この記事で分かること

  • 90分と180分という代表的な2つの制限時間で、モデリングテストに求められる合格水準がどう変わるか
  • 試験開始直後の5分で何を確認し、Sources & Uses→Debt Schedule→三表→リターン計算という作成順序をどう守るか
  • 完成度と精緻さのどちらを優先すべきか、BS Balance Check・Error Check・Sensitivity・Formattingという残り時間の使い方
  • 制限時間内に終わらなさそうなときに何を先に削るべきか、最後10〜15分のQCで何を確認すべきか

結論:本記事が扱うのは「時間戦略・作成順序・合格水準」だけです

PE・投資銀行の選考で課されるモデリングテスト(Excelで実際にLBOモデル等を組ませる実技試験)で失点する理由は、大きく3つの層に分かれます。①進め方や態度に起因するもの(質問の仕方、パニック時の対処、優先順位のつけ方)、②モデルの中身そのものの技術的な誤り(数式・構造・整合性)、③時間配分と作成順序の誤り(何にどれだけ時間を使うか、何から手をつけるか)です。①はモデリングテストで落ちる人の共通点7つ、②はLBOモデルテストで落ちる典型的なミス30選で扱っているため、本記事は③、すなわち制限時間90分・180分という代表的な2パターンでの時間戦略・作成順序・合格水準だけに範囲を絞って解説します。3本を合わせて読むことで、進め方・技術・時間管理という3つの観点からモデリングテストの全体像がつかめる構成にしています。

以下で示す時間配分・作成順序・合格基準は、公開情報と一般的な指導経験に基づく編集部の整理であり、特定のファンドや投資銀行における実際の出題内容・制限時間・採点基準を示すものではありません。制限時間や出題形式はファンド・部署・年度によって幅があるため、実際の試験ではその場で渡される指示書の内容を必ず優先してください。PEキャリア全体の中でモデリングテストがどう位置づけられるかはPEファンド転職完全ガイドで確認できます。

90分と180分では「合格水準」そのものが違う

モデリングテストの制限時間は、30分程度のPaper LBO相当から数時間、時には数日間の持ち帰り課題まで幅がありますが、実技としてExcelを操作する形式では90分前後と180分前後の2つが、代表的な水準として語られることが多いパターンです。両者は単に「後者の方が作業量が多い」だけでなく、採点者が何を見ているかという合格水準そのものが変わる点を理解しておく必要があります。

90分パターンは、実務未経験に近い候補者にも課されることがある短時間形式で、求められているのは精緻さではなく生存力です。前提条件からSources & Uses、三表、簡易的なDebt Schedule、リターン計算までを、壊さずに時間内で一周させられるかどうかが最大の関門になります。複数トランシェの詳細設計や感応度分析まで踏み込む時間は、基本的にありません。

180分パターンは、より実務に近い判断力を測る形式で、90分パターンの骨格に加えて、Sensitivity(感応度分析)・複数シナリオ・体裁の作り込み・投資判断の言語化まで含めて評価されるのが一般的です。同じ「三表が繋がっている」状態でも、180分では感応度分析やフォーマットの整備まで含めた完成度が期待されます。この違いを意識せずに90分の感覚で180分の試験に臨むと、時間が余っているのに何をすべきか分からず散漫になり、逆に180分の感覚で90分の試験に臨むと、精緻さにこだわりすぎて時間切れになります。

最初の5分で確認すべきこと

Excelを開いてすぐに手を動かし始めるのは、90分・180分いずれのパターンでも避けるべき進め方です。最初の5分は、次の項目を確認する時間に充ててください。

指示書を最後まで読み切る

指示書の後半に、リターン計算の要求水準(IRRだけでよいのかMOICも必要か)、感応度分析の要否、投資推奨の記述要否といった、後半の作業量を左右する条件が書かれていることがあります。前半だけ読んで手を動かし始めると、後半で初めて要求事項を知り、時間配分が崩れます。

与えられた形式を把握する

完全な空白のBlankシートから組むのか、三表のテンプレートや行構造の一部が既に用意されているのかで、必要な作業量は大きく変わります。テンプレートがある場合は、既存の行構造・単位・命名規則に合わせることも評価対象になり得ます。

単位・端数処理・反復計算の設定ルールを確認する

百万円単位か千円単位か、小数点以下の扱い、循環参照が発生する前提でExcelの反復計算(Iterative Calculation)を有効化してよいかどうかを、指示書または口頭で確認します。単位を確認しないまま進めると、後から全シートを直す羽目になり、時間を大きく失います。

