この記事で分かること
- 生成AIに特定企業のCFOを演じさせた答えが、本物のCFOの景況感をどこまで当てたか(米国の調査回答6,075件による検証)
- 精度を最も大きく左右したのは企業情報やウェブ検索より「本人の過去の回答」だったこと、答えのばらつきが小さく出ること、売上成長率の見込みでは関係が弱いこと
- FP&Aが社内の見込みや外部の景況感の代わりにAIの値を使う前に、何と比べ、どの指標で確かめるか(学習用の設例つき)
想定読者:事業会社の経営企画・FP&A、計画の前提を検証する投資銀行・FAS・PEの実務家
前提知識:予算と見通しの違い、相関係数の意味(回帰分析の知識はなくても読める)
四半期の見通し会議の前に、FP&Aの担当者が事業部長たちに「今後12か月の売上はどのくらい伸びそうか」を聞いて回る。返事がそろうまでに数日かかり、毎回答える人もいれば答えない人もいる。そこで、生成AIに「あなたは甲社の◯◯事業部長です。今の状況でどう答えますか」と聞けば、少なくとも叩き台にはなるのではないか。こう考えたことのある人は少なくないはずだ。
同じ発想を、経営者の景況感という公的な指標で大規模に試した研究がある。米国のCFO(最高財務責任者)を対象とする四半期調査の個別回答を使い、大規模言語モデル
この記事が主に参照する研究
John R. Graham、Campbell R. Harvey、Manish Jha(2026)「CFOとLLMの出会い(CFOs Meet LLMs)」arXiv:2606.13812
- 公表:初版 2026年6月11日(arXiv v1)。参照した版:v2(2026年9月21日掲載)。査読:arXiv 掲載稿(査読状況は未確認)
- データ:Duke–Federal Reserve CFO Survey に2002〜2025年に回答した米国上場企業のCFOの回答6,075件(93四半期)
- 方法:LLMの答えと本人の答えを同じ企業・同じ四半期で突き合わせた回帰分析(予測力の検証。因果の識別ではない)
- 位置づけ:新しい手法とデータによる検証。合成サーベイ(AIに調査回答を作らせる手法)を、分布の再現ではなく個人単位の一致で確かめた点が新しい
何を予測したのか:景況感の「答 え」であって景気ではない
最初に、予測の対象を押さえておく。この研究が当てようとしたのは、景気や企業の業績そのものではない。ある企業のCFOが、ある四半期の調査で「米国経済全体についての楽観度を0〜100で答えてください」と聞かれたときに書く数字である1。CFOの楽観度はその後の投資や雇用と関係することが知られており、調査を運営する側にとっては重要な指標だが、集めるのに時間と費用がかかり、回答企業は数百社に限られる。AIで代わりの値を作れないか、というのが研究の出発点だ。
手順はこうである。LLMに業種・売上規模・従業員数・海外売上比率・本社所在地など最大12項目の企業プロフィールを渡し、調査の回答日を「情報の締切日」として、それ以降の情報を使わないよう指示する。そのCFOが以前にも回答していれば、締切日より前の本人の回答(直前12四半期の最大12個)と、LLM自身が過去に出した予測も渡す。モデルは研究者の所属機関の契約を通じたgpt-5.4(呼び出し時点の版に解決される名称)で、ウェブ検索の機能を有効にし、2026年4月21日から一括で実行したと論文は記している2。著者ら自身、提供元がモデルを更新するため、同じ指示を後日実行しても同じ数値になるとは限らないと注記している3。
著者らが注記するとおりLLMの出力は確率的で、同じ入力でも呼び出しごとに答えが変わりうる。そこで研究では1件につき3回答えさせて平均した。3回の答えどうしの相関は約0.96、同じ入力での答えの標準偏差は平均2.22点で、0〜100の尺度では小さい4。
結果を読むための道具を二つだけ説明する。一つはR²(決定係数)で、本人の答えのばらつきのうちLLMの値で説明できた割合を0〜1で表す。もう一つは固定効果で、企業ごとの普段の水準や、その四半期に全員に共通した空気を差し引く処理である。企業の固定効果を入れると、「楽観的な人と悲観的な人を見分けられるか」ではなく「ある人が普段より楽観的になる時期を当てられるか」を問うことになり、検証はかなり厳しくなる5。
研究が示した精度:本人の履歴があるときに限って高い
