この記事で分かること
- PEファンド転職に向けて、3か月で何をどの順番に学ぶべきかを整理できます。
- LBO、投資仮説、ケース面接、モデルテストを別々ではなく一つの準備計画として接続できます。
- 大手町プレップ内の記事・教材を使った具体的な学習導線が分かります。
想定読者
本記事は、PEファンド転職を検討し始めたものの、何から手を付ければよいか分からない方を想定しています。投資銀行、FAS、戦略コンサル、事業会社M&A部門、会計士、総合商社、事業企画などからPEを目指す方に向けた、3か月の学習ロードマップです。
選考スケジュールや必要な準備期間は、候補者の経験、応募先、ポジション、英語力、モデル経験によって変わります。ここでは、働きながら準備する前提で、週数時間から十数時間程度を継続的に確保するイメージで組んでいます。
結論:最初から全部をやらず、財務基礎→LBO→投資判断→選考演習の順に積み上げる
PE転職準備でありがちな失敗は、いきなり難しいケース面接やモデルテストに取り組み、土台が曖昧なまま挫折することです。PE選考では、会計、バリュエーション、LBO、DD、投資仮説、面接での説明力がつながって見られます。そのため、準備も順番が重要です。
3か月で準備する場合、最初の1か月は財務・バリュエーション・LBOの土台、2か月目は投資仮説とモデル演習、3か月目はケース面接・職務経歴書・模擬回答に集中すると、学習が散らばりにくくなります。
3か月ロードマップ全体像
| 期間 | 主なテーマ | 到達目標 |
|---|---|---|
| 1〜2週目 | 会計・財務三表・FCF | EBITDAとFCFの違い、運転資本、Capexを説明できる |
| 3〜4週目 | バリュエーション・LBO基礎 | DCF、Comps、IRR、MOIC、Debtの関係を説明できる |
| 5〜6週目 | LBOモデル演習 | 簡易LBOを作り、リターン源泉を分解できる |
| 7〜8週目 | 投資仮説・DD・Value Creation | 買う理由、見送る理由、追加確認事項を言語化できる |
| 9〜10週目 | ケース面接・Paper LBO | 限られた情報で暫定判断と検証論点を話せる |
| 11〜12週目 | 職務経歴書・模擬面接・弱点補強 | 案件経験をPEの言葉で説明できる |
このロードマップは、知識を増やすためだけのものではありません。最終的には、面接で自分の経験と投資判断を接続して話せる状態を目指します。
1〜2週目:会計・財務三表・FCFを固める
PE転職準備の最初にやるべきことは、会計の細かい論点を暗記することではなく、損益計算書、貸借対照表、キャッシュフロー計算書がどうつながるかを理解することです。特に、EBITDA、営業利益、税金、運転資本、Capex、FCFの流れを説明できるようにします。
LBOでは、利益が出ているだけでは不十分です。借入を返済するには、現金が必要です。売上が伸びていても運転資本が重い、Capexが大きい、税金や一過性費用が多い場合、Debt返済余力は弱くなります。最初の2週間は、財務三表のつながりを復習し、利益とキャッシュフローの違いを言葉にできる状態を目指します。
3〜4週目:バリュエーションとLBOの入口を押さえる
次に、バリュエーションの基本を確認します。DCF、Comps、Precedent Transactionsは、いずれも企業価値を見る方法ですが、前提、使いどころ、限界が異なります。PE面接では、単に手法を知っているだけでなく、「この価格で買ってリターンが出るか」という問いに接続する必要があります。
この段階では、バリュエーション全体像を確認し、続けてLBOの基礎へ進みます。IRRとMOICの違いはIRR・MOICで固めてください。ここで完璧なLBOモデルを作る必要はありません。まずは、買収価格、Debt、EBITDA、FCF、Exit Valueがどのように株主リターンへつながるかを説明できれば十分です。
5〜6週目:簡易LBOを手で組む
基礎概念が入ったら、実際に簡易LBOを組みます。最初は複雑な税務ストラクチャーや複数トランシェのDebtを入れる必要はありません。Sources & Uses、P&L、FCF、Debt Schedule、Exit、IRR・MOICの流れを、自分でつなげることが重要です。
