想定読者:米国の競合・買収候補・Comps 対象を調べる投資銀行・PE・リサーチの若手や、事業会社の経営企画の方
前提知識:日本の有価証券報告書(以下、有報)の目次を見たことがあること(英語の財務用語は本文で説明します)

結論:10-K は​有報の​目次で​読めるが、​1対1ではない

米国上場企業の年次報告書である 10-K は、有報の目次に重ねると、どこに何があるかをつかみやすくなります。ただし、有報の「主要な経営指標等の推移」に当たる Item は現行の 10-K になく、役員報酬などは別書類に回ることがあります。米国の競合や買収候補を Comps(類似会社比較)に入れるときは、売上・株式数・有利子負債の満期・リース債務をどの Item のどの注記から拾うかが最初の関門です。本稿は、対応表(図表1)、Comps の取得場所(図表2)、10-Q・8-K と日本の書類の比較(図表3・4)の順に整理します。

制度の記述は2026年10月時点で、SEC の様式、日本の法令、東京証券取引所の作成要領を開いて確認した範囲です。有報そのものの読み順は有価証券報告書の​読み方、米国の合併勧誘状(DEFM14A)はフェアネスオピニオンを​一次資料で​読む、EDINET(金融庁の電子開示システム)とTDnet(東証の適時開示情報伝達システム)の仕組みは用語集に委ねます。

10-K の​構成と​有報との​対応表

10-K は、SEC(米国証券取引委員会)に提出する年次報告書で、電子開示システム EDGAR で無料で閲覧できます。株主向けのアニュアルレポートとは別の書類です1。

様式は Part I〜IV に分かれます。Part I は Item 1(事業)・1A(リスク要因)・1B・1C(サイバーセキュリティ)・2〜4、Part II は Item 5〜9C(6 は欠番、7 は MD&A、7A は市場リスク、8 は財務諸表、9A は内部統制)、Part III は Item 10〜14(役員・報酬・株主など)、Part IV は Item 15・16 です2。日本の有報は開示府令の第三号様式で、第一部「企業情報」が第1「企業の概況」から第7「提出会社の参考情報」まで、第二部が保証会社等の情報です3。図表1は、Item の順に有報で最も近い項目を並べたものです。

図表1:10-K の Item と有報(第三号様式)の対応表(2026年10月時点)
10-K対応有報の近い項目と注意点
Item 1事業○近い第1の3 事業の内容有報は沿革(第1の2)と関係会社(第1の4)を別に置く
Item 1Aリスク要因◎同じ第2の3 事業等のリスク小規模報告会社は記載不要
Item 2・3不動産・訴訟○近い第3 設備の状況(Item 2)Item 3(訴訟)に当たる独立項目はない
Item 5株式市場○近い第4の1〜3 株式等・自己株式・配当政策10-K は第4四半期の自社株買いを月別に示す
Item 6[Reserved]×なし第1の1 主要な経営指標等の推移選択財務データは廃止。推移は過去の10-K で作る
Item 7MD&A◎同じ第2の4 経営者による分析役割は同じ。記載の粒度は違う
Item 7A市場リスク×なし独立した項目なし金融商品の注記と事業等のリスクを併読
Item 8財務諸表◎同じ第5 経理の状況セグメント・債務・リース・株式報酬の注記もここ
Item 9A統制と手続○近い別書類の内部統制報告書日本は有報の外、10-K は本体の中
Item 10〜14役員・株主○近い第4の4 コーポレート・ガバナンスの状況等、第4の1(6) 大株主の状況委任状説明書などの参照で記載できる
単位:なし​(項目の対応)。​対象:米国の Form 10-K​(SEC 1673 (02-25))と​有価証券報告書​(第三号様式)。​◎は​役割が​ほぼ同じ、​○は​近いが​範囲・​粒度・​様式が​違う、×は​相当する​項目なし。​出所:SEC の Form 10-K と​企業内容等の​開示に​関する​内閣府令の​様式を​基に​大手町​プレップ​作成。