主な数値を表1にまとめた。最も単純な回帰では、LLMの値が1点高いとCFOの答えは平均0.565点高く、R²は0.269だった6。言い換えれば、本人の答えのばらつきの約73%はLLMの値では説明できていない。企業と四半期の固定効果を同時に入れても係数は0.276で統計的に有意に残り、前回の本人の答えを説明変数に加えた最も厳しい式でも0.286(5%水準で有意)だった7。AIが前回の答えを書き写しているだけなら、この式で係数は消えるはずなので、それ以上の情報を持っていることになる。
表は横にスクロールできます →
| 項目 | 数値 | 補足 |
|---|---|---|
| 基本の回帰(LLMの値→CFOの回答) | 係数0.565 R² 0.269 | t値17.98。LLMの値が1点高いと、CFOの回答は平均0.565点高い |
| 企業と四半期の固定効果を同時に入れる | 係数0.276 | t値6.67。各CFOの普段の水準と、その四半期の全体の空気を除いても残る |
| 前回の回答も説明変数に入れる(最も厳しい式) | 係数0.286 | t値2.33(5%水準で有意)。前回の回答は0.171(t値1.84) |
| 自社の先行きへの楽観度 | 係数0.604 R² 0.240 | 経済全体の楽観度とほぼ同じ精度 |
| 自社の売上成長率見込み(今後12か月、%) | 係数0.451 R² 0.071 | 連続して回答した人だけでは係数0.255(t値1.09)で有意でない |
| 四半期内のばらつき(標準偏差) | LLM 12.3 CFO 16.5 | 比は平均0.75。LLMの答えは約25%狭く散らばる |
| 平均の水準(0〜100) | LLM 56.6 CFO 60.1 | LLMは平均で3.6点低い |
| 四半期ごとの R² | 中央値0.21 | 2020年1〜3月期は0.11、最良の期は0.92 |
| 四半期平均に集計 | R² 約0.72 | 消費者信頼感とGDP予測だけでは0.316。LLMを加えると両指標は有意でない |
| 公開モデル(Gemma 4、ウェブ検索なし)で再実行 | 係数0.572 R² 0.263 | 基本の結果とほぼ同じ |
実務の目で見て重要なのは、精度がどこから来たかである。図1は、LLMに与えた情報と説明力の関係を示す。本人の過去の回答がない場合(多くは初めての回答)のR²は0.100にとどまり、1〜3個あると0.334、4個以上で0.494に上がった。企業プロフィールの項目が多いほど精度が高いという関係もあったが、差は小さい8。
入力だけを変えた比較は、もっとはっきりしている(著者らは標本を固定した比較と説明しているが、欠損のため列ごとの標本数は3,609〜3,842件と少し異なる)。企業プロフィールだけ、ウェブ検索だけ、その両方を与えた場合のR²は0.094〜0.095にすぎず、本人の回答履歴だけを与えると0.325、履歴とプロフィールで0.374、すべてを与えて0.395だった9。最も効いたのは、AIが企業について調べ上げた情報よりも「その人がふだんどう答える人か」という記録で、プロフィールと検索は履歴に上乗せしたときに精度を少し押し上げた。
AIの答えには形の違いもあった。平均はLLMが56.6、CFOが60.1で、AIのほうがやや低い。同じ四半期のなかでの散らばり(標準偏差)は、CFOの16.5に対してLLMが12.3で、比は平均0.75だった。AIの答えは人の答えより約25%狭い範囲に固まる10。人の評価で調整した言語モデルが世論調査の設問で一つの選択肢に答えを集中させ、属性を指示しても解消しないことは2023年の研究でも報告されており11、著者らは本人の履歴を与えることでこの偏りを和らげたと述べている。和らいでも、消えたわけではない。
設問を変えた結果も示されている。自社の先行きへの楽観度では、係数0.604、R²0.240と経済全体の楽観度に近い精度が出た。一方、自社の今後12か月の売上成長率見込み(%)では、係数0.451、R²0.071と関係が弱く、続けて回答した人に絞ると係数0.255で有意でなくなった12。気分を表す点数より、数字の見込みのほうがAIには当てにくい。FP&Aが本当に欲しいのは後者であることが多いので、この差は見落とせない。
結果が成り立つ範囲と、著者が認める限界
精度は時期によっても大きく揺れた。四半期ごとに測ったR²は中央値が0.21で、最も良い期は0.92、コロナ禍直前の2020年1〜3月期は0.11だった。履歴のない初回の回答者では、AIの値がごく狭い範囲に集まった13。四半期ごとの平均に集計すると、LLMの平均はCFOの平均をR²約0.72で説明し、消費者信頼感指数や専門家のGDP成長率予測を加えても、それらの指標は有意でなかった14。