モデルを組むときは、完成させることだけを目的にしないでください。Revenue Growthを1%変えると何が起きるか、Exit Multipleを下げるとIRRはどこまで落ちるか、Debtを増やすとDownsideで何が怖いかを確認します。学習にはLBOモデルの作り方とモデリングラボのLBO教材が使えます。
7〜8週目:投資仮説とDD論点を作る
モデルを作れるようになったら、次は投資仮説です。PE面接では、対象会社を「良い会社」と説明するだけでは不十分です。なぜその会社を買うのか、どの価格なら買えるのか、どのリスクを受け入れるのか、どのリスクが残るなら見送るのかを話す必要があります。
この時期は、投資仮説の作り方、Value Creation、Downside Caseを重点的に読みます。業界ニュースや上場企業の有価証券報告書を一つ選び、「自分なら買うか、買わないか」を短く書いてみるのも効果的です。
9〜10週目:ケース面接とPaper LBOを練習する
9〜10週目は、アウトプット練習に入ります。ケース面接では、情報が不完全な状態で、仮説、追加確認事項、暫定判断を示す必要があります。完璧な答えを出すことよりも、考え方の筋道を見せることが重要です。
Paper LBOでは、限られた数字からざっくりとリターンを計算します。ここで必要なのは、精密なモデルではなく、EBITDA、Debt、FCF、Exit Value、Equity Valueの流れを暗算に近い形で追う力です。Paper LBO対策とケース面接対策を使って、声に出して説明する練習をしてください。
11〜12週目:職務経歴書と模擬面接で仕上げる
最後の2週間は、知識を増やすよりも、話し方を整える期間です。職務経歴書では、案件名や担当業務を並べるだけでなく、投資判断につながる論点を抽出します。面接では、自己紹介、転職理由、なぜPEか、案件経験、投資したい会社、失敗経験、逆質問を一貫したストーリーで話せるようにします。
モデルテストに不安がある場合は、モデルテスト対策へ戻り、頻出の型を繰り返します。逆質問はPE面接の逆質問も参考になります。最後は、覚えた内容を増やすよりも、自分の経験と言葉で話せるかを確認してください。
週ごとのチェックリスト
Q. 1か月目の合格ラインは?
A. 財務三表、FCF、DCF、Comps、LBO、IRR、MOICの基本を、数式ではなく言葉で説明できる状態です。完璧なモデル作成より、概念の接続を優先します。
Q. 2か月目の合格ラインは?
A. 簡易LBOを組み、主要前提を変えたときにリターンがどう動くかを説明できる状態です。投資仮説とDD論点も、短いメモにできるようにします。
Q. 3か月目の合格ラインは?
A. 自分の案件経験をPEの言葉で話し、ケース面接で暫定判断と追加確認事項を示せる状態です。弱点が残る場合は、モデル、ケース、職務経歴書のどこかに絞って補強します。
よくある失敗
- 教材を集めすぎる:読む量が増えても、説明練習が不足すると面接では使えません。
- モデルだけに偏る:LBOを組めても、なぜ買うのかを話せなければ投資家目線が伝わりません。
- ケース練習を後回しにする:知識を入れたら、早めに声に出して仮説を話す練習を始めます。
- 職務経歴書が作業説明になる:担当業務ではなく、投資判断に近い学びを抽出します。
まとめ
- PE転職準備は、財務基礎、バリュエーション、LBO、投資仮説、ケース面接の順に積み上げます。
- 3か月で準備する場合、1か月目は土台、2か月目はモデルと投資仮説、3か月目は選考演習に集中します。
- 最終目標は、知識を増やすことではなく、自分の経験を投資家の言葉で説明できる状態です。
- 大手町プレップ内の記事と教材を使い、読んだ内容を必ず手元のメモやモデルに変換して練習しましょう。
3か月の準備を、手を動かす学習に変える
本記事では学習順序を整理しました。設問演習、モデル作成、面接での説明練習まで進めたい方は、大手町プレップの教材紹介ページ教材も合わせて確認してみてください。
本記事について
本記事は一般的な学習ロードマップです。選考通過、内定、転職成功を保証するものではありません。