企業価値を求める手法 |
| Comparable Company Analysis(Comps) | 類似会社比較法/コンプス | 上場している同業他社の株価・財務指標から倍率(マルチプル)を求めて評価する手法 |
| Precedent Transactions | 類似取引比較法 | 過去の類似M&A取引の買収倍率から評価する手法 |
| Merger Model/Accretion-Dilution | マージャーモデル/増減益分析 | 買収によって買収企業のEPS(1株当たり利益)が増えるか減るかを分析するM&Aモデル |
| LBO Model | LBOモデル | 借入を活用した買収の財務モデルで、Sources & UsesからIRR・MOICなどのリターン計算までを行う |
モデルの型に加えて、実際に組む段になると登場する実務用語もあります。求人票の「financial modeling skills」という一文の裏側には、次のような用語を前提とした作業が含まれています。
| 英語 | 日本語での呼び方 | 意味 |
|---|---|---|
| Sources & Uses | ソーシズ・アンド・ユージズ | 買収資金の調達内訳(Sources)と使途(Uses)を一覧にした表 |
| Debt Schedule | デットスケジュール | 借入金の残高推移・利払い・返済を管理するスケジュール |
| Cash Sweep | キャッシュスイープ | 余剰現金を借入金の期限前返済へ任意に充当する仕組み |
| Sensitivity Analysis | 感応度分析 | 前提を変化させたときに結果がどう動くかを検証する分析 |
| Circular Reference | 循環参照 | 利息計算などでセル同士が互いを参照し合う状態 |
| Hardcode | ハードコード | 数式ではなく直接入力した数値。色分けして数式セルと区別するのが実務の規律 |
| Plug | プラグ | BSの貸借差額を強制的に一致させる調整項目。実務では原則として使わない |
| Check | チェック(検算セル) | モデルが壊れていないかを検知する検算セル。0やTRUEで正常を示す |
この中でも、Circular Reference(循環参照)とDebt Scheduleは、初めてモデルを組む際につまずきやすい代表的なポイントです。仕組みを理解したうえで型として覚えておくと、英語での質問にも詰まりにくくなります。また、Hardcode・Plug・Checkは、モデルの品質そのものに関わる用語で、色分けルールやチェックセルの設計といった基本作法と共通しています。英語圏の面接では、こうした品質管理の用語を知っているかどうかも、実務経験の有無を測る指標として見られます。用語の英語の語感にも意味があり、たとえば”plug”は本来「穴埋め」という意味で、実務では歓迎されない手法だというニュアンスを含んでいます。
英語圏の求人・面接で”Financial Modeling skills”が意味する範囲
英語の求人票に”strong financial modeling skills”(財務モデリングの高いスキル)とだけ書かれていても、実際に評価される中身はかなり具体的です。投資銀行・PEファンド・コーポレートファイナンス職の選考では、一般的に次のような能力が想定されています。
- 白紙のExcelシートから3-Statement Modelを組み立てられること(テンプレートなしで、PL・BS・CFの連動構造を自力で設計できるか)
- DCF・Comps・Precedent Transactionsという複数のバリュエーション手法を実装し、結果の違いを説明できること
- 時間制限つきのモデリングテストで、LBOモデルやM&Aモデルを一定の品質でまとめ切れること
- マウスを使わずキーボードだけで素早くExcelを操作できること。投資銀行のExcel作法とショートカットで扱う操作速度も、面接での評価対象に含まれます
- 組んだモデルの構造とアウトプットを、簡潔な英語で口頭で説明できること
面接の形式も2種類に分かれます。1つは口頭のテクニカル面接で、「Walk me through a DCF」のように、手順を言葉で説明させる質問です。もう1つは実際にExcelを操作させるモデリングテストで、制限時間内に完成品まで組ませます。求人票の”financial modeling skills”という一文は、この両方に耐えられる水準を指していると考えるのが実務的です。個別の企業がどの水準を求めているかは公開情報だけでは分からないため、選考を受ける企業・ポジションごとに、求められる型(3-Statement/DCF/LBO/M&Aのどれが中心か)を募集要項や面接案内から確認するのが確実です。
