この記事で分かること
- 試算表の10費目を勘定科目法で固定費・変動費・混合費に判定し、混合費だけを機械稼働時間に回帰して、費目別推定表にまとめる手順
- 臨時修繕・設備停止の月と電力料金の改定月を、除外前後の数値を並べて扱う基準と記録
- 合算した総原価関数を実績と照合し、決定係数(R²)・残差・関連範囲を確認して、予算・変動予算・損益分岐点分析へ渡す方法
想定読者:製造業の経営企画・予算管理・原価管理の担当者、予算や損益分岐点の前提を見直したい方、製造業の財務デューデリジェンス(買収前の財務調査)の担当者
前提知識:固定費と変動費の意味。Excel の SLOPE・INTERCEPT 関数を使ったことがあれば十分です。
結論:費目の性質で先に仕分け、回帰は混合費にだけかけて、合算を実績と照合します
予算や損益分岐点の前提として、変動費率と固定費(稼働や売上が増減してもほぼ一定額かかる費用)を求められる場面があります。試算表には費目が何十も並び、前年比や勘で置いた値では理由を説明できません。総原価1本を回帰にかけると数字は出ますが、どの費目の性質を映した値か分からず、臨時修繕の月が1か月混ざるだけで結果が動きます。
本記事の手順は6つです(費用を二つに分ける作業は固定費・変動費の分解と呼ばれ、高低点法の手順は同ページにあります)。①費目ごとに、費用の発生の仕組みとデータの両面から固定・変動・混合を判定する(勘定科目法)。②混合費だけを機械稼働時間に回帰して、変動費率と固定費を推定する。③費目別の値を合算した総原価関数を、実績の総原価と照合する。④外れ値の月と電力料金の改定月は、理由を記録して除外前後の結果を並べる。⑤R²・残差(実績−推定値)・関連範囲(推定に使った稼働時間の幅)を確認し、その外へは延ばさない。⑥推定表を予算・変動予算・損益分岐点分析へ渡す。これは管理会計上の工夫で、原価計算基準の要請ではありません(次節)。
学習用の設例(金属加工の部品メーカーX社)では、費目別推定の合算は固定費84,008千円/月、変動費率35.640千円/機械時間でした。総原価の精度では、外れ値を除いた3つの推定にほとんど差がなく、明確に悪いのは外れ値込みの高低点法だけです。費目別に推定する理由は総原価の当てはまりではなく、費目単位で説明・更新でき、費目単位の歪みを見逃さないことにあります。
費目の判定:性質とデータの両方で、固定・変動・混合に分ける
X社(年商約30億円・単一工場)の20X1年4月〜20X3年3月の24か月分の試算表から製造関連の10費目を取り出し、操業度は機械稼働時間(機械が実際に動いた時間)とします。原価計算(製品の原価を集計する手続)の実践規範である原価計算基準(企業会計審議会、昭和37年。2026年10月に原文を確認)は、操業度(生産設備を一定とした場合のその利用度)の増減に対する原価の発生の態様で、原価要素を固定費と変動費に分類します1。操業度が零でも一定額が発生し、増加に応じて比例的に増える電力料等は準変動費で、固定費か変動費とみなして帰属させるか、両者に分解するとします。間接費の予定額の計算でも費目を調べて分類し、準変動費は実際値の変化から分解するとしますが、測定の方法(回帰など)は指定していません2。本記事では準変動費を混合費と呼び、階段状に増える準固定費は段階固定費を織り込んだ損益計画で扱います。
判定は2段階です。まず費用の発生の仕組み(契約・消費・支払の形)で仮に分けます。使った量に比例すれば変動費、契約や取得価額で決まれば固定費、電力料のように基本料金と従量料金の組み合わせなら混合費です。次に22か月のデータで確かめます。見るのは、金額の変動係数(標準偏差÷平均。ばらつきの相対的な大きさ。標準偏差は STDEV.P で計算)と、1機械時間当たり単価の変動係数です。機械時間自体は9.9%ばらつきます。変動費なら金額が同程度にばらつき単価は動かず(素材費:金額10.0%・単価0.5%)、固定費なら金額が動かず単価が機械時間のばらつきに引きずられます(賃借料:0.0%・9.8%)。直接工賃金は金額が2.1%と小さく固定費に見えますが、基本給に残業・割増が加わる性質から混合費としました。この目安は編集部の整理で基準値はありません。中小企業基盤整備機構のQ&Aも、費用を明確に二分するのは困難なので実状に合わせて簡便に分類して使うよう勧めています3。
図表1は、判定・推定方法・根拠を1枚にまとめた費目別推定表です。変動費は総額÷総時間(比例とみなした単価)、固定費は22か月の平均、混合費は次節の回帰で推定します。