過去のデータで「当たった」と言うとき、AIが答えを覚えていただけではないかという疑いは避けられない(この論点は生成AIの
限界として著者らが挙げるのは、CFOが持つ非公開の情報(受注の状況、社内のコスト圧力、取締役会での方針の変化)を公開情報と回答履歴だけのモデルは再現できないこと、初めての回答者では精度が低いこと、学習データに含まれる過去の規則性が構造変化の局面では崩れうることだ。そのうえで、AIは調査を補完するもので置き換えるものではないと書いている16。モデルを入れ替えた確認として、公開されているGemma 4(ウェブ検索なし)で同じ作業をやり直し、係数0.572、R²0.263とほぼ同じ結果を得ている17。
対象は米国の上場企業のCFOで、設問は0〜100の点数である。日本企業、日本語の情報、選択肢式の調査での検証はない。米国の専門予測者調査(SPF)をAIで模擬した先行研究も、前期の予測の中央値を入力から外すと誤差が大きく増えると要旨で報告しており、何を与えるかが性能を決めるという点で方向は一致する18。また、論文は arXiv の掲載稿(査読状況は確認できていない)で、参照した9月の版には自社の楽観度・売上成長率の分析や入力を外す比較、別モデルでの再実行がある19。今後の改訂で数値が変わりうることも念頭に置きたい。
大手町プレップの考察:AIが写したのは「答 え方の癖」
以下は編集部の見方であり、論文が検証したものではない。
第一に、この研究の精度の源泉は、AIの経済分析力というより、本人の答え方の癖を引き継ぐ力にあると考えられる。履歴のない場合のR²が約0.1にとどまり、履歴を与えると3倍以上になったことは、そう読むのが自然だ。著者らも、目的は回答の予測であり、モデルが経営者と同じように推論しているとは主張しないと断っている20。社内でAIに「事業部長の見込み」を作らせる場合も、効くのは市場データより、その人の過去の見込みの記録だろう。
第二に、当てる対象を取り違えないことである。研究は「人が何と答えるか」を当てたのであって、「売上がどうなるか」を当てたのではない。人の見込みに偏りがあれば、それをよく再現するAIは偏りも再現する。売上そのものの予測には、予測精度を実績で測る別の検証が要る。
第三に、ばらつきが小さく出る性質は、計画のレンジを狭く見せる方向に働く。AIの値を並べてシナリオの幅を決めると、楽観と悲観の両端が実際より内側に寄る恐れがある(仮説)。AIにシナリオの前提を出させる場合も(AIでシナリオ分析の草案を作る)、両端の値は人が別に確かめる必要がある。
日本の実務への応用:手元に「履 歴」があるかで使い道が分かれる
日本で経営者の景況感といえば、日本銀行の短観がまず挙がる。四半期ごとの調査で、公表は4月初・7月初・10月初・12月央、回答期間は調査表の配付から公表日までの約1か月間である。業況は「良い」「さほど良くない」「悪い」の3択で聞き、「良い」の回答社数構成比から「悪い」の構成比を引いた業況判断DI(%ポイント)として集計される21。0〜100の点数を聞く米国の調査とは形式が違い、公表されるのは集計値である。
この違いから、使い道は二つに分かれると編集部は考える。外部の景況感を補う用途では、取引先や同業のCFO個人の回答履歴は手に入らない。研究では履歴のない回答者でR²が約0.1と低かったが、これは米国のCFO個人の0〜100の回答での数値であり、日本の景況感や業況DIをAIがどこまで当てるかは、この研究からは判断できない。だからこそ、短観の公表を待たずに「業界の空気」をAIで先取りする使い方には慎重であるべきだ。調べるなら、AIに業況DIそのものを推計させ、公表値と照合する検証から始めることになる。
社内の見込みでは事情が違う。ローリングフォーキャストを回している会社なら、事業部長ごとの過去の見込みが四半期単位で残っており、研究の条件(本人の履歴+公開情報)に近い。未回答の事業部の「仮置き」や、回答の前に用意する比較用の値として、AIの「影の見込み」を試す余地はある。ただし、社内の見込みの履歴や未公表の業績を社外のAIサービスに渡すことは機密管理の問題になる。研究でも、回答データは学習に使われない機関契約を通じて送信されていた。自社の利用条件の確認は生成AIに入れてよい情報・いけない情報を参照してほしい。
学習用の設例:AIの見込みを「前 回値」と比べて採否を決める
