この​記事で​分かる​こと

  • 私募REIT(非上場のオープンエンド型投資法人)が、上場REIT(J-REIT)と法制度上どこが同じでどこが違うのかが分かります
  • 私募REITの基準価額が「鑑定評価に基づく鑑定NAV」で決まる仕組みを、仮設の数値例で自分の手で検算しながら理解できます
  • 解約請求・ゲート条項といった流動性の制約と、継続募集・払戻しという「オープンエンド型」の実務が分かります
  • 私募REITのメリット(値動きの平準化)とリスク(流動性・鑑定評価の遅行性)、クローズドエンド型の私募ファンドとの違いが整理できます

結論:​私募​REITは​「非上場・オープンエンド型」の​投資法人で、​価格形成と​流動性が​上場​REITと​根本的に​異なる

私募REITとは、証券取引所に上場せず、機関投資家を中心とした限られた投資家層に対して私募(少人数私募・適格機関投資家私募)で投資口を発行する、投資法人形態の不動産投資ビークルです。J-REIT(上場REIT)と同じく「投資信託及び投資法人に関する法律」(投信法)に基づく投資法人という器を使う点は共通していますが、上場の有無によって価格の決まり方と流動性が大きく異なります。上場REITの投資口価格は取引所での需給によって取引時間中に常時変動するのに対し、私募REITの基準価額は外部の不動産鑑定士による鑑定評価額をもとに算定した鑑定NAV(純資産価値)を基準に、四半期など定期的なタイミングでしか改定されません。

もう一つの大きな違いは器の型です。私募REITは「オープンエンド型」の投資法人であり、運用期間の定めがなく、投資法人自身が継続的に投資口を募集し、投資家からの解約請求に応じて払戻しを行います。これは、投資法人自身が原則として払戻しを行わず、投資主が取引所での売却によってしか投資回収できないJ-REIT(クローズドエンド型)とは仕組みが逆です。以下、価格形成・流動性・投資家層という3つの軸で違いを整理したうえで、仮設の数値例で基準価額の計算を検算し、私募REITのメリットとリスク、クローズドエンド型の私募ファンドとの違いまで確認していきます。

私募​REITの​制度上の​位置づけ:投資法人・​オープンエンド​型・​私募と​いう​3つの​要件

一般社団法人不動産証券化協会(ARES)が四半期ごとに公表している「私募リート・クォータリー」では、私募REITを次の4条件をすべて満たす投資法人と定義しています。①非上場である(証券取引所に上場していない)こと、②投資信託協会規則で定める「不動産投信等」であること、③投資信託協会規則で定める「オープン・エンド型の投資法人」であること、④運用期間の定めが無いこと、の4点です。この定義からも分かるとおり、私募REITは特別な法律で作られた別物ではなく、J-REITと同じ投資法人という器を、非上場・オープンエンド型という形で運用しているものです。

投資口の発行方法も上場REITとの違いを生む要因です。J-REITは公募(不特定多数の投資家に対する募集)によって投資口を発行し、証券取引所に上場することで幅広い投資家が市場で売買できるようにしています。これに対して私募REITは、金融商品取引法上の私募(少人数私募または適格機関投資家​(QII)向けの私募)という形で投資口を発行するため、投資家の対象が年金基金・金融機関・事業会社などの機関投資家中心に限定されます。個人投資家が一般的な証券口座を通じて直接投資できる商品ではない点は、上場REITとの実務上の大きな違いです。

この3つの制度的な違い(上場の有無・器の型・発行方法)が、価格形成と流動性という次の2つのテーマに直結します。以下の表でまず全体像を確認します。

項目私募REIT上場REIT(J-REIT)
上場区分非上場証券取引所(東証REIT市場)に上場
価格の基準鑑定評価に基づく鑑定NAV(基準価額)。四半期など定期的に改定取引所での需給に基づく市場価格(投資口価格)。取引時間中は常時変動
器の型オープンエンド型(継続募集・払戻し、運用期間の定めなし)クローズドエンド型(投資法人は原則払戻しを行わない)
流動性限定的。解約請求には受付期間・通知等の制約があり、ゲート条項が設けられる場合がある高い。取引時間中はいつでも取引所で売買可能
投資家の参加方法私募(主に適格機関投資家向け)公募(証券会社を通じた市場での売買)
主な投資家層年金・金融機関(地域金融機関・中央金融法人)・事業会社等の機関投資家中心機関投資家に加え個人投資家も広く参加

