この記事で分かること
- 米国のCPIの上振れに対する金利・株価の反応が2021〜2023年の高インフレ期に大きく強まり(金利の感応度は一桁以上)、ほかの経済指標では同程度の変化が見られなかったという研究の結果
- 発表前の5営業日に投資家がCPIにどれだけ注意を向けていたかを記事数で測ると、金利とインフレスワップの反応の大きさを予測でき、注目された発表へのその反応は数日で一部戻ったこと(株価についての検証ではない)
- 指標発表への感応度を「注意の局面」ごとに持ち、初動と数日後を分けて評価する手順(学習用の設例で示す。論文の検証結果ではない)
想定読者:株式のアナリスト・ストラテジスト、運用会社のポートフォリオマネージャー、経済指標の発表日に株価の説明を求められるIR・財務の担当者
前提知識:予想と実績のずれ(サプライズ)で市場が動くという考え方と、回帰係数の大まかな読み方(研究の指標は本文で説明する)
米国の消費者物価指数(CPI)が発表された夜に日本の株価指数先物が大きく動き、翌朝の会議で「CPIの前月比の上昇率が予想を0.1%ポイント上回ると、株はどれだけ下がるのか」と聞かれたとする。手元にあるのが2010年代のデータで推定した感応度なら、その数字で答えてよいのか。後で見るように、米国では予想とのずれの大きさが同じでも、金利の反応が局面によって一桁変わった。
この差を「インフレ局面だから」で済ませると、次の局面で同じ失敗を繰り返す。FRB(米連邦準備制度理事会)の研究者による論文は、その理由を投資家の注意の配分に求め、注意を数値で測って検証した。本稿はこの研究を手がかりに、指標発表への反応をどう測り、どう説明するかを整理する。
この記事が主に参照する研究
T. Niklas Kroner(2025)「市場はマクロ経済の知らせをどう処理するか:投資家の注意の重要性(How Markets Process Macro News: The Importance of Investor Attention)」Finance and Economics Discussion Series 2025-022
- 公表:初版は2023年7月31日(当時の題名は「Inflation and Attention: Evidence from the Market Reaction to Macro Announcements」。著者サイト・SSRN)。参照した版:FRBのワーキングペーパー(2025年3月掲載、本文の日付は2025年2月18日)。査読:未査読(WP)
- データ:米国の主要な経済指標16種の発表(2009年7月〜2023年7月)と、その前後の金利先物・国債先物・インフレスワップ・株価指数先物などの日中の価格。CPIの発表は166回
- 方法:発表の5分前から60分後までの値動きを測るイベントスタディ。Bloomberg端末の記事数から発表前の注意を測り、反応の大きさとの関係を不確実性の指標と比べて検証する
- 位置づけ:投資家の注意は限られているという既存の理論を、インフレ急騰期の新しいデータと、複数の説明を見分ける単純なモデルで検証したもの1
反応の大きさは「ず れ」と「す ぐに反応する投資家の割合」で決まる
経済指標への市場の反応は、通常、発表値と直前の市場予想の差(サプライズ)に対する値動きの比として測る。論文は指標ごとのずれを標本全体の標準偏差で割って単位をそろえた。CPI(総合・前月比)の場合、1標準偏差は、前月比の上昇率で見た予想とのずれ0.11%ポイントに当たる。値動きは発表の5分前から60分後までの変化で、窓が狭いほど他の材料が混じりにくく、係数をその指標の知らせの効果と読みやすくなる2。イベントスタディの基本形を、分単位のデータに当てはめたものだ。
論文のモデルでは、投資家の一部だけが発表をすぐに見て予想を改め、残りは見ない。この「すぐに取り込む投資家の割合」が注意である。割合が高まれば、同じずれでも価格は大きく動く。ただし、同じ結果は別の理由でも起きうる。中央銀行が物価により強く反応すると見られるようになった場合、景気の主因が需要から供給に変わった場合、CPIの情報量そのものが増えた場合である。論文は、金利と期待インフレ率の反応の組み合わせと、注意の指標の動きが、4つの説明でそれぞれ違う形になることを示し、データがどれに近いかを確かめる3。