学習用の設例(架空)
- 甲社のFP&Aは、事業部長Aの「今後12か月の売上成長率見込み(%)」を四半期ごとに記録している(Q1〜Q12)
- Q2から、Aの過去の見込みと甲社の公開情報を与えたAIに「Aならどう答えるか」を出させ、「影の見込み」として記録した
- 比べる相手は「前回値」(前四半期のAの答えをそのまま使う素朴な予測)。評価はQ2〜Q12の11四半期
AIの値が役に立つかは、AIだけを眺めても分からない。研究が前回の答えを説明変数に入れて確かめたのと同じ考え方で、何もしなくても得られる前回値に勝てるかを見る。図2はAの答え・AIの値・前回値の推移、表2はその評価である。
平均絶対誤差はAIが0.73ポイント、前回値が1.27ポイントで、AIのほうが43%小さい。変化の方向も11回中8回合っている。一方、標準偏差の比は0.56で、AIの値はAの答えの約半分しか動かない。Q6やQ10のような山と谷で、AIは内側に寄っている。平均では良く見えても、研究が示した「散らばりが小さい」性質がここにも表れている、という読み方になる。
表は横にスクロールできます →
| 指標 | LLM | 前回値 | 読み方 |
|---|---|---|---|
| 平均絶対誤差(ポイント) | 0.73 | 1.27 | LLMが43%小さい |
| 平均の偏り(予測−回答、ポイント) | 0.00 | 0.00 | この11四半期では平均誤差はゼロ(条件別の偏りまでは示さない) |
| 相関の2乗(R²) | 0.70 | 0.31 | 回答水準との線形関係はLLMの方が強い |
| 標準偏差の比(予測÷回答) | 0.56 | 1.00 | LLMは回答の約半分しか動かない |
| 変化の方向が合った四半期 | 8/11 | — | 73% |
| 大きく動いた3四半期の平均絶対誤差 | 0.83 | 2.00 | Q5・Q9・Q11(前回から2ポイント以上) |
表2の注に置いた仮のルールでは、誤差と方向は基準を満たすが、ばらつきの比が基準に届かない。この場合の扱いは、AIの値をAの見込みの代わりに計画へ入れるのではなく、Aに聞く前の比較用の値として記録を続ける、となる。11四半期では偶然を排除できないので、判断を急がないことも設例の前提である。
AIに見通しを答えさせる前の確認項目
研究の結果と設例を、手順に落とすと次のようになる。期数や比率の基準値は編集部の目安で、研究が定めたものではない。
- 予測の対象を一文で書く。「事業部長の見込み」か「実際の売上」か。前者なら評価の正解は本人の答え、後者なら実績である。混ぜて評価しない。
- 本人の過去の見込みが何期分あるかを数える。研究では履歴が4個以上でR²が0.494、なしでは0.100だった。履歴の乏しい人・部署の値は参考扱いにする。
- 情報の締切日を決め、AIに渡す資料をその日付より前のものに限る。予測を出した日付・モデルの名称・指示文を記録し、後から同じ条件で再現できない可能性を前提にする。
- 前回値という素朴な基準と比べる。平均絶対誤差が前回値より小さいかを、最低でも1年分(4四半期)以上記録してから判断する。
- 標準偏差の比(AIの値÷人の答え)を計算する。目安として0.8を下回るなら、AIの値でシナリオの幅を決めない。
- 大きく動いた期だけの誤差を別に見る。平均の誤差が小さくても、転換点を外していれば見通し会議では役に立たない。
- 社外のAIサービスに社内の見込みの履歴を送ってよいかを、契約と社内規程で確認する。
確かめた結果を計画の根拠として残すなら、AIの出力の検証手順を定めた生成AI出力の検証手順と同じく、誰がいつ何と照合したかを書き残しておくと、後の監査や引き継ぎに耐える。
よくある質問
AIに企業情報を詳しく調べさせれば、履歴がなくても精度は上がりますか。
この研究では、企業プロフィールやウェブ検索だけを与えた場合のR²は0.095前後にとどまりました。調べさせる情報の量より、本人の過去の回答の有無が精度を大きく左右しています。米国の上場企業のCFOでの結果であり、日本企業で同じかは確かめられていません。
AIの値を売上予測の数字として使ってよいですか。
研究では、売上成長率の見込みについての関係は楽観度より弱く、条件によっては有意でありませんでした。また、研究が当てたのは本人の
まとめ