価格形成の​違い:鑑定​NAV​ベースの​基準価額 vs 取引所での​市場価格

私募REITと上場REITの最大の違いは、日々の値動きの有無です。上場REITは保有​不動産の​収益性だけでなく、金利見通しや株式市場全体のセンチメント、投資家の需給といった市場要因の影響を受けて、投資口価格が取引時間中に絶えず変動します。一方、私募REITの基準価額は、外部の不動産鑑定評価によって算定された保有不動産の鑑定評価額をもとに、資産・負債を積み上げて算定する鑑定NAV(純資産価値)方式で決まります。鑑定評価は四半期ごとや半期ごとなど一定の頻度でしか実施されないため、基準価額も同じ頻度でしか改定されません。

基準価額(1口あたり)の算定式
鑑定NAV = 保有不動産の鑑定評価額の合計+現金その他資産-有利子負債-その他負債
基準価額(1口あたり)= 鑑定NAV ÷ 発行済投資口数

以下は理解のための仮設例です。ある私募REIT(投資法人)が保有する不動産の鑑定評価額の合計が800億円、現金その他資産が20億円、有利子負債が300億円、その他負債が10億円、発行済投資口数が510,000口だとします。

計算:鑑定NAV=800+20-300-10=510億円
基準価額=510億円÷510,000口=100,000円/口
LTV(有利子負債÷総資産)=300億円÷(800億円+20億円)=36.6%

3か月後、周辺エリアのオフィス市況改善を反映して保有不動産の鑑定評価額の合計が3%上昇し、824億円になったとします(他の条件は変わらないと仮定した仮設シナリオです)。鑑定NAVは824+20-300-10=534億円となり、基準価額は534億円÷510,000口=104,706円(端数四捨五入)です。基準価額の変化率は(104,706-100,000)÷100,000=約+4.7%で、鑑定評価額の変化率+3%より大きくなります。これは、有利子負債という固定額を差し引いた後の鑑定NAV(自己資本部分)に、資産価格の変動がてこの原理(レバレッジ​効果)で増幅されて反映されるためです。この時点のLTVは300億円÷(824億円+20億円)=35.5%まで低下します。

項目当初(t0)3か月後(鑑定評価額+3%)
保有不動産の鑑定評価額800億円824億円
現金その他資産20億円20億円
有利子負債300億円300億円
その他負債10億円10億円
鑑定NAV510億円534億円
発行済投資口数510,000口510,000口
基準価額(1口あたり)100,000円104,706円(+4.7%)
LTV36.6%35.5%

この仮設例と対比する形で、同じ3か月間に、東証に上場する資産構成が近いJ-REITの投資口価格が、金利見通しの変化や株式市場全体のセンチメントを受けて日々変動し、四半期を通じて-8%から+10%程度のレンジで推移したとします(理解のための仮設シナリオであり、特定の銘柄の実績を示すものではありません)。私募REITの基準価額は保有不動産の鑑定評価額という一つの要因にひもづいて緩やかに動くのに対し、上場REITの投資口価格は不動産市況に加えて金利動向や市場心理といった複数の要因を織り込みながら、より大きく・より頻繁に動く傾向があります。この価格形成の違いこそが、私募REITが投資家から「値動きが平準化された不動産投資」と位置づけられる理由であり、同時に「鑑定評価が実施されるまでは直近の市況変化を反映しない」という遅行性のリスクの裏返しでもあります。

図1:価格形成メカニズムの対比 私募REIT 上場REIT(J-REIT) 保有不動産 鑑定評価の対象 外部不動産鑑定士による鑑定評価 四半期など定期的に実施 鑑定NAVを算定 基準価額(1口あたり)を決定 運用会社が基準価額を公表 四半期など定期的に改定 保有不動産 鑑定評価の対象 鑑定評価額は参考情報として開示 決算期ごとなど 取引所での投資家の需給 投資口価格が市場で形成される 投資口価格が常時変動 取引時間中は日々公表
図:​私募​REITは​鑑定評価に​基づく​基準価額を​定期的に​改定し、​上場​REITは​取引所での​需給に​より​価格が​常時変動する​(ARES​「私募リート・クォータリー」の​定義を​基に​大手町​プレップ​作成、​設例部分を​含む)。