研究が示した結果①:高インフレ期にCPIへの反応だけが一桁大きくなった
前年比のインフレ率4%を境に、2021年5月12日までを低インフレ期、2021年5月13日から2023年7月12日までを高インフレ期とした。CPIの上振れが金利を押し上げる効果は、高インフレ期に一桁以上大きくなり、両期間の差は1%または5%の水準で統計的に有意だった。期待インフレ率の指標であるインフレスワップの反応も大きく強まり、上昇は1〜2年の短い年限ほど大きく、30年では5%水準で有意な差にならなかった。長期の物価の見通しはおおむね動かなかったと読める4。
注意の説明を支えるのは、ほかの指標の結果である。16種の指標のうち、CPIに匹敵する感応度の上昇を示したものは無かった。生産者物価指数(PPI)と製造業の景況指数はいくらか上がったが推定は不安定で、雇用統計の非農業部門雇用者数と小売売上高は、金利への効果がむしろ有意に下がった5。中央銀行の物価への反応が強まったと市場が見ただけなら、物価の情報を含む他の指標にも金利は強く反応したはずだ、というのが論文のモデルの予測である。
株式を含む他の資産でも、反応の強まりははっきりしていた。図1は論文の表から6資産を抜き出したものである。CPIの1標準偏差の上振れに対し、S&P500先物は低インフレ期に−4.98bp、高インフレ期に−66.09bp動いた。高インフレ期の値は60分で約0.66%の下落に当たる。点推定値の絶対値の比は約13倍になるが、低インフレ期の推定値は10%水準でしか有意でなく、正規近似の95%区間はおよそ−10.1〜+0.1bpとゼロを含む(区間と比は編集部の計算)6。両期間の差が統計的に有意であることと、倍率そのものを精度よく推定できたことは別で、この比は幅を持って読む必要がある。
VIX先物は上がり、商品・社債・ユーロ・ビットコインは下がった。いずれも金利の上昇と整合する向きである。日次の利回り曲線の分解を使うと、金利と期待インフレの感応度の上昇の約3分の2は、短期金利の予想と期待インフレそのものの変化で説明され、残りはリスクプレミアムの感応度の上昇だった(著者は分解に限界があると断っている)7。カナダ、スイス、デンマーク、ユーロ圏、英国、スウェーデンの金利・株価指数・対ドル為替でも、米国のCPIへの感応度は有意に高まった8。大きなずれを除く、コアCPIや中央値の予想を使う、期間の区切りを動かすといった検証でも、結論は変わらなかった9。
研究が示した結果②:発表前の注意を測ると、反応の大きさを予測できた
注意が高まったのなら、取引も増えるはずである。高インフレ期にはCPI発表前後60分の金利先物の出来高が、全体の出来高の伸びや他の指標と比べて際立って増え、増加は発表後の取引によるものだった。出来高を説明する要因を比べると、予想のばらつきや不確実性の指標より、注意の指標が最も強く効いていた10。
その注意の指標は、Bloomberg端末に載ったCPI関連の記事数を、過去1年の1日平均の記事数で割って作る。金利先物やインフレスワップの取引は実質的に機関投資家に限られるため、機関投資家が使う端末の記事を測るという考え方だ。発表ごとの値は発表前5営業日の記事から作り、大きなずれが記事を増やすという逆の因果を避けた。この指標は高インフレ期に、発表日だけでなくその数日前から大きく上がり、雇用統計への注意はほとんど変わらなかった。Google検索や一般メディアの記事で作った指標も同じ動きで、注意の水準はインフレ率の水準とよく連動していた11。
図2は、2年金利の反応を発表前の注意の関数として描いたものである。注意が平均のときの感応度は1.42bpで、注意が1標準偏差高いごとに2.06bp上乗せされる。注意の期間平均を当てはめると、低インフレ期は0.72bp、高インフレ期は5.2bpになり、期間を分けて推定した値とよく合う。インフレの変動、消費者の物価の不確実性、予想のばらつき、金融政策の不確実性、VIXとの交差項を加えると、上乗せは1.37bpに縮むが、有意なままだった12。
