この記事で分かること

  • 外資系投資銀行出身者の記載率は経歴判明1,043名中89名(8.5%)で、PE人材全体では少数派
  • 記載率トップはサンライズキャピタル31.8%、僅差でマラソンキャピタルパートナーズ28.6%
  • 上位ランキングの中心は独立系・その他系譜のファンドで、外資系・グローバル系ファンドが特別高いわけではない
  • ベインキャピタル(外資系・グローバル)は20.3%で4位にとどまり、「外資系ファンドほど外銀出身者が多い」という見方はデータ上支持されない
データ基準日: 2026年8月30日 | 対象: 大手町プレップPEファンドDBの日本カテゴリ133社の公式サイトに現職として掲載された1,456名(実人数1,438名) | 執筆: 大手町プレップ編集部

結論:外銀出身者は独立系ファンドにも幅広く分散、記載率トップは独立系・その他系譜

大手町プレップPE人物データベースで外資系投資銀行での業務経験の記載を集計すると、経歴情報が判明した1,043名のうち89名(8.5%、95%信頼区間7.0〜10.4%)が該当しました。ファンド別に記載率のランキングを見ると、1位はサンライズキャピタル(31.8%)、2位はマラソンキャピタルパートナーズ(28.6%)で、いずれも系譜は「その他」「独立系」に分類されるファンドです。外資系・グローバル系ファンドで最も記載率が高いベインキャピタルは20.3%(81名中16名)で全体4位にとどまり、「外資系ファンドほど外銀出身者が多い」という見方は、少なくとも記載率という指標では支持されませんでした。

89名
外銀IB経験者(全体)
判明1043名中8.5%
36社
本ランキング対象
経歴判明10名以上
31.8%
1位ファンドの比率
サンライズキャピタル
22社
参考値
判明5〜9名

検証する仮説と分析対象

本記事で検証する仮説は「外資系・グローバル系に分類されるファンドほど、外資系投資銀行出身者の記載率が高い」というものです。分析対象は2026年8月30日時点の大手町プレップPE人物データベースのうち、外資系投資銀行(ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー等の外資系証券・投資銀行部門)での業務経験の有無を判定できた1,043名です。ここでいう投資銀行部門の役職構造は投資銀行の職位階層を参照してください。「記載あり」「公式プロフィールに記載を確認できず」「情報不足で判定不能」の三値で分類し、比率は判明者(記載あり+記載を確認できず)を分母とします。ランキングは在籍者のうち経歴判明者が10名以上のファンドを対象とし、判明者が5〜9名の小規模なファンドは別途「参考」として扱います。

外資系投資銀行出身者の記載率ランキング(判明10名以上)

外資系投資銀行出身者の比率が高いPEファンド(属性判明者10名以上)
#ファンド系譜該当者判明者数比率
1サンライズキャピタルその他72231.8%
2マラトンキャピタルパートナーズ独立系62128.6%
3JICキャピタルその他31323.1%
4ベインキャピタル外資系・グローバル167920.3%
5アトラスキャピタル独立系21315.4%
6ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ金融機関系32015.0%
7キャス・キャピタル独立系21513.3%
8日本産業推進機構独立系53813.2%
9インテグラル独立系118413.1%
10J-STAR独立系32412.5%
11MCPキャピタル金融機関系21910.5%
12RBGパートナーズ独立系11010.0%
13Lキャタルトン(Lキャタルトン・ジャパン)その他1128.3%
14ポラリス・キャピタル・グループ独立系2258.0%
15東京電力タイムレスキャピタル事業会社系1175.9%
16日本企業成長投資独立系1205.0%
17丸の内キャピタルその他1224.5%
18D Capital独立系1273.7%
18アドバンテッジパートナーズ独立系1273.7%
20アント・キャピタル・パートナーズ金融機関系1412.4%

上位15社の内訳を見ると、1位サンライズキャピタル(その他、31.8%)、2位マラソンキャピタルパートナーズ(独立系、28.6%)、3位JICキャピタル(その他、23.1%)と続き、外資系・グローバル系のベインキャピタル(20.3%)は4位です。5位以降もアトラスキャピタル(独立系)、ジャパン・インダストリアル・ソリューションズ(金融機関系)、キャス・キャピタル(独立系)など、独立系・金融機関系のファンドが並びます。判明者数が最も多いのはインテグラル(独立系・84名)とベインキャピタル(外資系・グローバル・79名)で、いずれも記載率は13.1%・20.3%と中位から上位にとどまり、母数が大きいファンドで記載率が突出するわけではないことがわかります。

参考:判明5〜9名の小規模ファンド

外資系投資銀行出身者の比率が高いPEファンド(参考値: 判明者5〜9名)
ファンド系譜該当者判明者数比率
イーキューティー・プライベート・キャピタル・アジアその他3560.0%
ユニゾン・キャピタル独立系3560.0%
PINECONE Holdingsその他1520.0%
ベーシック・キャピタル・マネジメント金融機関系1520.0%
EQT外資系・グローバル1616.7%
いわかぜキャピタル独立系1616.7%
JPHSearch Fund・Long-hold1714.3%
日本グロース・キャピタル独立系1714.3%

判明者が5〜9名と少ないファンドでは、1〜3名の増減で比率が大きく変動するため参考値として別掲しています。イーキューティー・プライベート・キャピタル・アジアとユニゾン・キャピタルはいずれも60.0%(5名中3名)と高い数値ですが、判明者が5名しかいないため、1名の判定変更で比率が20ポイント動く水準にあり、上位ランキングと同列に比較すべきではありません。