日本の実務で異なる点:開示書類・単位・税金・決算期
モデルの骨格(3表連動・DCFやLBOの計算ロジック)は英語圏の教材と共通して使えますが、日本企業を対象にモデルを組むときは、いくつかの前提が入れ替わります。主なものを整理します。
| 項目 | 英語圏の教材で前提とされること | 日本の実務での違い |
|---|---|---|
| 開示書類 | 10-K・10-Q(米国の年次・四半期報告書) | 有価証券報告書・決算短信・四半期報告書を確認する。上場企業はEDINETで開示している |
| 会計基準 | US-GAAP・IFRSを前提にした設例が多い | 日本基準(J-GAAP)とIFRSが併存し、のれんの処理などが異なる |
| 単位表示 | 千ドル・百万ドル単位の表示 | 百万円・千円単位が中心で、桁数の感覚を作り直す必要がある |
| 決算期 | 暦年(1月〜12月)決算の企業が多い | 4月〜3月決算の企業が多く、四半期の対応関係がずれやすい |
| 税金 | 連邦法人税を軸にした設例が多い | 消費税の税抜・税込の扱いや法人税の実効税率など、日本固有の税制が前提になる |
| 倍率感覚(EV/EBITDA等) | 業界レポートの倍率をそのまま使う設例がある | 業種・市場・案件ごとに水準が変わり、断定できない |
会計基準の違いは、のれんの扱いに典型的に表れます。詳しくはのれんとPPA入門で扱っていますが、日本基準では規則的な償却を行う点が、償却を原則行わないIFRSやUS-GAAPの実務と大きく異なります。米国の教材の設例をそのまま日本企業のモデルに持ち込むと、のれん償却費の扱いだけで営業利益の水準が変わってしまいます。
決算期のずれも見落とされがちです。米国企業と日本企業を同じシートで比較するとき、日本企業は4月〜3月、米国企業は1月〜12月の決算が多く、決算期がずれたまま単純に数字を並べると、季節性の異なる期間を比較することになり、誤った結論を導きます。
もう一つ見落とされやすいのが、消費税の扱いです。売上高やコストは通常、消費税抜き(税抜経理)でモデルに乗せますが、運転資本(売掛金・買掛金)の残高は、実際に請求・支払いされる税込みの金額を反映します。この対応を誤ると、回転日数(DSO等)の前提がずれます。次の設例で確認します。
式
設例(仮定):年間売上高(税抜)1,000百万円、消費税率10%、真の回収サイト30日の企業
日次売上高(税抜) = 1,000百万円 ÷ 365日 ≈ 2.74百万円/日
本来の売掛金残高(税抜ベース) = 2.74百万円 × 30日 ≈ 82.2百万円
実際の売掛金残高(税込・請求書ベース) = 82.2百万円 × 1.10 ≈ 90.4百万円
この税込残高を税抜売上高ベースの回転日数の式にそのまま当てはめると:90.4百万円 ÷ 2.74百万円/日 ≈ 33.0日
意味:実際の回収サイトは30日でも、税抜売上高を分母に税込の売掛金残高を割ると、DSOが約33日と、消費税率とほぼ同じ幅(+10%)だけ長く見えてしまう。英語教材の設例の多くは消費税(付加価値税)を考慮していないため、日本企業のモデルではこの調整を別途組み込む必要がある。
法人税についても、実効税率の水準や繰越欠損金の使用可能期間など、日本固有のルールが最終利益に影響します。税率は税制改正で変わり得るため、具体的な税率をハードコードで埋め込まず、前提セルを分けて更新できる形にしておくのが実務的な対応です。EV/EBITDA倍率のような評価水準も同様で、業種・市場・個別案件の状況によって適正なレンジは変わるため、海外教材で紹介される倍率感を日本の案件にそのまま持ち込むのは避け、類似会社比較法で実際の類似会社の数字から個別に検証するべきです。
英語教材と日本語資料、どちらから学ぶべきか
海外MBAのファイナンス科目や、英語の教材・オンライン講座で財務モデリングに最初に触れる読者も増えています。英語教材で学ぶ利点は、国際標準の型(3-Statement/DCF/Comps/LBO/Merger Model)の名称と手順を、最初から英語の語彙とセットで身につけられることです。海外の投資銀行・PEファンドを受ける場合や、外資系金融機関の日本拠点で英語面接がある場合には、この語彙の一致が直接役立ちます。