桁感で当たりをつけてから着手する

買収価格・レバレッジ・エクイティ出資額のおおよその桁を暗算で先に把握しておくと、モデルが完成した後に「桁が1つずれている」ことに、数式を追わなくても気づけます。この感覚は桁感チェックと呼ばれ、モデルテストに限らず実務全体で有効な習慣です。

90分パターンの分単位タイムテーブル

以下は、90分という制限時間を前提にした時間配分の一例です。実際の出題内容によって前後しますが、「何にどれだけ配分するか」の考え方の型として参考にしてください。

区分目安時間主な作業内容
指示確認・前提整理0〜5分(5分)指示書の読了、単位・反復計算設定の確認、桁感の把握
Sources & Uses・資本構成5〜25分(20分)取引前提の整理、EV算定、デット/エクイティの配分、Sources=Usesの確認
Debt Schedule(簡易)25〜50分(25分)トランシェを1〜2本に絞った金利・元本返済スケジュール
三表リンク50〜70分(20分)PL→CF→BSの接続、循環参照の処理、Balance Checkの設置
リターン計算70〜80分(10分)Exit前提の設定、IRR・MOICの算出
最終QC80〜90分(10分)Balance Check・Error Check・単位確認、提出

180分パターンの分単位タイムテーブル

180分パターンでは、90分パターンと同じ作成順序を保ちながら、各工程に厚みを持たせ、感応度分析と体裁整備の時間を確保します。

区分目安時間主な作業内容
指示確認・前提整理0〜5分(5分)指示書の読了、単位・反復計算設定の確認、桁感の把握
S&U・資本構成5〜35分(30分)取引前提の整理、複数トランシェの検討を含む資本構成の設計
Debt Schedule35〜75分(40分)複数トランシェ、Cash Sweep、Revolverロジックの構築
三表構築・リンク75〜120分(45分)PL・CF・BSの構築とリンク、循環参照の処理、Balance Check
リターン分析120〜150分(30分)IRR・MOICの算出、Sensitivity(感応度)表、複数Exitシナリオ
フォーマット整備150〜165分(15分)入力/数式の色分け、単位表記の統一、体裁の整理
最終QC165〜180分(15分)Balance Check・Error Check再確認、端数処理、結論の記述
90分/180分の時間配分比較 90分 180分 20 25 20 10 10 30 40 45 30 15 15 90分地点 0 30 60 90 120 150 180 経過時間(分) 指示確認 S&U・資本構成 Debt Schedule 三表構築・リンク リターン分析/Sensitivity フォーマット整備(180分のみ) 最終QC ※各区分の分数は編集部が想定する目安であり、実際の出題形式・ファンドにより前後します。詳細は本文のタイムテーブルを参照してください。
図:90分パターンと180分パターンの時間配分比較。90分は180分の前半半分に相当し、フォーマット整備の専用時間が削られている点が最大の違い。

作成順序の鉄則:Sources & Uses→Debt Schedule→三表→リターン

時間配分の表を見ればわかる通り、90分・180分いずれのパターンでも作成順序は変わりません。Sources & Uses→Debt Schedule→三表(PL・CF・BS)→リターン計算という順序は単なる慣習ではなく、後工程が前工程の数字に依存するという構造上の必然性から来ています。

Sources & Usesで買収資金の調達構成(デット・エクイティの配分)が決まらなければ、Debt Scheduleの元本残高を確定できません。Debt Scheduleで各期の金利費用と元本返済額が決まらなければ、三表(特に損益計算書とキャッシュフロー計算書)の数字を確定できません。三表が完成してExit時点の株主価値が確定しなければ、IRR・MOICというリターン計算の分子を出せません。逆順で手をつけると、前提を変えるたびに前段階まで戻ってやり直すことになり、時間内に終わりません。この作成順序の考え方はモデル構築の順序としても整理されています。

モデル作成順序の車線図 → 出資比率・レバレッジが確定 → 金利・元本残高が確定 → Exit時点の株主価値が確定 → IRR・MOICが算出される 前提条件 Sources & Uses Debt Schedule 三表 (PL・BS・CF) リターン計算 (IRR・MOIC) エラーチェック・フォーマット 軽く並走させながら、仕上げは最後10〜15分に重点配分 ※三表とDebt Scheduleは金利計算を通じて相互参照(循環参照)が生じる場合があります。技術的な処理方法はcar-022で解説しています。
図:Sources & Uses→Debt Schedule→三表→リターン計算という一方向の作成順序と、並走させるエラーチェック・フォーマットの位置づけ。