図表1のとおり、役割がほぼ同じなのは Item 1A(有報の事業等の​リスク)、Item 7(MD&A。有報の経営者に​よる​分析)、Item 8(財務諸表)の3か所です。Item 6・7A には相当する項目がなく、Part III は別書類を参照できます。「近い」は同じ内容という意味ではありません。会計基準差の中身は日本基準と​IFRSの​実務差分に委ねます。

1対1に​ならない​3か所

Item 6:経営指標の​推移に​当たる Item は​ない

SEC は2020年11月19日付の最終規則で、Item 301(5会計年度の選択財務データ)を廃止しました。規則は2021年2月10日に発効し、2021年8月9日以後に終了する事業年度から適用が義務になっています4。現行様式の Item 6 は「[Reserved]」(欠番)で、編集部が開いた実在の10-K(米国上場の産業機械メーカー1社の2025年12月期。企業名は伏せます)でも見出しだけでした。この1件の損益計算書は3期分で、それより長い推移は過去の10-K を並べて作ります。

Part III:委任状説明書などを​参照できる

Item 10〜14(役員・報酬・大株主・関連当事者・監査報酬)は、事業年度末後120日以内に提出される委任状説明書(株主総会の議案と役員情報を載せる書類)などを参照して記載できます。期限内に提出されなければ、10-K 本体か修正書で記載します5。上の1件でも Item 10・11・13・14 は参照で、Item 12 は株式報酬制度の表だけを10-K 内に置き、執行役員の情報は会社が Part I に独自に設けた「Item 1D」にありました。委任状説明書の読み方は本稿では扱いません。

Item 9A と​セグメント:置き​場所が​違う

内部統制の評価は、日本では有報と別の内部統制報告書ですが、10-K では Item 9A に入ります6。セグメントの数字は10-K では Item 8 の財務諸表注記にあり、日本基準の連結財務諸表でも報告セグメントの売上高・利益は連結注記で示します7。確認した1件でも、Item 8 にセグメント・長期債務・リース・株式報酬の注記が並んでいました。読み方はセグメント​情報の​読み方に委ねます。

Comps の​数字を​10-K の​どこで​拾うか

以下は学習用の架空事例です。X 社は米国上場の産業機器メーカーで、12月決算、20X5年12月期の連結売上高は3,200百万米ドル、セグメントは A・B・C の3つです。日本の同規模メーカー Y 社(3月決算)の有報での場所も並べます。単位は百万米ドル、株数は千株です。

図表2:Comps 入力項目の取得場所(架空の X 社、単位:百万米ドル・千株)
入力項目X 社の値取得場所
売上高3,20010-K:Item 8 連結損益計算書有報:第5の1(1)② 連結損益計算書
営業利益38410-K:同上(科目名は会社による)有報:同上
セグメント売上 A 1,600B 960C 640利益 A 280B 120C 60全社 −7610-K:Item 8 のセグメント注記有報:連結注記のセグメント情報等
基本株数150,000千株10-K:表紙(実務上可能な最新の日現在)有報:第4の1(1)② 発行済株式(提出日現在)
希薄化証券SO 3,000千株行使 40.00ドルRSU 1,200千株10-K:株式報酬の注記有報:第4の1(2) 新株予約権等の状況
有利子負債20X6 20020X7 15020X8 40020X9 020Y0 250以降 600計 1,60010-K:債務注記の年別返済予定表有報:金融商品の注記の返済予定額、または借入金等明細表
リース債務180流動 40非流動 14010-K:リース注記(満期表を含む)有報:リースに関する注記
現金42010-K:Item 8 連結貸借対照表有報:第5の1(1)① 連結貸借対照表
入力行X 社(20X5年12月期):売上 3,200|営業利益 384|希薄化後株式数 151,800千株|有利子負債 1,600|リース債務 180|現金 420
対象:学習用の​架空の​米国上場企業 X 社の​20X5年12月期。​有報側は​架空の​日本企業 Y 社を​想定した​記載場所​(第三号様式と連結財務諸表規則による)。​SO は​ストックオプション、​RSU は​譲渡制限付株式​ユニット。​取得場所は​上段が​10-K、​下段が​有報。​出所:学習用の​仮定に​基づき大手町​プレップ​作成。