一方で、英語教材の設例に登場する財務諸表は、ほぼ例外なく米国上場企業の10-K形式です。科目名、単位、税金の扱い、決算期のいずれも日本企業の開示とは異なるため、英語教材だけで学んだ人が実際に日本企業の有価証券報告書を開くと、科目の対応付けに戸惑うことになります。モデルの計算ロジック(売上ドライバーから3表を連動させ、DCFやLBOのリターンを出すという流れ)自体は共通して使えるので、投資した時間が無駄になるわけではありませんが、表面の科目名・単位・開示書類の読み方は別途、日本の資料で学び直す必要があります。
実務的な順番としては、まず本記事のような用語対応表で「英語の型名と日本語の対応関係」を先に固めます。次に、財務三表のつながりで日本企業の決算書を前提にした3表の構造を押さえたうえで、実際の試算表や決算書のデータをモデルに落とし込む練習を重ねます。英語教材で学んだ手順を、日本の開示資料という「素材」に当てはめ直す作業だと考えると分かりやすいです。
日本語で体系的に学ぶ順序
用語の対応関係を押さえたら、あとは体系的に手を動かして組む量を増やすことが近道です。大手町プレップでは、次の順序で無料の教材を用意しています。
- 財務モデリング講座(無料・全28章・会員登録不要):第1部 会計とオペレーティングモデルの土台(6章)、第2部 バリュエーションとDCF(8章)、第3部 デット・モデリング(3章)、第4部 LBOモデル(5章)、第5部 M&Aモデル(3章)、第6部 面接・キャリアへの接続(3章)という構成で、英語圏の学習順序(3-Statement→DCF/Comps→LBO→M&A)とほぼ対応した並びで進みます
- 7日間の無料財務モデリング講座(無料会員登録後にメールで1日1通、/register/から登録・クレジットカード不要):Excelと財務モデルの基本ルールから、財務三表のつながり、予測と運転資本、DCF法、LBOモデルの基本、M&Aモデルの基本まで、7日間で全体像をつかむ構成です
- 無料Excelテンプレート集(Excel Starter Pack、/materials/excel-starter-pack/):3表連動モデル・DCF・LBO・M&Aモデルなど9種類・計54シートのテンプレートを、無料会員登録でダウンロードできます
さらに深く、型ごとに1冊分の分量で学びたい場合は、教材・受講プラン一覧に、3ステートメントモデリング講座・DCFモデリング講座・Compsモデリング講座・M&Aモデリング講座・LBOモデリング講座・企業価値評価入門・Excelモデリング講座という、型ごとの有料講座を用意しています。英語の求人票で見た型名を、そのまま講座のタイトルと突き合わせれば、次に何を学べばよいかが分かりやすくなります。
英語面接・英語での説明に備える
外資系金融機関の日本拠点や海外オフィスの選考では、テクニカル面接が英語で行われることがあります。定番の質問は決まっていて、代表的なものは次の3つです。
- Walk me through a DCF.(DCF法の手順を説明してください)
- Walk me through the three financial statements.(財務三表のつながりを説明してください)
- Walk me through your model. / Walk me through the LBO model.(組んだモデル・LBOモデルの構造を説明してください)
これらはいずれも「手順を、抜かさず、順番通りに説明できるか」を見る質問です。英語での回答は、結論から先に言う(先に答えの構造を宣言してから、細部に入る)組み立てが基本です。「Walk me through a DCF」であれば、次のような骨子で答えます。
- 将来のフリーキャッシュフロー(FCF)を、通常5〜10年分予測する
- WACC(加重平均資本コスト)を算定し、割引率として使う
- 各年のFCFをWACCで現在価値に割り引く
- 予測期間後のターミナルバリューを、永久成長法かExitマルチプル法で算定し、同様に現在価値へ割り引く
- 現在価値の合計から企業価値(EV)を求め、ネットデットを調整してEquity Valueへブリッジする