流動性の​違い:解約請求と​ゲート条項

上場REITは取引所に上場しているため、取引時間中であればいつでも投資口を市場で売買できます。これに対して私募REITは、投資法人自身が投資家からの解約請求に応じて払戻しを行う仕組みを持つものの、その受付には一定の制約があります。一般的な実務としては、解約請求の受付期間(四半期ごとの募集・解約ウィンドウなど)が定められ、請求から実際の払戻しまでに事前の通知期間を要します。また、ある期間に解約請求が集中し、あらかじめ定めた上限(解約可能な口数・金額の上限)を超えた場合には、請求全額に応じきれず、按分または次回以降の期に繰り越す「ゲート条項」が設けられる場合があります。こうした解約請求とゲート条項の一般的な仕組みは用語集:​私募リートの​解約請求と​ゲート条項で整理しています。

この流動性の制約は、私募REITが不動産という流動性の低い実物資産を裏付けとしている以上、避けられない構造です。上場REITであれば投資主の売却注文に対して取引所での需給がクッションになりますが、私募REITでは投資法人自身が解約に応じるための現金を確保する必要があり、解約請求が急増する局面では、保有物件の売却や借入枠の活用によって資金を手当てする必要が生じます。私募REITへの投資を検討する際は、利回りや基準価額の推移だけでなく、解約請求の受付頻度・上限・過去の充足率といった流動性条件を確認することが実務上重要になります。

オープンエンド​型の​仕組み:継続募集と​払戻し

私募REITが「オープンエンド型」と呼ばれるのは、運用期間の定めがなく、投資法人が継続的に投資口の募集(新規投資家の受け入れ)と払戻し(既存投資家からの解約請求への対応)を繰り返す仕組みを持つためです。新規募集も払戻しも、その時点の鑑定NAVに基づく基準価額を基準に行われるため、既存の投資家と新規の投資家の間で価値が希薄化・濃縮化しないよう設計されています。これは、投資信託でいう追加型(オープン型)の投資信託の仕組みに近く、株式会社が新株を発行するたびに既存株主の持分価値が変動しうる通常の増資とは異なります。

これに対してJ-REIT(クローズドエンド型)は、上場時や増資(公募増資)のタイミングでのみ投資口を新規発行し、投資法人自身が投資口を買い戻す(払戻しを行う)ことは原則としてありません。投資家が保有する投資口を換金したい場合は、取引所で他の投資家に売却することになります。私募REITの継続募集・払戻しという仕組みは、投資法人が「常に一定の器の大きさを保ちながら、投資家の入れ替わりを内部で吸収する」オープンエンド型の設計思想を体現したものといえます。

投資家層と​市場規模の​推移

ARESが2026年7月31日に公表した「私募リート・クォータリー No.43」(2026年6月末基準)によると、集計対象となる私募REITは61投資法人、資産総額(保有物件の取得価格の合計)は8兆665億円、物件数は2,244物件、出資総額(投資口の払込金額の合計)は4兆5,107億円です。資産総額は3か月前(2026年3月末)比で+943億円(+1.2%)、1年前(2025年6月末)比では+8,166億円(+11.3%)増加しており、同時点の公表値を差し引くと、2026年3月末の資産総額は7兆9,722億円(投資法人数61で増減なし)、2025年6月末は7兆2,499億円(投資法人数60)と算出できます。

図2:私募REIT市場 資産総額の推移 7兆2,499億円 25年6月末 60投資法人 7兆9,722億円 26年3月末 61投資法人 8兆665億円 26年6月末 61投資法人
出所:ARES​「私募リート・クォータリー No.43」​(2026年6月末基準、​2026年7月31日公表)の​資産総額・​投資法人数と、​3か​月前・​1年前比の​公表値から​大手町​プレップが​算出して​作成。