図表2の最下段が、X 社の Comps 入力行です。読み方は次のとおりです。

営業利益:セグメント利益の合計460から全社費用76を引いて384、売上に対して12.0%(384÷3,200)です。セグメント注記の合計がここで合うかを検算します。

株式数:表紙の150,000千株は提出日に近い日付の株数で、期末の株数ではありません8。EPS 注記の加重平均株数は期中平均なので、照合用にとどめます。希薄化後株式数は、表紙の株数に株式報酬注記の SO・RSU を加えて作ります。仮定の株価を50.00ドルとすると、自己株式法(行使で受け取る資金で自社株を買い戻すと仮定し、純増分だけ数える方法)で SO の純増は3,000−3,000×40.00÷50.00=600千株です。RSU は単純化して全数を加えます。

希薄化後株式数(千株)
基本株数150,000+SO 純増600+RSU 1,200=151,800

計算の詳細は希薄化後株式数と​EPSに委ねます。表紙・EPS 注記・株式報酬注記の株数は、日付も目的も別です。

有利子負債の満期:債務注記の年別返済予定の合計は1,600で、貸借対照表の帳簿価額と一致するとは限りません。日本では金融商品の注記に返済予定額を期間別に示し、借入金等明細表に記載していればその旨の注記で代えられます9。

リース債務:X 社のオペレーティング・リース負債180(流動40+非流動140)は、米国基準では貸借対照表に載ります。EV(事業価値)に含めるかは、比較対象の会計基準をそろえてから決めます。会計処理はリース​会計入門、Comps の組み方はEV/EBITDA​倍率と​類似会社比較法に委ねます。

定期開示:10-Q と​半期報告書・​決算短信

10-Q は第1〜第3四半期に提出し、第4四半期分は出しません10。第4四半期の単独値は通期から第3四半期累計を引いて求めます。X 社の売上が第3四半期累計で2,300なら、第4四半期は3,200−2,300=900(通期の28.1%。小数第2位を四捨五入)です。日本は2024年の改正後、第1・第3四半期は決算短信だけ、第2四半期は半期報告書です(経緯は四半期報告書の​廃止、短信の役割は決算短信と​四半期開示)。

図表3:定期開示の日米比較(2026年10月時点)
項目米国日本(上場会社)
年次10-K。期末後60日(大規模早期提出会社)・75日(早期提出会社)・90日(その他)有報。事業年度経過後3か月以内
年次の保証財務諸表は独立会計士の監査財務計算に関する書類に監査証明
期中10-Q(第1〜第3四半期)。四半期末後40日(大規模早期・早期)・45日(その他)半期報告書は半期経過後45日(銀行など特定事業の上場会社は60日)。第1・第3四半期は決算短信(45日以内が原則)
期中の保証10-Q の財務諸表は提出前にレビュー通期・第2四半期の短信は監査等の終了を要件としない。第1・第3四半期短信のレビューは義務の会社と任意の会社がある
単位:日数​(期限)。​対象:米国は Form 10-K・10-Q、​日本は​有価証券報告書・​半期報告書・​決算短信。​期限は​米国では​提出者区分、​日本では​会社の​区分に​よって​異なる。​出所:SEC の​各様式と Regulation S-X、​金融商品取引法・​同施行令、​東証​「決算短信・四半期決算短信 作成要領等」​(2026年7月)を​基に​大手町​プレップ​作成。