ゼロから同じ順序で組み上げる手順を通しで確認したい場合はExcelでつくるLBOモデル完全ガイド、LBOモデル全体の骨格を先に押さえたい場合はLBOモデルの作り方を参照してください。

完成度と精緻さのトレードオフ:何を簡略化してよいか

制限時間内では、実務で組む本格的なLBOモデルと同じ精緻さを再現することはできません。合格する候補者に共通するのは、「時間内に完成させること」と「精緻に作り込むこと」のどちらを優先すべきかを、時間帯ごとに判断できていることです。

90分パターンでは、次のような簡略化は許容されると考えてよいでしょう。デットトランシェは1〜2本に絞る、運転資本は主要科目(売掛金・棚卸資産・買掛金)に絞り回転期間の前提もシンプルに置く、Revolverのロジックは省略するか簡易的な記述に留める、感応度分析は行わず口頭で「どの変数が効くか」を説明できる状態にしておく、といった判断です。一方で、Sources & Usesの一致、運転資本の増減の符号、Balance Checkは、どれだけ時間が厳しくてもここを崩すと後続の数字すべてが意味を失うため、簡略化の対象にしてはいけません。

180分パターンでは、上記の簡略化の一部を解いていくことが期待されます。複数トランシェ・Revolverロジックを組み込む、Sensitivityで少なくとも1〜2変数の感応度表を作る、Exitシナリオを複数(ベース・ダウンサイド程度)用意する、といった作り込みです。ただし180分でも「完璧」は目指せません。時間内に到達できる精緻さの天井を、開始5分の段階であらかじめ見積もっておくことが、途中で焦って時間を溶かさないための鍵になります。

残り時間で拾うべき4点:BS Balance Check・Error Check・Sensitivity・Formatting

三表とリターン計算が形になった後、残り時間で優先的に拾うべきなのは次の4点です。ここに挙げる順番が、そのまま優先順位の目安になります。

BS Balance Check:資産=負債+純資産の一致

貸借対照表の資産合計と負債・純資産合計が一致しているかを検算する行です。90分・180分いずれのパターンでも、これがFALSEのまま提出することは最も評価を落とす失敗のひとつです。差額がプラグ(バランス項目)として現金や借入枠に不自然に吸収されていないかも確認します。プラグと本来のバランシング項目の違いはプラグ(バランス項目)とはで整理しています。

Error Check:数式エラー・循環参照・端数のズレ

#REF!やDIV/0!といった数式エラーが残っていないか、循環参照が発生している場合は反復計算が有効になっているかを確認します。「1円合わない」程度の端数のズレは、原因を追う優先度が最も低い部類の問題です。端数処理とタイアウトにあるとおり、丸め方式の違いによる数円単位のズレは、時間が厳しい場面では無視して先に進む判断も合理的です。エラーチェックの設計方法自体をより体系的に知りたい場合は検算チェックの設計を参照してください。

Sensitivity:感応度分析はできる範囲で

Exit倍率とレバレッジ、あるいはEntry倍率とEBITDA成長率といった主要な2変数について、簡単なデータテーブルでIRR・MOICの感応度を示せると評価が上がります。時間が足りない場合は、実際に表を作らずとも「この2つの変数が結果に最も効く」という口頭説明ができる状態にしておくだけでも、何も準備していない状態とは大きく差がつきます。

Formatting:色分け・単位表記の統一

入力セルと数式セルの色分け、単位(百万円/千円、倍率/%)の統一、桁区切りといった体裁は、4点の中では最も優先度が低い項目です。単位の一貫性にあるとおり、単位の混在は見た目の問題を超えてモデルの信頼性そのものを疑わせるため、時間が許す限り最後に必ず確認してください。体裁を含めたモデルの品質チェックを体系的に鍛えたい場合は財務モデルのクオリティチェック(QC)完全ガイドも参考になります。