私募REITの投資家分布状況(出資総額ベース)を見ると、2026年6月末時点で地域金融機関が30.3%、中央金融法人(銀行・生保・損保・系統中央機関等)が27.0%、年金が22.0%、事業会社等が20.7%となっており、機関投資家が出資の大半を占めています。東証​REIT​指数で示される上場REIT市場が個人投資家も含めた幅広い層に開かれているのとは対照的に、私募REIT市場は年金基金や金融機関といった長期の運用資金を扱う投資家が中心の市場であることが分かります。

図3:私募REITの投資家分布状況(出資総額ベース) 地域金融機関 30.3% 中央金融法人 27.0% 年金 22.0% 事業会社等 20.7%
出所:ARES​「私募リート・クォータリー No.43」​(2026年6月末基準、​出資総額4兆5,107億円)を​基に​大手町​プレップ​作成。

私募REIT市場は2010年11月に運用を開始した野村不動産プライベート投資法人を第1号として立ち上がり、その後、不動産会社系だけでなく、鉄道会社・商社・金融機関・地方創生系など多様なスポンサーが運用会社を通じて参入し、2026年6月末時点で61投資法人まで拡大しています。不動産投資戦略の​4分類で扱ったコア・コアプラスといった安定運用志向の戦略と私募REITの器が親和性が高いことも、市場拡大の背景にあります。

投資家から​見た​メリットと​リスク

私募REITのメリットとしてまず挙げられるのは、基準価額の値動きが平準化される点です。前述のとおり、私募REITの基準価額は鑑定評価に基づく鑑定NAVを基準に定期的にしか改定されないため、上場REITのように金利観測や株式市場全体のセンチメントで日々大きく上下することがありません。ポートフォリオに私募REITを組み入れると、株式市場や上場REIT市場との価格連動性が相対的に低い資産を保有することになり、年金基金や金融機関にとっては分散投資の観点で意味を持ちます。また、私募REITのリターンは、上場株式市場のバリュエーション変動よりも、保有不動産そのものの賃料収入(インカムゲイン)と鑑定評価額の変動(キャピタル部分)に近い性質を持つとされます。

一方でリスクも明確です。第一に、前述の流動性リスクです。解約請求には受付期間・通知期間の制約があり、請求が集中する局面ではゲート条項によって希望どおりに換金できない可能性があります。第二に、鑑定評価の遅行性です。鑑定評価は四半期や半期に一度など限られた頻度でしか実施されないため、市況が急変した局面(金利急騰やクレジット市場の急激な悪化など)では、基準価額に反映されるまでにタイムラグが生じます。上場REITであれば市場価格が先に下落し始めることで市況変化をいち早く織り込みますが、私募REITの基準価額は鑑定評価が更新されるまで変化が現れにくく、「見た目のボラティリティが低い」ことと「実際にリスクが低い」ことは必ずしも同義ではない点に注意が必要です。第三に、投資家層が機関投資家中心であるため、個人投資家が一般的な証券口座を通じて投資する経路は限定的です。

クローズドエンド​型の​私募ファンド​(コア型私募ファンドなど)との​違い

私募REITとしばしば混同されるのが、匿名組合(TK)や合同会社(GK)などのスキームを用いたクローズドエンド型の不動産私募ファンドです。不動産投資戦略の​4分類で整理したコア・​コアプラス・​バリューアッド・​オポチュニスティックという戦略分類自体は私募REITにも私募ファンドにも共通して使われますが、器の設計は大きく異なります。私募REITはオープンエンド型の投資法人で運用期間の定めがなく、継続的な募集・払戻しによって投資家が入れ替わるのに対し、いわゆる「コア型私募ファンド」を含む一般的な私募ファンドはクローズドエンド型で、あらかじめ定めた運用期間(数年から10年程度)が満了するまで解約に応じない設計が一般的です。投資家がファンド持分を換金したい場合は、満期を待つか、他の投資家への相対での持分譲渡(セカンダリー​取引)によることになります。