金融政策の不確実性との交差項も、金利では有意だった(2年で0.87bp)。著者は、不確実性が注意を高める面もあるため、不確実性を加えた推定は注意の効果を控えめに見積もったものだと解釈している13。1996年以降に標本を広げると、CPIに加えて雇用統計とFOMCの発表でも、注意の高い発表ほど金利の反応が大きかった。5年金利では3つとも5%水準で有意で、2年金利ではFOMCの交差項は有意でなかった14。
研究が示した結果③:注目された発表への反応は、数日で一部戻った
注意が高いときの大きな反応は、遅れていた織り込みが早まっただけなのか、それとも行き過ぎなのか。日次の金利とインフレスワップで発表後8営業日を追うと、注意が分布の95%点の水準では最初の2日の反応が有意に大きく、その後は5%点の水準の反応に近づいた。著者はこれを行き過ぎ(過剰反応)と解釈している15。雇用統計とFOMCでも、注意の高い発表への金利の反応は数日で反転し、注意が低い発表では反応不足の兆候も一部に見られた16。発表直後の値動きの大きさは、知らせの重さだけでなく、その時点の注目度も映している。
研究の対象と限界:米国の機関投資家の市場が中心で、高インフレ期の比較はCPI発表26回
結果を使う前に、何を測った研究かを確かめておきたい。中心の比較は米国の高インフレ期のCPI発表26回で、観測は30回に満たない。対象は機関投資家がほぼすべてを占める金利先物・インフレスワップの市場で、株式は指数先物を補足的に見ている。著者自身、データは複数の説明の混合でありうるとし、中央銀行の反応の見方が変わった可能性を完全には否定していない。注意の指標は記事数による代理で、注意そのものを外から動かした実験ではない17。海外の分析に日本は含まれず、日本の指標も扱っていない。参照した版は未査読のワーキングペーパーである。
先行研究との関係では、発表前の注意が高いと米国債の利回りが経済指標により強く反応することを示したBenamar、Foucault、Vegaの研究(2021年)が最も近い18。一方、FRBの研究者らによる別の論文(Bonelli、Palazzo、Yamarthy)は、期待インフレの変化に対する社債と株式の感応度が、物価と景気の連動の見え方で時期により変わると報告した。2004〜2023年の平均では期待インフレの上昇はむしろ株価を押し上げたが、株価と債券価格の相関が正に転じる局面(2021年5月末や2022年12月には約0.50)のように、物価高が景気の悪化と結びついて見えるときには、その効果は弱まり、逆になることもある19。株価の反応については、注意の高まりだけでなく、知らせの読まれ方の変化も重なっていた可能性がある。
大手町プレップの考察:指標への感応度は、注意の関数として持つ
以下は研究結果から編集部が引き出した推論で、論文が検証したものではない。
第一に、指標発表への株価や金利の感応度を、長い期間の平均の係数1つで持つのは危うい。論文の2年金利の係数から編集部が計算すると、注意の期間平均の違いだけで感応度は約7倍変わる。平時のデータで推定した係数は注目期の反応を小さく見積もり、注目期を多く含む係数は平時の反応を大きく見積もる。著者も、注意を考慮しないイベントスタディの推定は偏りうると書いている20。
第二に、発表の夜の値動きを、そのまま企業価値の見直しと同一視しないことだ。注目された発表への反応の一部が数日で戻るなら、初動で目標株価やポートフォリオの比率を動かすと、行き過ぎた部分まで織り込むことになる。
第三に、説明の仕方である。「CPIが上振れしたから下がった」という説明は半分で、「上振れの幅は普通だったが、市場の注目が極めて高かったので大きく動いた」と言えるかどうかを確かめたい。後者なら、次に同じ幅のずれが出ても、注目が落ちていれば反応は小さいと考えられる(仮説)。
日本の実務への応用:時差と市場の違いを確かめてから使う