時間を溶かす典型的な詰まりポイント

時間配分通りに進まなくなる原因は、多くの場合、次のような「作業の順番の誤り」に集約されます。

  • 循環参照をその場でデバッグしようとする:反復計算を有効化していれば動くはずの循環参照に対し、原因究明にこだわって数分〜十数分を失う。まずは反復計算を有効化して先に進み、余裕があれば後で見直す。
  • 作成の途中で体裁を整え始める:色分けや罫線を三表構築の途中で整えようとし、集中力と時間を分散させる。体裁は最後にまとめて整える方が速い。
  • 前提の妥当性を調べすぎる:成長率やマージンの前提の根拠を完璧に詰めようとし、考える時間を使いすぎる。モデルテストでは前提そのものの精度よりも、前提を動かした時にモデルが正しく反応するかが見られている。
  • 1円合わない端数のズレを早い段階で追いかける:丸め方式の違いによる数円のズレの原因究明は後回しにしてよい問題であるにもかかわらず、序盤で時間を使ってしまう。
  • 複数トランシェ・Revolverを時間が足りないのに作り込む:90分パターンで180分パターン相当の精緻さを目指し、後半のリターン計算・QCの時間を削ってしまう。

これらの詰まりポイントの背景にある技術的な原因(循環参照の処理方法、符号の誤り等)を個別に潰しておきたい場合は、LBOモデルテストで落ちる典型的なミス30選で30項目に分類して解説しています。

合格水準は「完成度」より「壊れていないこと」:PE・IBDで見られるポイント

採点者が見ている観点は、PEファンドと投資銀行(IBD)で完全に同じではありませんが、共通する土台があります。共通の土台は、①モデルが壊れていないこと(Balance Checkが合う、エラーがない)、②時間内にリターン計算まで到達していること、③前提を動かしたときにモデル全体が正しく連動することの3点です。この3点を満たしていない答案は、その先にどれだけ高度な感応度分析やフォーマットがあっても、評価の土台に乗りません。

その上で、重心の置き方には傾向の違いがあります。PEファンドの選考では、モデルが出した数字をどう解釈するか、投資として妥当かという判断力が重視される傾向があります。IRR・MOICの数字そのものよりも「この案件のリスクは何か」「レバレッジをどこまで積めるか」を言語化できるかが問われます。投資銀行(特にレバレッジド・ファイナンスやM&A関連部署)のモデリングテストでは、モデルが顧客向け資料の土台になることを想定し、体裁の完成度・スピード・正確性により重心が置かれる傾向があります。ただし、いずれも一般的な傾向の整理であり、部署や年度、面接官個人によって重視点は変わるため、実際の選考ではその場のフィードバックや指示を優先してください。

時間内に終わらない時の見切り方と最後10〜15分のQC

時間配分の表に対して大きく遅れていると気づいたら、次の優先順位に沿って作業内容を削ってください。ピラミッドの下(土台)に行くほど絶対に犠牲にしてはいけない項目、上(頂点)に行くほど時間がない場合に先に削ってよい項目です。

時間切れ時の優先順位(削ってよい順) ↑ 時間が不足したら、まずここから削る ↓ ここは制限時間に関わらず常に死守する ⑤ 最初に削ってよい:複数トランシェ・高度な運転資本ロジック ④ 次に削る:フォーマット・体裁の作り込み ③ その次:Sensitivity分析の精緻さ(骨子だけでも残す) ② 死守に近い:リターン計算まで到達する(簡略化してでも) ① 絶対に死守:BSのバランスと数式リンク ※このピラミッドは一般的な優先順位の目安であり、出題内容によって何を削るべきかは変わり得ます。
図:時間切れが見えた時に削ってよい順序(頂点から)。土台であるBSのバランスと数式リンクは、どれだけ時間が厳しくても最後まで守る。

複数トランシェを組んでいる途中で時間が厳しいと分かった場合は、その場でトランシェを1本に統合する判断を下してください。感応度分析やフォーマットに手が回らないと分かった場合は、無理に作業を続けず、「時間があれば何を確認したかったか」を空きセルやコメントに一言残しておくだけでも、何も触れずに終わるより評価は大きく変わります。