この違いは、投資家にとっての資金拘束の性質にも表れます。私募REITは運用期間の定めがない代わりに解約請求という限定的な出口を継続的に持つのに対し、クローズドエンド型の私募ファンドは満期までの資金拘束を前提にする代わりに、満期時にポートフォリオを売却・清算して投資家へ分配するという明確な出口を持ちます。用語集:REIT・​REPE・​REOCの​違いや、借入を活用した日本の​不動産​デット​市場で扱ったノンリコースローン・私募ファンドの資金調達構造もあわせて確認すると、器の違いによる資金調達・出口戦略の違いが立体的に理解できます。私募ファンドの投資プロセス自体はREPE(不動産プライベートエクイティ)の投資実務|ソーシングからバリューアッド・エグジットまでで扱っているソーシングからエグジットまでの流れが基本的に共通します。

よく​ある​質問​(FAQ)

​私募​REITと​J-REIT​(上場REIT)は、​法律上どちらも​同じ​「投資法人」なのですか。

はい。​どちらも​「投資信託及び投資法人に関する法律」​(投信法)に​基づく​投資法人と​いう​器を​使う点は​共通しています。​違いは、​証券取引所に​上場しているかどうか、​投資信託協会規則上​「オープン・エンド型」か​「クローズドエンド型」かと​いう​2点です。

​私募​REITの​基準価額は​どの​くらいの​頻度で​改定されますか。

各​私募​REITの​運用会社が​定める​頻度に​よりますが、​四半期ごとなど、​外部の​不動産鑑定士に​よる​鑑定評価の​実施​タイミングに​合わせて​定期的に​改定されるのが​一般的です。​上場​REITのように​取引時間中に​常時変動する​ことは​ありません。

​私募​REITは​いつでも​解約​(換金)​できますか。

いいえ。​解約請求には​受付期間や​事前の​通知期間などの​制約が​あり、​請求額が​投資法人が​あらかじめ定めた​上限を​超えた​場合には、​按分や​次回以降への​繰り越しと​いった​ゲート条項が​適用される​ことがあります。​詳細は​用語集:​私募リートの​解約請求と​ゲート条項を​参照してください。

個人投資家は​私募​REITに​投資できますか。

私募​REITは​主に​適格機関投資家向けの​私募に​より​投資口を​発行する​ため、​年金基金・​金融機関・​事業会社などの​機関投​資家が​投資家の​中心です。​一般的な​証券口座を​通じて​個人投資家が​直接投資できる​商品と​して​広く​販売されている​ものではありません。

​私募​REITと​「コア型私募ファンド」は​どう​違うのですか。

私募​REITは​オープンエンド​型の​投資法人で​運用期間の​定めが​なく​継続募集・​払戻しを​行うのに​対し、​コア型​私募​ファンドを​含む​一般的な​私募​ファンドは​匿名組合・​合同会社等の​スキームに​よる​クローズドエンド​型で、​あらかじめ定めた​運用期間の​満了時に​清算・​分配する​設計が​一般的です。

まとめ

私募REITは、J-REITと同じ投資法人という器を使いながら、非上場・オープンエンド型という設計によって、価格形成(鑑定NAVベースの基準価額)と流動性(解約請求・ゲート条項)の両面で上場REITとは異なる性質を持つ不動産投資ビークルです。本稿の仮設例では、保有不動産の鑑定評価額が3%上昇した局面で、レバレッジ効果により基準価額が約4.7%上昇する計算を確認しました。ARESの統計(2026年6月末基準)によれば、私募REIT市場は61投資法人・資産総額8兆665億円まで拡大しており、出資総額の過半を地域金融機関・中央金融法人が占め、年金と合わせると機関投資家が投資家層の大半を占めています。値動きが平準化される一方で、鑑定評価の遅行性と流動性の制約というリスクも併せ持つ点を踏まえたうえで、クローズドエンド型の私募ファンドとの器の違いも理解しておくと、不動産投資ビークル全体の位置づけが整理しやすくなります。上場REITの分析指標はFFOとは?やNAV・​NAV​倍率とは?、不動産の評価手法はキャップレートとは?もあわせてご覧ください。

出典・参考​(2026年8月確認)

※本記事は教育目的の一般的な解説であり、法務・税務・投資助言ではありません。設例は理解のための仮設例です。