| 費目 | 判定 | 推定方法 | 変動費率(千円/機械時間) | 固定費(千円/月) | 根拠(性質/変動係数%:金額・単価) |
|---|---|---|---|---|---|
| 素材費 | 変動 | 勘定科目法(÷総時間) | 24.016 | ― | 素材の使用量に比例/10.0・0.5 |
| 外注加工費 | 変動 | 勘定科目法(÷総時間) | 6.007 | ― | 加工量に応じて外注/9.8・1.1 |
| 消耗工具費 | 変動 | 勘定科目法(÷総時間) | 1.208 | ― | 加工に応じて消耗/10.4・2.4 |
| 電力料 | 混合 | 回帰(改定後11か月、R²0.957) | 1.206 | 1,020 | 基本料金+従量料金/9.9・5.9 |
| 修繕費 | 混合 | 回帰(22か月、R²0.688) | 0.804 | 186 | 定期点検+摩耗/11.1・6.4 |
| 直接工賃金 | 混合 | 回帰(22か月、R²0.685) | 2.399 | 38,401 | 基本給+残業・割増/2.1・8.1 |
| 間接工賃金 | 固定 | 勘定科目法(平均) | ― | 22,001 | 保全・管理要員の月給/0.8・9.8 |
| 減価償却費 | 固定 | 勘定科目法(平均) | ― | 18,000 | 取得価額と耐用年数/0.0・9.8 |
| 賃借料 | 固定 | 勘定科目法(平均) | ― | 3,500 | 賃貸借契約の月額/0.0・9.8 |
| 保険料 | 固定 | 勘定科目法(平均) | ― | 900 | 保険契約の月額/0.0・9.8 |
| 合計(総原価関数) | ― | 各行の合算 | 35.640 | 84,008 | ― |
図表1の内訳は変動費3つ、固定費4つ、混合費3つ(電力料・修繕費・直接工賃金)です。回帰で決めた部分は固定費の47%(ほとんどが直接工賃金)、変動費率の12%で、回帰の誤差が合計に与える影響は限られますが、費目単位では大きく出ます。
混合費の推定:機械稼働時間に回帰し、傾きを変動費率、切片を固定費とする
回帰は、横軸に機械稼働時間、縦軸に費目の月次金額をとって直線(切片+傾き×稼働時間)を当てはめる方法で、傾きが変動費率、切片が稼働ゼロでも発生する固定費にあたります。最小二乗法の仕組みは回帰分析入門に譲ります。Corporate Finance Institute(CFI)は、コスト関数を y=mx+b で表し、操業度の変動が総原価の変動を説明すること、関連範囲の中で線形とみなせることを前提に置くと説明しています4。
修繕費で手順を追います。後述の2か月を除く22通常月で、機械稼働時間の平均 x̄=3,485.36時間、修繕費の平均 ȳ=2,987.0千円、偏差平方和 Sxx=2,593,609.1、偏差積和 Sxy=2,084,666.0です。
回帰による混合費の推定(修繕費)
傾き(変動費率)= Sxy ÷ Sxx = 2,084,666.0 ÷ 2,593,609.1 = 0.80377 ≒ 0.804千円/時間
切片(固定費)= ȳ − 傾き × x̄ = 2,987.0 − 0.80377 × 3,485.36 = 185.6 ≒ 186千円/月
決定係数 R²(Excel では RSQ 関数)は0.688で、稼働時間で説明できる修繕費の変動は約69%です。電力料と直接工賃金も同じ手順で推定しました(図表1)。注意点は切片の不確かさで、修繕費の切片186千円の標準誤差(推定値のぶれの目安)は約424千円と値より大きくなります。切片は稼働ゼロまで延ばした値で、データのある範囲(2,884〜4,126時間)から離れているためです。範囲の中の予測は安定していても、固定費の絶対水準は傾きより不安定と読み分けます。
外れ値月と料金改定月:除外前後を並べ、理由を記録する
24か月のうち2か月は特殊でした。20X1年10月は臨時の大規模修繕で、請求額8,000千円が修繕費に入りました。20X2年9月は設備停止で、機械稼働が1,880時間まで落ち、緊急対応の修繕費もかかりました。含めたときの修繕費の推定が図表2です。
高低点法は、原価ではなく操業度が最高の月と最低の月の2点で直線を引きます。24か月では最高が20X2年7月(4,126時間・3,757千円)、最低が設備停止月(1,880時間・5,903千円)で、傾きは(3,757−5,903)÷(4,126−1,880)=−0.9555千円/時間と負になり、稼働が増えるほど修繕費が減る、実態に合わない結果です。回帰も、24か月では傾き0.311・R²0.007と「無関係」に見え、2か月を除くと傾き0.804・R²0.688になります。