90分パターンでは最後の10分、180分パターンでは最後15分は、新しい作業を追加する時間ではなくQCに専念する時間として確保してください。この時間で確認するのは、①Balance Checkがゼロになっているか、②循環参照のエラーや#REF!が残っていないか、③前提セルを1つ動かして関連する数字が連動するか、④単位表記が統一されているか、⑤結論(投資判断・主要リスク)を一言でも書く余白があるか、の5点です。この5点さえ守れれば、感応度分析やフォーマットが多少粗くても、致命的な失点は避けられます。

car-005・car-022との使い分け

モデリングテスト対策として、本記事を含む3本の記事を用意しています。使い分けの目安は次の通りです。

記事扱う範囲こんな人向け
car-005進め方・行動特性(質問の仕方、時間管理の姿勢、パニック時の対処)「何を直せば落ちなくなるか」を行動面から知りたい人
car-022技術的ミス30選(数式・構造・整合性のカタログ)モデルの中身の技術的な精度を上げたい人
本記事(car-026)時間戦略・作成順序・合格水準(90分/180分の時間配分と見切り方)制限時間内にどう動くかの型を知りたい人

3本は独立して読めますが、時間管理の「型」(本記事)を頭に入れた上で、技術的なミスの芽(car-022)を事前に潰し、進め方・行動面(car-005)を整えるという順序で読むと、モデリングテスト対策として効率よく全体をカバーできます。

よくある質問(FAQ)

90分と180分、どちらを基準に練習すべきですか。

実際に受ける試験の制限時間が分かっている場合は、その時間で練習するのが最も効果的です。制限時間が分からない場合は、まず90分の型で「壊れない完成」を安定して出せるようにし、その上で180分の感応度分析・体裁まで含めた型に慣れていく順序をおすすめします。90分で安定して完成できる状態は、180分の試験でも土台になります。

制限時間内に終わらなかったら、それだけで不合格になりますか。

一概には言えません。多くの選考では、未完成であっても、どこまで正確に到達したか、どこで詰まったかを説明できるかが見られています。ただし、Balance Checkが崩れたまま、あるいは循環参照のエラーが解消されないまま提出するのは、単なる未完成より評価を下げる要因になりやすいと考えられます。

Sensitivity(感応度分析)は必ず作らないといけませんか。

90分パターンでは、時間の制約上、簡単な口頭説明に留めても大きな問題にならないことが多いと考えられます。180分パターンでは、少なくとも1〜2変数の簡易な感応度表を作れる状態を目指すことをおすすめします。

循環参照は使ってよいのですか。

平均残高方式で金利を計算する限り、循環参照の発生自体は自然な結果であり、それ自体が誤りというわけではありません。反復計算を有効化した上で正しく収束していれば問題ないと考えられます。技術的な処理方法の詳細はLBOモデルテストで落ちる典型的なミス30選で解説しています。

電卓やチートシート、参考資料の使用は許可されますか。

ファンドや試験形式によって規定が異なるため、本記事では一律には答えられません。試験開始時の指示書、あるいは案内担当者に必ず確認し、その場のルールに従ってください。

まとめ

90分パターンと180分パターンでは、単に作業量が違うのではなく、求められる合格水準そのものが異なります。90分は壊れない完成を出す生存力の試験、180分はそれにSensitivity・複数シナリオ・体裁を積み上げる判断力の試験です。最初の5分で指示書と単位・反復計算のルールを確認し、Sources & Uses→Debt Schedule→三表→リターン計算という作成順序を崩さず、BS Balance Check・Error Check・Sensitivity・Formattingの4点を優先順位通りに拾えば、時間が厳しい場面でも致命的な失点を避けられます。時間内に終わらないと分かったら、複数トランシェや体裁の作り込みから先に削り、BSのバランスと数式リンクだけは最後まで死守してください。最後10〜15分は新しい作業を追加せず、QCに専念する時間として確保することが、90分・180分いずれのパターンでも合否を分ける最後の一手になります。

時間を計った実戦形式で、時間配分と見切りの判断を練習する

本記事で示した時間配分や優先順位を頭で理解しても、本番の緊張の中で再現できるかどうかは別問題です。Assessmentでは、架空企業のケースを実際に時間を計って解き、どこで時間を溶かしたか、Balance Checkや作成順序を守れていたかを、実務経験者の目線で確認できます。

Assessmentの詳細を見る→

出典・参考(2026年8月16日確認)

  • 本記事は、公開されているLBOモデリング・財務モデリングの一般的な実務知識と、モデルテスト対策の指導経験を編集部が一般化して整理したものです。特定のファンドや投資銀行における実際の出題内容・制限時間・採点基準を示すものではありません。
  • 時間配分の分単位タイムテーブルは、理解のための編集部の設例であり、実際の試験の指示書の内容を必ず優先してください。

※本記事は教育目的の一般的な解説であり、法務・税務・投資助言ではありません。設例は理解のための仮設例です。