図表3のとおり、期限の物差しが日米で別です。10-K は提出者区分で60・75・90日11、10-Q は40日または45日です。日本の有報は事業年度経過後3か月以内、上場会社の半期報告書は半期経過後45日以内(銀行など特定事業の会社は60日)で12、第1・第3四半期の決算短信は法定ではなく取引所の作成要領で45日以内が原則です13。Y 社(3月決算)なら、有報は6月30日、半期報告書は11月14日、第1四半期の短信は8月14日が目安です。保証の面では、10-Q の財務諸表は提出前にレビューを受けます14。日本の通期・第2四半期の決算短信は監査やレビューの終了を開示の要件とせず、第1・第3四半期はレビューが義務の会社ならレビュー完了次第の開示が原則です15。

臨時開示:8-K と​臨時報告書・​適時開示

8-K は、事象の発生後原則4営業日以内に、Item 番号で区分して提出する書類です。決算の公表資料(Item 2.02)や Regulation FD(公平開示規則)に基づく開示(Item 7.01)は、提出者が明示しない限り、法的責任の重い「filed」ではなく「furnished」の扱いです。第4四半期に 8-K で報告すべきだった未報告の情報は、10-K の Item 9B に書きます16。

日本の臨時報告書は、内閣府令が列挙した提出事由(子会社取得の機関決定、代表取締役の異動、株主総会の決議、財務に影響する事象など)に該当したときに「遅滞なく」出す書類で、多くの事由に金額基準があります17。上場会社が適時開示を行うときは、TDnet の利用が上場規程で義務付けられています18。図表4は、事象から最初に開く書類を選ぶための分岐図です。

図表4:事象から選ぶ最初の開示書類 事象 米国で最初に開く書類(8-K) 日本で近い書類(一致はしない) 決算発表 (四半期・通期) Item 2.02 決算の公表 公表資料を添付 原則 furnished 扱い 決算短信(適時開示・TDnet) 臨時報告書の事由に 決算発表は無い M&A・重要な契約 Item 1.01 契約の締結 Item 1.02 契約の終了 Item 2.01 取得・処分の完了 臨時報告書は事由に該当した場合 子会社取得は機関決定時が起点 適時開示は取引所規則で別途 役員の異動 Item 5.02 取締役・特定の役員の 退任・選任・報酬の取決め 代表取締役の異動(第9号) 取締役の選任は総会の決議 結果として報告(第9号の2) 財務に影響する 契約・事象 Item 2.03 財務債務の発生 Item 2.04 債務の期限前到来 Item 2.06 重要な減損 12号:影響額が純資産の3%以上 かつ最近5期の純利益平均の20%以上 12号の4:財務上の特約付き借入 (元本が純資産の10%以上) 8-K は原則、事象の発生後4営業日以内。臨時報告書は「遅滞なく」。2026年10月時点。 実線枠は米国、破線枠は日本。日本の適時開示の対象は臨時報告書の事由と一致しない。
単位:なし​(書類と事由の対応図)。​対象時点:2026年10月。​出所:SEC の Form 8-K、​企業内容等の​開示に​関する​内閣府令 第19条第2項、​金融商品取引法第24条の​5第4項を​基に​大手町​プレップ​作成。​(スマートフォンでは​図を​横に​スクロールできます)

図表4のとおり、決算発表は日本では決算短信であり、臨時報告書の事由ではありません。役員の異動そのものを事由とするのは代表取締役の異動で、取締役の選任は株主総会の決議結果として報告されます。契約の締結も金額基準のある事由に限られるため、日本側は臨時報告書と TDnet の両方を見ます。