除外の基準は、編集部の整理として3つです。①原因を請求書や停止報告などの証憑で特定できる。②同じ事象を予算期間に織り込むなら、除外した費用は消さずに別枠で予算化する。③残差が大きいという統計上の理由だけでは除外しない。記録には対象月・費目・金額・原因・証憑・除外前後の推定値・承認者を残します。外す月は全費目で同じ月にします。費目ごとに選ぶと、都合のよい月だけを除いたと読まれるためです。設備停止月は関連範囲の外でもあります。なお、月を推定から外すことと、その費用を製品原価に含めるかは別の問題です。基準は「異常な状態を原因とする価値の減少」を非原価項目としており5、設例の2か月が該当するかは別に判断します。
電力料金の単価は20X2年4月に改定されたと仮定します。22通常月をまとめて回帰すると傾き1.162・R²0.665で、残差の平均は改定前11か月が−266千円、改定後11か月が+266千円と、改定を境に符号が分かれます。前後に分けると、改定前は傾き1.037・切片1,075千円(R²0.931)、改定後は傾き1.206・切片1,020千円(R²0.957)で、傾きだけが0.169千円/時間(16.3%)上がり、基本料金部分はほぼ不変と読めます。予算に使うのは改定後の推定で、傾きの上昇幅は電力会社の改定内容(従量単価の変更幅)に機械1時間当たりの使用電力量を掛けた額と突き合わせます。
総原価への合算と、実績との照合
費目別推定を合算した総原価関数は、総原価(千円/月)=84,008+35.640×機械稼働時間です。照合は2つ行います。1つ目は、改定後の通常11か月の実績総原価との比較で、平均絶対誤差(差の絶対値の平均)は540千円(平均総原価208,830千円の0.26%)、最大でも0.71%でした。改定前11か月は、関数が改定後の単価で作られているため、実績が関数より平均621千円低く出ます。電力料の単価差(0.169千円/時間×改定前の平均3,471時間≒587千円)でほぼ説明できます。2つ目は、除外した臨時修繕月です。稼働3,933時間は関連範囲の中ですが、改定前の月で総原価には電力料の単価差が混ざるため、費目単位で確かめます。修繕費の実績11,273千円は推定式の3,348千円(186+0.804×3,933)より7,925千円高く、請求額8,000千円とほぼ一致します(差75千円は通常月のばらつきの範囲)。
図表3は、総原価を5通りで推定した比較です。最下行は、設例のデータを作るときに置いた改定後の値で、実務では分からない答え合わせ用の参考値です。
| 推定方法 | 変動費率(千円/時間) | 固定費(千円/月) | R²(改定後11か月) | 平均絶対誤差(千円) | 月3,600時間の予測(千円) |
|---|---|---|---|---|---|
| 高低点法・24か月(込み) | 34.206 | 90,344 | 0.986 | 1,230 | 213,487 |
| 高低点法・22か月(除外) | 36.166 | 82,259 | 0.997 | 446 | 212,456 |
| 一括回帰・24か月(込み) | 35.345 | 85,262 | 0.997 | 582 | 212,504 |
| 一括回帰・22か月(除外) | 35.806 | 83,163 | 0.997 | 604 | 212,065 |
| 費目別合算・22か月(図表1) | 35.640 | 84,008 | 0.997 | 540 | 212,312 |
| 参考:データ作成時の値 | 35.450 | 84,500 | 0.997 | 614 | 212,120 |
図表3から読み取れることは3つです。第一に、明確に悪いのは外れ値込みの高低点法だけで、平均絶対誤差1,230千円は他の方法(446〜604千円)の約2.0〜2.8倍です。第二に、外れ値を除いた3つは総原価では区別できず、R²はいずれも0.997です。この高さは、総原価の約半分を占める変動費(素材費だけで約40%)が稼働に比例するためで、混合費の当てはまり(R²0.685〜0.957)を隠します。第三に、同じ22か月に費目ごとの回帰をかけて足すと、総原価の一括回帰と一致します。費目別に分ける意味は、回帰の前に性質を判定して形(比例・一定)を与えること、改定のような費目単位の変化を反映すること、費目ごとに更新できることです。以上は編集部の見解で、予算の前提には費目別推定の合算を使い、高低点法と一括回帰は検算に回します。