米国のCPIは東部時間の8時30分に発表され、日本時間では22時30分(米国の夏時間は21時30分)になる。東証の現物取引が15:30に終わった後で、大阪取引所の指数先物のナイト・セッション(17:00〜翌6:00)の取引時間内に当たる21。日本株への影響を測るなら、夜間の先物の値動きと翌朝の現物の値動きを分けて確認する必要がある。論文の60分の窓に近いのは夜間の先物の値動きで、現物の日次の終値どうしでは他の材料が多く混じる(編集部の見方。日本株への反応の経路は研究で検証されていない)。
研究は日本の株価・金利・円を対象にしていない。欧州などの6か国・地域で感応度が高まったことから、日本でも似た変化が起きた可能性はあるが、これは編集部の推論で確かめられていない。日本の指標、例えば総務省のCPIや日銀の会合に同じ仕組みが働くかも未検証であり、使うなら自分のデータで確かめる必要がある。
IRの担当者にとっての含意も推論の段階にとどまる。注意が限られているなら、自社の決算発表や重要な適時開示が、市場の注目が集まる米国の指標発表やFOMCの日程と重なった場合、自社の情報への反応が弱まる、あるいは翌日の株価の動きが自社要因と市場要因に分けにくくなる可能性がある(論文は企業の開示を検証していない)。開示の日程を決める際に海外の指標の日程を一覧にしておくこと、重なった日の株価の動きを社内に報告するときに市場全体の動きを分けて示すことは、費用の小さい備えになる。
学習用の設例:注意の局面ごとに感応度表を作る
学習用の設例(架空)
- 架空の運用会社のアナリストが、米国のCPIのサプライズに対する日本の株価指数先物(ナイト・セッション)の60分の反応を、論文と同じ形(基準の感応度+注意の上乗せ×注意)で推定した
- 推定値(架空):注意が平均のときサプライズ1標準偏差当たり−0.15%、注意1標準偏差ごとの上乗せ−0.12%。注意を考えずに全期間で推定すると−0.20%
- 保有する日本株ポートフォリオは1,000億円で、指数に対するベータは1とする
- 5営業日後には注意による上乗せ分が消え、基準の感応度だけが残ると仮定する
表1 設例:注意の水準ごとの感応度表(日本株先物の60分の反応、架空)
表は横にスクロールできます →
| 注意の局面 | 上振れ0.5標準偏差 | 1標準偏差 | 2標準偏差 |
|---|---|---|---|
| 平時(注意−0.5SD) | −0.05% | −0.09% | −0.18% |
| やや注目(注意+1.0SD) | −0.14% | −0.27% | −0.54% |
| 強い注目(注意+2.0SD) | −0.20% | −0.39% | −0.78% |
| 注意を考えない全期間の平均 | −0.10% | −0.20% | −0.40% |
表1のとおり、同じ1標準偏差の上振れでも、平時なら−0.09%、強い注目の局面なら−0.39%と、反応は約4.3倍違う。注意を考えない全期間の係数(−0.20%)は、強い注目の局面の反応の約51%しか捉えず、平時には反応を約2.2倍に見積もる。ヘッジの量やリスク量の見積もりを全期間の係数で決めると、局面によって過大にも過小にもなる。
図3は初動と5営業日後を分けたものである。強い注目の局面では60分で約3.9億円の評価損が出るが、仮定どおりなら5営業日後の影響は約1.5億円で、初動の約62%は戻る。逆に平時は、初動が小さくても数日かけて下落が0.15%まで広がる。どちらの見方が当たるかは日本のデータで確かめるべきことで、この設例が示すのは、初動の数字だけで損益の見通しを語らないための枠組みである。
明日から使える確認項目と分析手順
- 指標ごとの感応度を推定するときは、サプライズを過去のずれの標準偏差で割って単位をそろえ、低インフレ期と高インフレ期のように局面を分けた推定も並べる。全期間の係数1つだけを報告しない。
- 発表前5営業日の注意の代理指標を作る。社内のニュース端末で取れる関連記事の件数を過去1年の1日平均の記事数で割る、検索数、発表前の先物の出来高などで、論文と同じく発表後のデータは使わない。過去平均より1標準偏差以上高い発表を「注目の局面」として扱う(編集部の仮の目安で、研究で検証された閾値ではない)。
- 反応は、発表直後(夜間の先物の60分)、2営業日後、5営業日後に分けて記録する。注目の局面の初動は、そのまま目標株価やポートフォリオの比率の変更に使わず、数日後の水準も確かめる。