EDGAR・​EDINET・​TDnet での​探し方

同じ問いを3つのシステムで引き直します。自動取得は各サービスの利用条件を先に確認する必要があり、この記事では勧めません。

  • 直近の10-K(EDGAR):Company Search に社名かティッカーを入れ、提出書類の一覧から10-K を選びます。語句で探すなら Full-Text Search(2001年以降の提出書類と添付の exhibit が対象)で、会社名・CIK(企業番号)・書類種別・日付範囲で絞ります。SEC は1秒あたり10リクエストを上限とし、user agent の申告を求め、許容方針を外れたボットや自動化ツールによる巡回を認めていません19。
  • 最近の重要事象(EDGAR):同じ一覧から8-K を選び、Item 番号(図表4)で読み分けます。
  • 直近の有報(EDINET):書類簡易検索・詳細検索・全文検索があり、全文検索は検索文字列を最大5つまで AND 検索で指定できます。臨時報告書は、検索結果の備考欄に提出事由の条文番号が出ます20。
  • 最近の重要事象(TDnet):適時開示情報閲覧サービスで開示日を含めて31日分を見られます。それより前は東証上場会社情報サービス(過去10年分)で、過去5年分のデータベースサービスは有料です21。

実務​チェックリスト

  • 様式の版:最新版(表紙の SEC 番号と年月)で Item 一覧を突き合わせたか。
  • Item 6:有報の「主要な経営指標等の推移」の対応先を Item 6 としていないか。
  • Part III:役員・報酬・大株主を委任状説明書で確認する必要があるか。
  • 株式数:表紙の株数を期末の株数として使っていないか(期末後の自社株買いや株式報酬の付与が混ざる)。
  • 検算:セグメント売上の合計が連結売上に、セグメント利益の合計から全社費用を引いた額が営業利益に一致するか。
  • 期限:米国は提出者区分(Rule 12b-2 の定義)、日本は法定か取引所規則かを区別したか。
  • 保証:10-Q のレビューを、年次の監査と同じ水準とみなしていないか。
  • 臨時情報:8-K の Item と、日本の臨時報告書・適時開示の両方を確認したか。

よく​ある​質問​(FAQ)

10-K に Item 1A​(リスク要因)が​ない​会社は、​記載漏れですか。

必ずしも​漏れではありません。​様式は、​小規模報告会社は Item 1A の​記載を​求められないと​明記しています。​該当するかは​表紙の​チェック欄で​確認します。

​決算発表の​数字は、​8-K と​10-K の​どちらで​取りますか。

速報は​8-K の Item 2.02 に​添付される​決算の​公表資料、​確定値は​10-K・10-Q です。​差が​あれば​10-K・10-Q を​優先して​確認するのが​編集部の​見解です。​日本も、​短信が​速報、​有報が​法定の​書類です。

まとめ

10-K は有報の目次を物差しに読めますが、Item 6 のように相当する項目がない箇所と、Part III のように別書類へ回る箇所があります。Comps の入力は、Item 8 の注記と表紙の株数を基準日付きで拾い、検算でつなぎます。定期開示は提出者区分と法定か取引所規則かを区別し、臨時開示は8-K の Item と日本の臨時報告書・適時開示を並べて確認します。