結果から言えること・言えないこと

言えること。(1)外資系投資銀行出身者の記載率は経歴判明者全体で8.5%と少数派であり、PE人材の主流とは言えません。(2)記載率が高いファンドの多くは独立系・その他系譜であり、外資系・グローバル系ファンドが特別に高いわけではないという結果は、当初の仮説を支持しません。(3)外資系投資銀行出身者は特定の系譜に閉じておらず、幅広いファンド類型に分散して在籍しています。

言えないこと。(1)ファンドごとの記載率の差が、採用方針の違いによるものか、単なる開示のばらつきによるものかは、このデータからは判別できません。(2)判明者が10〜20名程度のファンドでは、数名の増減で順位が入れ替わる可能性があり、順位の細部を過度に重視すべきではありません。(3)本データは各社の公式サイト掲載人物に限られ、外資系投資銀行での経験があっても記載されていない人物を含めると、実際の比率はこれより高い可能性があります。

出身ファンドの系譜より、実務で問われるスキルを

外資系投資銀行出身者は独立系ファンドにも幅広く在籍しており、特定の出自がなければ入れないわけではありません。一方でPEの選考ではモデリングテストが課されることがあり、投資実務ではLBOモデルを使ったリターン分析が中核業務になります。大手町プレップの講座では、Excelで実際にLBOモデルを組みながら基礎を学べます。

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データの定義と限界

ランキングの母集団・三値分類・小規模ファンドの扱いの詳細は以下のとおりです。

集計方法・データ定義(大手町プレップPE人物データベース独自集計)

対象データ
大手町プレップPEファンドDBの地域カテゴリに「日本」を含むPEファンド133社(外資系・グローバルファンドの日本拠点を含む)について、各社公式サイトのチーム・メンバーページに現職として掲載された人物1,456名(2026年8月30日時点)。関連会社間の重複を除いた実人数は1,438名。
集計単位
人物属性(学歴・MBA・職歴など)の集計は実人数(ユニーク人物)単位、ファンド別の集計は人物・所属レコード単位で行っています。
三値分類
各属性は「記載を確認」「公式プロフィールに記載を確認できず」「経歴情報が不足し判定不能」の3つに分けています。比率は原則として記載有無を判定できた人数(判明者)を分母とし、本文・図表に分母を明記しています。「記載を確認できない」ことは「経歴・資格がない」ことを意味しません。
ランキングの基準
比率のファンド別ランキングは属性判明者10名以上のファンドを対象とし、5〜9名は参考値、4名以下は対象外としています。
データソース
各PEファンドの公式サイト(チームページ・人物プロフィール・会社概要等)の公開情報。役職名・経歴は公式表記を機械的な基準で正規化・分類しています。
外銀IB経験の判定
外資系投資銀行の在籍に加え、投資銀行部門・M&Aアドバイザリー等の業務記載を確認できた場合のみ該当としています。

本分析は公式サイトの公開情報のみを機械的に集計したものであり、各ファンドの実際の人員構成・採用基準を網羅・代表するものではありません。経歴の開示方針はファンドにより大きく異なるため、比率の差がそのまま実態の差を意味するとは限りません。出身大学・前職等は人物の能力・評価を示すものではなく、相関関係は因果関係を意味しません。

よくある質問(FAQ)

Q. 外資系投資銀行出身でなければPEファンドには入れませんか。
A. データ上はそう言えません。経歴判明1,043名のうち外資系投資銀行出身の記載があるのは8.5%にとどまり、大多数は別の経歴からPEファンドに在籍しています。詳しくは外銀出身でなければ外資系PEには入れないのかで検証しています。

Q. 外資系投資銀行出身者はどんな系譜のファンドに多いのですか。
A. 記載率の上位ファンドは独立系・その他系譜が中心で、外資系・グローバル系ファンドが突出しているわけではありません。ただし絶対人数で見るとベインキャピタルの16名やインテグラルの11名など、規模の大きいファンドに一定数在籍しています。

Q. ランキングの順位は毎年変わりますか。
A. 本ランキングは大手町プレップPE人物データベースの更新に合わせて再集計されるため、公式サイトの掲載内容が変わればランキングも変動します。

Q. 日系証券会社出身者との違いはありますか。
A. 日系証券会社出身者の記載率は別途日系証券会社からPEファンドへの転職で検証しており、外資系投資銀行とは異なる分布が見られます。

まとめ

外資系投資銀行出身者の記載率は経歴判明者全体の8.5%にとどまり、記載率が高いファンドも独立系・その他系譜が中心でした。「外資系ファンド=外銀出身者中心」という単純な図式は、少なくとも本データからは確認できません。出身企業別のランキングはPE人材を最も多く輩出している企業ランキングで幅広く扱っています。

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出典・データについて

  • 大手町プレップPE人物データベース(日本カテゴリPEファンドの公式サイト掲載情報を独自集計・2026年8月30日時点)
  • 大手町プレップPEファンドDB https://otemachiprep.com/pe-funds/

※本記事は公開情報に基づく教育目的のデータ分析であり、特定のファンド・個人の評価や、転職成否の保証・投資助言ではありません。出身大学・経歴は人物の能力を示すものではありません。

データ基準日: 2026年8月30日(人物データベースの更新に合わせて本記事の数値・表・グラフは再集計されます)