R²・残差・関連範囲:推定値を使ってよい範囲を決める
CFI は、回帰の結果を、経済的な妥当性・当てはまり(R²)・信頼性(標準誤差)の3観点で見ると説明しています6。設例では、妥当性は稼働が増えると増える理由を説明できるかで、修繕費は摩耗、直接工賃金は残業で説明できます。信頼性は、修繕費の傾き0.804の標準誤差0.121(傾き÷標準誤差=6.6)から、傾きは0と見なしにくい一方、切片は不確かです。R²が低く標準誤差が大きい費目は固定費または変動費とみなし、根拠を残します。残差は月順に並べ、符号の偏り(電力料は改定前後で偏りました)や特定の月だけの大きな値がないかを見ます。
関連範囲は、推定に使った通常月の機械稼働時間の最小〜最大、すなわち2,884〜4,126時間です。この外側にはデータがなく、関数の延長線上で費用が動くとは限りません。たとえば夜間シフトや外注へ切り替わると単価が変わる、といった可能性があります(仮説)。また回帰は稼働と費用が同時に動いた事実を当てはめたもので、稼働が費用を生んだ証明ではないため、因果の説明は契約や消費の仕組みで補います。
推定結果を予算・変動予算・損益分岐点分析へ渡す
渡すものは、図表1の判定・変動費率・固定費に、推定条件(推定期間、除外した月とその理由、電力料は改定後11か月であること、関連範囲、見直しの契機)を添えた1枚です。20X3年度の月間計画を3,600時間とすると、予算は固定費84,008千円+変動費128,304千円(35.640×3,600)=212,312千円です。実績の稼働時間に組み替える変動予算(固定費+変動費率×実際の操業度)も費目ごとに組め、その差異分析は製造間接費差異を予算・能率・操業度に分ける記事、予定配賦率への使い方は製造間接費の予定配賦と基準操業度の記事で扱います。損益分岐点分析(利益がゼロになる売上高を求める分析)へは、製品1個当たりの変動費(変動費率×1個当たり機械時間)を単価から引いた限界利益(固定費の回収と利益に充てられる額)として渡します(計算は損益分岐点分析(CVP分析)の実務)。
実務チェックリスト
- 費目ごとの判定(固定・変動・混合)を、性質(契約・消費の仕組み)とデータ(金額と単価のばらつき)の両面の根拠つきで、推定表の1行ごとに残している。
- 混合費は、散布図を目で見てから回帰し、傾きの符号が実態と合うかを確認している。
- 除外した月は、対象月・費目・金額・原因・証憑・除外前後の推定値・承認者を記録し、全費目で同じ月を外している。
- 料金改定・設備増強・価格改定の前後でデータを分け、予算には最新の関係だけを使っている。
- 混合費ごとにR²と傾きの標準誤差を確認し、当てはまりの低い費目を固定費または変動費とみなす場合は根拠を残している。
- 合算した総原価関数を改定後の通常月の実績と照合し、除外月の差が記録した金額で説明できることを費目単位で確かめ、操業度の範囲の外へは延ばしていない。
よくある質問(FAQ)
混合費を回帰せず、固定費か変動費にみなしてはいけませんか。
基準もみなして帰属させる方法を認めています。ただし誤差を確かめてからです。直接工賃金を22か月平均の46,763千円で固定とみなすと、最も稼働が高い20X2年7月(4,126時間)の実績48,407千円に対し1,644千円(3.4%)低く出ます。全額を変動費(13.417千円/時間)とみなすと、最も稼働が低い20X3年3月(2,884時間)の実績45,813千円に対し7,118千円(15.5%)低く出ます。
原因が分からない月が大きく外れていたら、除外してよいですか。
原因を特定できない月は除外せず、除外した場合としない場合の推定値を両方計算して、差を感度として記録します。差が小さければそのまま使え、大きければ現場と経理に原因を確認するのが先です。
まとめ
費目別にコスト構造を推定するには、費目の性質とデータで固定・変動・混合に判定し、混合費だけを機械稼働時間に回帰して、費目別推定表にまとめます。設例では固定費84,008千円/月、変動費率35.640千円/機械時間となり、改定後の通常月の実績と平均0.26%の誤差で照合できました。外れ値月と料金改定月は、理由を記録して除外前後を並べ、R²・残差・関連範囲を確認して、範囲の外へは延ばさずに予算・変動予算・損益分岐点分析へ渡します。総原価の精度では方法の差が見えにくいため、費目別に説明・更新できる形にする点に価値があります。