脚注

  1. Wall Street Oasis「SEC 10-K」。10-K が SEC への年次報告書で EDGAR から無料で閲覧できること、株主向けの年次報告書(annual report)とは別の書類であることが書かれている(一般的な概念のみを参照。同ページの Item 構成の説明は現行様式と異なるため使っていない)。(参考文献 R1)↩
  2. SEC「Form 10-K」の Part I(Item 1〜4)、Part II(Item 5〜9C)、Part III(Item 10〜14)、Part IV(Item 15・16)。Item 1C は Cybersecurity、Item 6 は「[Reserved]」と印刷されている。(参考文献 R2)↩
  3. 企業内容等の開示に関する内閣府令 第15条第1号イは、内国会社の有価証券報告書を第三号様式によると定める(第二号様式は第8条が定める有価証券届出書の様式)。第三号様式の目次は、第一部「企業情報」が「第1 企業の概況」から「第7 提出会社の参考情報」まで、第二部が「提出会社の保証会社等の情報」(その第3が「指数等の情報」)。表紙の【根拠条文】欄は金融商品取引法第24条第1項。(参考文献 R3・R4)↩
  4. SEC Release No. 33-10890(2020年11月19日付)は、Regulation S-K の Item 301(5会計年度の選択財務データ)を廃止する最終規則で、2021年2月10日に発効し、2021年8月9日以後に終了する最初の事業年度から適用が義務になった(Ⅱ.F)。(参考文献 R5)↩
  5. Form 10-K 一般指示 G(3)。Part III(Item 10〜14)は、取締役の選任を含む委任状説明書(definitive proxy statement)または情報説明書(definitive information statement)が事業年度末後120日以内に提出される場合、そこから参照して記載できる。提出されない場合は、その期限までに 10-K または修正書で記載する。執行役員に関する Item 401 の情報は、適切な見出しを付けて Part I に置いてもよいとも書かれている(「Item 1D」という番号は様式に無く、会社が付けた見出し)。(参考文献 R2)↩
  6. Form 10-K の Item 9A は Regulation S-K の Item 307・308 を求める。日本では、金融商品取引法第193条の2第2項が、第24条の4の4に基づく内部統制報告書に公認会計士等の監査証明を求めており、有報とは別の書類として提出する。(参考文献 R2・R4)↩
  7. 連結財務諸表規則 第15条の2は、報告セグメントごとの売上高、利益または損失などの注記を求める。連結財務諸表規則 第15条の3はリース、第15条の5の2は金融商品、第65条の2・第65条の3は1株当たり当期純利益(潜在株式調整後を含む)、第92条は連結附属明細表(社債明細表・借入金等明細表など)を定める。日本基準で連結財務諸表を作る会社の場合。(参考文献 R6)↩
  8. Form 10-K の表紙は、発行済株式数を「latest practicable date」(実務上可能な最新の日)現在で記載する欄を設けている。(参考文献 R2)↩
  9. 連結財務諸表規則 第15条の5の2第9項は、社債・長期借入金・リース負債などで金利の負担を伴うものについて、返済予定額の合計額を一定の期間に区分した金額の注記を求める。連結附属明細表の社債明細表または借入金等明細表(第92条)に記載している場合は、その旨の注記で代えられる。(参考文献 R6)↩
  10. Form 10-Q 一般指示 A.1。第1〜第3四半期について提出し、第4四半期分の報告書は要しない。期限は、大規模早期提出会社・早期提出会社が四半期末後40日、その他の登録者が45日。Part I は Item 1(財務諸表)〜 Item 4(統制)、Part II の Item 1A は 10-K の Item 1A からの重要な変更を記載する。(参考文献 R7)↩
  11. Form 10-K 一般指示 A(2)。事業年度末後、大規模早期提出会社は60日、早期提出会社は75日、その他の登録者は90日。各区分は Rule 12b-2 の定義による(本記事では数値基準に立ち入らない)。Item 14 は、年次財務諸表の監査と10-Q の財務諸表のレビューに係る報酬を開示項目に挙げている。(参考文献 R2)↩