- 金利が上がった理由を、金利と期待インフレ率の動きの組み合わせで見分ける。CPIへの反応で両方が強まり、他の指標への反応が変わっていなければ注目度の変化を、金利の反応だけがCPI以外の指標でも強まり、期待インフレ率の反応が変わらなければ中央銀行の反応への見方の変化を疑う(論文のモデルの考え方)。
- 顧客や経営陣への説明で使う質問:「この感応度はどの期間、どの注目度の下で推定したものか」「今回のずれは過去の標準偏差の何倍か」「今回の発表前、市場の注目は平時と比べてどうだったか」。
- IRでは、自社の決算発表や重要な開示の予定日を、米国のCPI・雇用統計・FOMCの日本時間の日程と照らし、重なった日の株価の動きは市場全体の動きを差し引いて社内に報告する(編集部の提案)。
よくある質問
注目が高い局面では、指標発表の後に逆張りをすれば利益が出るのですか。
論文が示したのは米国の金利とインフレスワップの日次の平均的な動きで、取引コストを差し引いた売買の成績は検証していません。株式についての数日後の反転も示されていません。売買の判断に使うには、対象の市場と取引コストを含めた検証が必要です。
日本のCPIの発表でも、同じように注目度で反応が変わりますか。
この研究は日本の指標を扱っていないため、分かりません。公表の時刻と取引時間の関係や、市場参加者の構成も米国とは違います。自社で使うデータで、局面を分けた推定と注意の代理指標を試すのが確実です。
まとめ
米国のデータでは、CPIの同じ大きさの上振れに対する金利・期待インフレ・株価の反応が、2021〜2023年の高インフレ期に大きく強まり、ほかの経済指標では同程度の変化が見られなかった。発表前の記事数で測った注意は金利とインフレスワップの反応の大きさを予測し、不確実性の指標を加えてもその効果は残った。注目された発表への金利の反応は数日で一部戻った。対象は米国の機関投資家が中心の市場で、高インフレ期の観測は少なく、日本は含まれない。実務では、感応度を局面ごとに持ち、初動と数日後を分けて評価することが、この研究から引き出せる点検である。
脚注
- R1(FEDS 2025-022。FRB の掲載ページは2025年3月、PDF 本文の日付は2025年2月18日、91ページ)。ページは PDF の物理ページで、p.1 は FEDS の表紙、p.2 が論文の表紙と要旨(以下同じ)。初版は2023年7月31日(p.2「First draft」、旧題は p.2 の謝辞注。著者サイトの PDF を置くリポジトリの最初の登録も同日、SSRN 4527424 の DOI 登録は2023年8月1日)。データは p.15〜19(3節)・p.16 表2、方法は p.10〜14(2節)・p.30〜32(5.2節)。位置づけは p.3〜6。学術誌への掲載は確認できなかった(2026年10月29日、Crossref)。↩
- R1 p.13(式2・式3、狭い窓では誤差項とサプライズが無相関とみなせるため係数を知らせの因果効果と読めるが、期間間の係数の差の解釈にはモデルが必要と著者が記述)、p.16(表2:CPI の1標準偏差=前月比の上昇率の予想とのずれ0.11%ポイント(表の単位は % MoM)、予想は Bloomberg の調査の平均)、p.18(窓は発表5分前〜60分後)。↩
- R1 p.3、p.8〜12(2.1節・表1 p.11)。注意を「新しい情報をすぐ取り込む投資家の割合」とするモデル(DellaVigna and Pollet 2009 に従う)と、4つのシナリオ(注意の上昇、中央銀行の物価への反応の強化、需要から供給への移行、CPI の情報量の増加)の予測。↩
- R1 p.4・p.20(4.2節、図3 p.21:CPI の金利への効果は高インフレ期に一桁以上大きく、差は1%または5%水準で有意)、p.23(4.3節、図5 p.24・図6 p.25:インフレスワップ。30年を除き1%または5%水準で有意、30年は10%水準)。期間の区切りは p.15(前年比4%、2021年5月12日・13日、2023年7月12日)。↩