脚注
- 企業会計審議会「原価計算基準」(昭和37年11月8日)第2章第1節8(四)。「ここに操業度とは、生産設備を一定とした場合におけるその利用度をいう。固定費とは、操業度の増減にかかわらず変化しない原価要素をいい、変動費とは、操業度の増減に応じて比例的に増減する原価要素をいう。」(参考文献 R1)。↩
- 原価計算基準 第2章第1節8(四)。「ある範囲内の操業度の変化では固定的であり、これをこえると急増し、再び固定化する原価要素たとえば監督者給料等、又は操業度が零の場合にも一定額が発生し、同時に操業度の増加に応じて比例的に増加する原価要素たとえば電力料等は、これを準固定費又は準変動費となづける。」「準固定費又は準変動費は、固定費又は変動費とみなして、これをそのいずれかに帰属させるか、もしくは固定費と変動費とが合成されたものであると解し、これを固定費の部分と変動費の部分とに分解する。」。本文は、電力料型を準変動費と読んでいる。第2章第4節33(四)1(部門の間接費予定額の計算手順)も「間接費要素に関する各費目を調査し、費目によつて固定費又は変動費のいずれかに分類する。準固定費又は準変動費は、実際値の変化の調査に基づき、これを固定費又は変動費とみなして、そのいずれかに帰属させるか、もしくはその固定費部分および変動費率を測定し、これを固定費と変動費とに分解する。」と書くが、測定の方法は指定していない(参考文献 R1)。↩
- 中小企業基盤整備機構 J-Net21「損益分岐点の計算方法と経営改善に向けた活用方法を教えてください。」(ビジネスQ&A。回答者は中小企業診断士)。回答の末尾に「実際の企業においては、費用を変動費と固定費に明確に分類することは困難ですが、実状に合わせて簡便的に分類し、分析手法を活用してみてください。」とある(参考文献 R2)。↩
- Corporate Finance Institute「Cost Behavior Analysis」の「Cost Function Assumptions」の節。コスト関数は y=mx+b の形で表され、管理者は、操業度(cost driver)の変動が関連する総原価の変動を説明すること、原価の挙動は関連範囲(relevant range)の中では線形のコスト関数でまとめられることを仮定するという一般的な説明(訳・要約は編集部。参考文献 R3)。↩
- 原価計算基準 第1章5(二)。非原価項目の一つに「異常な状態を原因とする価値の減少、たとえば」として、「火災、震災、風水害、盗難、争議等の偶発的事故による損失」などを挙げる(参考文献 R1)。↩
- Corporate Finance Institute「Cost Behavior Analysis」の「Regression Cost Behavior Approach」の節。回帰によるコスト関数を、経済的な妥当性(Economic Plausibility)、当てはまり(Degree of Fit。R²の値で判断)、信頼性(Confidence。標準誤差と切片・傾きの関係で判断)の3つの基準で分析するという一般的な説明(訳・要約は編集部。参考文献 R3)。↩
参考文献(2026年10月確認)
- R1 企業会計審議会「原価計算基準」(昭和37年11月8日。公益財団法人財務会計基準機構「会計基準検索システム ASSET-ASBJ」掲載) asb-j.jp (参照箇所:第1章5(二)、第2章第1節8(四)、第2章第4節33(四)1。脚注1・2・5の根拠。ページの最終更新表示は2026/07/17。閲覧日:2026年10月2日)
- R2 中小企業基盤整備機構 J-Net21「損益分岐点の計算方法と経営改善に向けた活用方法を教えてください。」 j-net21.smrj.go.jp (参照箇所:回答の末尾の段落。費用の分類が困難であることと簡便な分類の説明。脚注3の根拠。閲覧日:2026年10月2日)
- R3 Corporate Finance Institute「Cost Behavior Analysis」 corporatefinanceinstitute.com (コスト関数・関連範囲・回帰結果の評価観点という一般的な概念の参考。日本の制度や費目分類の根拠ではない。脚注4・6の根拠。閲覧日:2026年10月2日)
※本記事は教育目的の一般的な解説であり、法務・税務・投資助言ではありません。設例は理解のための学習用の架空事例であり、実在の企業・案件とは関係ありません。