「Walk me through your model」のように、自分が組んだモデル全体を説明する質問には、①モデルの目的(何を意思決定するためのものか)、②前提・インプットの置き場所、③売上・コストのドライバー、④財務三表の連動、⑤アウトプット(バリュエーションやリターン指標)、⑥チェックセルの設計、という順で答えると話が脱線しません。英語での説明でも、用語は前掲の対応表にある正式名称(terminal value、sensitivity table、circular referenceなど)をそのまま使うのが安全です。日本語の略語や社内用語を英語の会話に混ぜると、理解していないという印象を与えます。
英語圏で頻出するもう一つの定番が、紙の上で簡易LBOをほぼ暗算に近い形で解かせる質問です。手順の型はペーパーLBOの解き方で扱っている3問とほぼ共通しており、日本語で型を身につけてから英語で同じ手順を説明する練習に切り替えるのが効率的です。面接全体の質問マップは金融テクニカル面接の頻出質問で5分野に整理しています。
よくある質問(FAQ)
「Financial Modeling」と日本語の「財務モデリング」は完全に同じ意味ですか。
技術そのものは同じです。ただし英語圏では3-Statement Model・DCF・Comps・LBO Modelのように型ごとの名称が定着しており、日本語の「財務モデリング」はこれらすべてを含む総称として使われることが多いという、使われ方の違いがあります。求人票や面接では型の名称で聞かれる点に注意してください。
英語の教材だけで日本企業のM&Aモデルは組めるようになりますか。
3表連動やDCF、LBOの計算ロジックといったモデルの骨格は共通して使えます。ただし有価証券報告書の科目名、消費税の税抜・税込の扱い、のれんの償却方法、決算期のずれなど、日本固有の前提は別途、実際の開示資料を使って日本語で学び直す必要があります。
英語の面接で「financial modelingができる」と説明するには何を準備すればよいですか。
3-Statement Model・DCF・Comps・LBO Model・Merger Modelをそれぞれ白紙から自力で組めることと、その手順を英語で2〜3分程度にまとめて簡潔に説明できることが目安です。用語は略さず正式名称のまま使うと伝わりやすくなります。
Operating ModelとFinancial Modelは何が違いますか。
Operating Modelは主に売上・コストなど事業のKPIから積み上げる部分を指し、Financial Modelはそれを財務三表やバリュエーションまで含めた全体を指すことが多いという使い分けがありますが、業界共通の厳密な定義があるわけではありません。
日本語で学ぶ場合、どこから始めるのが効率的ですか。
まず英語の型名と日本語の対応関係を先に固めたうえで、無料の財務モデリング講座(全28章)や7日間の無料講座で、財務三表の連動からDCF・LBO・M&Aモデルまで実際に手を動かしながら順番に学んでいくのが、遠回りに見えて確実な近道です。
EV/EBITDA倍率のような海外教材の水準感を、そのまま日本の案件に使ってよいですか。
業種・市場・案件ごとに適正な倍率のレンジは変わるため、海外教材で紹介される倍率感をそのまま日本の案件へ当てはめるのは避けるべきです。実際に取引されている類似会社の株価や財務指標を集め、類似会社比較法を使って案件ごとに個別に検証する必要があります。
まとめ
- Financial Modelingと財務モデリングは同じ技術だが、英語圏では3-Statement Model・DCF・Comps・Merger Model・LBO Modelという型の名称と学習順序が定型化している
- Sources & Uses・Debt Schedule・Cash Sweep・Circular Reference・Hardcode・Plug・Checkなど、モデリングの実務用語は英語のまま使われることが多く、正式名称で覚えておくと英語面接にも対応しやすい
- 日本企業を対象にモデルを組む際は、有価証券報告書・百万円単位の表示・消費税の税抜税込・決算期のずれ・EV/EBITDA倍率の断定不可という前提の違いを押さえる必要がある
- 英語教材で学んだ計算ロジックは共通して使えるが、日本の開示資料に当てはめ直す練習が別途必要になる
- 用語の対応を固めたら、無料の財務モデリング講座(全28章)で実際に手を動かして型を組む量を増やすのが、日本語での定着の近道
※本記事は教育目的の一般的な解説であり、法務・税務・投資助言ではありません。設例は理解のための仮設例です。