- R1 p.20〜22(図3・図4)。16指標の残り15指標(平均時給、設備稼働率、消費者信頼感、耐久財受注、GDP、新規失業保険申請、ISM 製造業、新築住宅販売、非農業部門雇用者数、PCE 物価指数、フィラデルフィア連銀指数、PPI、小売売上高、ミシガン大消費者信頼感、失業率)のいずれも CPI に匹敵する上昇なし。↩
- R1 p.26〜27(表3)。60分の対数変化を bp で表した値。S&P500 は E-mini 先物の期近、低インフレ期−4.98(標準誤差2.60、10%水準で有意)、高インフレ期−66.09(同18.46、1%水準)、差の p 値0.00。差の p 値は5資産で0.00、ビットコインで0.01(小数2桁の表示)。倍率、%への換算、低インフレ期の係数の95%区間(−4.98±1.96×2.60、正規近似)は大手町プレップの計算。倍率の信頼区間は、係数間の共分散が表に無いため計算できない。↩
- R1 p.26(4.5節「Role of Risk Premia」、図C10)。Adrian-Crump-Moench、Kim-Wright、d’Amico-Kim-Wei の日次の分解による。↩
- R1 p.27(4.5節)、p.85〜87(補遺 S2、図S2.1・表S2.1)。2年・10年金利、株価指数、対ドル為替。株価の効果は米国が最大。日本は対象に含まれない。↩
- R1 p.23〜26(4.4節、図C5〜C7)、p.28(時変係数。2021年から上昇し2023年にピーク、補遺 S3)。2標準偏差を超えるずれを除くと、高インフレ期の効果はむしろ強まった(p.25)。↩
- R1 p.28〜30(5.1節、図7 p.29、表C1)。インフレスワップは取引の記録が無いため出来高は金利先物のみ。↩
- R1 p.19・p.63(参加者は実質的に機関投資家。2023年の非報告建玉の比率は30年債先物13%〜SOFR 先物1%未満)、p.30(式6)、p.32(式7、発表前5営業日)、p.31(図8)、p.32(Google 検索・一般メディア、図C9)、p.33(図9)、p.63〜64(付録 B.3)。↩
- R1 p.36(脚注39:注意の期間平均は低インフレ期−0.34、高インフレ期1.85標準偏差。0.72bp=1.42−0.34×2.06、5.2bp=1.42+1.85×2.06)、p.37(表4:2年金利の News×注意は2.06、不確実性5指標の交差項を加えると1.37、ともに1%水準で有意。CPI 166回)。↩
- R1 p.36〜37(表4:2年金利の News×金融政策の不確実性0.87、1%水準)。著者の解釈は p.36。↩
- R1 p.39〜40(6節、表5、1996年以降)。2年金利:CPI 0.95・注意の交差項0.83(5%水準)、雇用統計3.11・0.73(10%)、FOMC 3.57・0.86(有意でない)。5年金利:CPI 1.17・0.94、雇用統計3.86・1.00、FOMC 4.40・1.20(いずれも5%水準)。観測は315・302・213回。FOMC の知らせは経路要因の符号で測る(p.39〜40)。↩
- R1 p.38〜39(5.4節、式9、図10)。金利は1996年以降、インフレスワップは2004年以降の日次データ。高い注意は分布の95%点、低い注意は5%点での効果。↩
- R1 p.41〜42(図11)。↩
- R1 p.12(複数シナリオの混合でありうる)、p.17(高インフレ期の観測は30未満)、p.19(投資家の種類)、p.30 脚注34(注意の指標は代理)、p.33〜34(政策ルールの変化を完全には否定できない)。↩
- R2。主論文 R1 p.6 の要約による(R2 の本文は未確認。書誌は Crossref で確認)。↩
- R3(FEDS 2025-002、2025年1月)p.2(要旨)、p.4(2004〜2023年、期待インフレの1標準偏差の上昇で5年 CDS は約1bp 低下、株価は1日で40bp 上昇。株価と債券価格の3か月相関は2021年5月末と2022年12月に約0.50)、p.5(相関が平均より2標準偏差低いとき株価の感応度は+0.81%)。↩