  12. 金融商品取引法第24条第1項は、有価証券報告書を事業年度ごとに、内国会社は事業年度経過後3か月以内に提出するよう定める。第24条の5第1項の表は、上場会社等(第2号の会社を除く)の半期報告書の提出期間を「当該期間が経過した日から起算して四十五日以内の政令で定める期間」、金融システムの安定のため業務の健全性の確保が必要な事業として内閣府令で定める事業を行う上場会社等(第2号)を「六十日以内の政令で定める期間」とし、施行令第4条の2の10第2項・第3項がそれぞれ45日・60日とする。第193条の2第1項は、財務計算に関する書類に公認会計士または監査法人の監査証明を求める。(参考文献 R4・R8)↩
  13. 東証「決算短信・四半期決算短信 作成要領等」(2026年7月)p.3:事業年度の決算短信は「遅くとも決算期末後45日以内」の開示が適当で、30日以内がより望ましいとされる。p.4:第1・第3四半期の決算短信は、四半期末後45日以内に開示することを原則とする。通期・第2四半期の決算短信は、監査等やレビューの手続の終了を開示の要件としない。(参考文献 R9)↩
  14. Regulation S-X Rule 10-01(d)。10-Q に含める期中の財務諸表は、提出前に独立の公認会計士のレビューを受けなければならない。(参考文献 R10)↩
  15. 同 p.4。第1・第3四半期決算短信でレビューを受ける場合、義務で受けるときはレビュー完了次第の開示を原則とし、任意で受けるときはレビュー完了の前後を上場会社が判断するとされている。金融庁の2023年12月の公開草案は、期中レビュー基準の対象に「改正後の金融商品取引法における中間財務諸表に対するレビュー」を挙げている。(参考文献 R9・R11)↩
  16. Form 8-K 一般指示 B.1:別段の定めがなければ事象の発生後4営業日以内(Item 7.01 など Regulation FD のための開示は同規則の期限による)。Item 2.02 と Item 7.01 の情報は、提出者が「filed」とすると明示しない限り、証券取引所法18条の責任の対象となる「filed」とはみなされない(一般指示 B.2)。Item 9B(Form 10-K)は、第4四半期に 8-K で報告すべきだった未報告の情報を 10-K に記載する欄。(参考文献 R12・R2)↩
  17. 金融商品取引法第24条の5第4項は、有報の提出会社に、内閣府令で定める場合に臨時報告書を「遅滞なく」提出するよう求める。企業内容等の開示に関する内閣府令 第19条第2項は提出事由を号で列挙する。たとえば第8号の2は子会社取得の機関決定(対価が純資産額の15%以上など)、第9号は代表取締役の異動、第9号の2は株主総会での決議(上場会社の場合。役員の選任・解任は候補者ごとの賛否の議決権数を記載)、第12号は財政状態等に著しい影響を与える事象(影響額が純資産額の3%以上かつ最近5事業年度の当期純利益の平均額の20%以上)、第12号の4は財務上の特約付きの金銭消費貸借契約(元本が純資産額の10%以上)である。決算発表は列挙されていない。(参考文献 R4・R3)↩
  18. 日本取引所グループ「TDnetの概要」。上場会社は会社情報の適時開示を行う場合に TDnet を利用することが上場規程により義務付けられている。適時開示情報閲覧サービスは開示日を含めて31日分(土・日・祝日を含む)、過去10年分は東証上場会社情報サービスで閲覧できる。過去5年分のデータを縦覧できるデータベースサービスは有料。(参考文献 R13)↩
  19. SEC「Accessing EDGAR Data」:現在の上限は1秒あたり10リクエストで、効率的なスクリプトの利用を求め、リクエストヘッダーでの user agent の申告を求める。ボットネットや自動化ツールによるサイトの巡回(crawl)は認めず、許容方針を外れた要求は制限の対象とする。「EDGAR Full Text Search FAQ」:2001年以降に電子提出された全書類(添付の exhibit を含む)が対象で、キーワード・ティッカー・会社名・CIK のほか、書類種別と日付範囲で絞り込める。「Search Filings」ページは社名またはティッカーでの検索を案内している。(参考文献 R14・R15・R16)↩
  20. 金融庁「書類閲覧 操作ガイド」(2026年6月)。書類検索には書類簡易検索・書類詳細検索・全文検索の三つの方法があり、全文検索は検索文字列を最大五つまで指定でき(AND 検索)、対象書類を選べる。書類簡易検索は書類種別を指定でき、臨時報告書は検索結果の備考欄に提出事由の条文番号が表示される。(参考文献 R17)↩
  21. 日本取引所グループ「TDnetの概要」。適時開示情報閲覧サービスの掲載期間は開示日を含めて31日分、過去10年分は東証上場会社情報サービス、過去5年分のデータベースサービスは有料。(参考文献 R13)↩

参考文献​(2026年10月確認)

※本記事は教育目的の一般的な解説であり、法務・税務・投資助言ではありません。設例は理解のための学習用の架空事例であり、実在の企業・案件とは関係ありません。