- R1 p.7(関連研究の節)、p.42(7節)。↩
- R4(東証の内国株の立会時間:午前9:00〜11:30、午後12:30〜15:30)、R5(大阪取引所の指数先物のナイト・セッション:17:00〜翌6:00)。米国の CPI の発表時刻8:30は R1 p.16 表2(時間帯の表記は表に無く、東部時間であることと日本時間への換算は大手町プレップによる)。R4・R5 が裏付けるのは取引時間で、日本株への反応の経路を示す資料ではない。↩
参考文献(2 026年10月確認)
- R1 Kroner, T. N. (2025), “How Markets Process Macro News: The Importance of Investor Attention,” Finance and Economics Discussion Series 2025-022, Board of Governors of the Federal Reserve System. DOI: 10.17016/FEDS.2025.022. 参照した版:FEDS 版(2025年3月掲載、本文の日付2025年2月18日、91ページ)。初出:2023年7月31日(旧題 “Inflation and Attention: Evidence from the Market Reaction to Macro Announcements”、SSRN 4527424)。査読:未査読(WP)。 federalreserve.gov (参照箇所:PDF p.2〜42(本文)、p.60〜64(付録 B)、p.85〜88(補遺 S2・S3)。脚注1〜17・20・21の根拠。図1・図2は論文の表の数値を編集部が抜き出して整理・計算したもので、原図・原表の転載ではない。閲覧日:2026年10月)
- R2 Benamar, H., T. Foucault and C. Vega (2021), “Demand for Information, Uncertainty, and the Response of U.S. Treasury Securities to News,” Review of Financial Studies 34(7), 3403–3455. DOI: 10.1093/rfs/hhaa072. 本文は未確認(書誌は Crossref、内容は R1 の記述による)。査読:済。 doi.org (参照箇所:書誌のみ。脚注18の根拠。閲覧日:2026年10月)
- R3 Bonelli, D., B. Palazzo and R. S. Yamarthy (2025), “‘Good’ Inflation, ‘Bad’ Inflation: Implications for Risky Asset Prices,” Finance and Economics Discussion Series 2025-002, Board of Governors of the Federal Reserve System. DOI: 10.17016/FEDS.2025.002. 参照した版:FEDS 版(2025年1月)。査読:未査読(WP)。 federalreserve.gov (参照箇所:PDF p.2〜5(要旨・序論)。脚注19の根拠。閲覧日:2026年10月)
- R4 日本取引所グループ「売買立会時(立会時間)|内国株の売買制度」(2024年11月4日更新)。 jpx.co.jp (参照箇所:立会時間の記述。脚注21の根拠。閲覧日:2026年10月)
- R5 日本取引所グループ「立会時間|先物・オプション 取引制度」(2026年4月13日更新)。 jpx.co.jp (参照箇所:指数先物の日中立会とナイト・セッション。脚注21の根拠。閲覧日:2026年10月)
※本記事は教育目的の一般的な解説であり、投資助言・法務・税務の助言ではありません。研究結果は各論文の対象・期間・方法の範囲で得られたもので、日本の個別企業・案件にそのまま当てはまるとは限りません。設例は学習用の架空の数値です。アイキャッチ画像は生成AIによるイメージです。