米国のCFO調査の回答6,075件を使った研究は、LLMに特定企業のCFOを演じさせた答えが本人の景況感をある程度予測できることを示した。ただし精度の大半は本人の過去の回答を与えたことから生まれ、この研究では履歴がなければR²は約0.1にとどまった。AIの答えは人より狭く散らばり、売上成長率の見込みでは関係が弱い。FP&Aが使うなら、当てる対象を明確にし、前回値と比べ、ばらつきの比を確かめてから、比較用の値として扱うのが妥当な出発点である。
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脚注
- R1(arXiv v2, 2026年9月)p.2(序論)・p.9(I.A(iv))。設問は「Rate your optimism about the overall U.S. economy on a scale from 0–100」。CFOの期待が投資・雇用・GDPと関係するという点は、論文が序論(p.2)で紹介する先行研究(Gennaioli et al. 2016 ほか)による。本記事のページは PDF の物理ページ(印刷ページ番号+1。以下同じ)。↩
- R1 p.6〜9(I.A)、付録B・C(p.35〜37)。企業プロフィールは役職・社名・業種・売上高・従業員数・海外売上比率・本社所在地・格付等、本人の履歴は直前12四半期内の回答(最大12個)・LLM自身の過去の予測・平均。モデルは Duke の AI Gateway(Azure 上の配備)経由で OpenAI の Responses API、モデル名 gpt-5.4、2026年4月21日開始の一連の実行(p.7)。↩
- R1 p.7 脚注4。名称(エイリアス)は呼び出し時点の提供元の本番版に解決され、固定した版ではないため、版番号ではなく名称と実行日を報告したと記載。↩
- R1 p.9〜10(I.B)・表A2(p.38)。LLM の出力は確率的で同じ入力でも呼び出しごとに答えが変わりうるという説明は p.9。3回の生成どうしの相関0.957〜0.959、同じ入力での標準偏差の平均2.22点、3回平均の信頼性0.985。↩
- R1 p.13(II.A)。回答は通常1社1人のため、企業の固定効果は回答者本人の長期平均を差し引くことに近く、係数は同じ人の時点間の変動から推定されると説明。↩
- R1 p.13・表2 パネルA列(1)(p.15)。係数0.565(t値17.98)、R²0.269、回答6,075件。標準誤差は企業と年四半期の2方向でクラスター。「約73%」は1−0.269からの大手町プレップの計算。↩
- R1 p.13〜15・表2 パネルA列(4)〜(8)。両固定効果で係数0.276(t値6.67)、R²0.494(固定効果の説明力を含む)。直前の回に回答した1,980件(固定効果つきは1,818件)で前回の答えを加えると係数0.521〜0.286、最も厳しい列(8)は0.286(t値2.33)、前回の答えは0.171(t値1.84)。↩
- R1 p.14〜16(II.B)・表2 パネルB(p.15)。履歴なし2,237件・1〜3個2,236件・3個超1,602件で R²0.100・0.334・0.494。企業プロフィールが10項目未満3,102件・10〜12項目2,973件で R²0.214・0.317。本文の「4個以上」は論文の「3個超」。↩
- R1 p.16(II.B)・表2 パネルC(p.15)。固定効果なしの回帰で、プロフィールのみ0.095、ウェブ検索のみ0.094、両方0.095、履歴のみ0.325、履歴+プロフィール0.374、全部0.395(標本は列により3,609〜3,842件。p.16 の本文は標本を固定した比較と説明し、表2の注は N の差を列ごとの欠損によると記載)。↩
- R1 p.10〜11(I.D)・表1(p.12)。個人レベルの平均 LLM 56.57・CFO 60.13、標準偏差16.19・17.62。四半期内の標準偏差の平均 LLM 12.31・CFO 16.53、比の平均0.75(中央値0.74)。「約25%狭い」は論文の表現(under-disperses by roughly 25%)。↩
- R2(arXiv v1, 2023年3月)p.1(要旨)・p.3(1節)・p.9〜10(4.1節)。米国の世論調査を基にした設問で、人の評価で調整したモデル(text-davinci-003)は多くの設問で一つの選択肢に0.99超の確率を置き、属性を指示して誘導しても代表性の問題は解消しなかった。R1 も p.3・p.11 でこの研究を引用。↩
- R1 p.15〜17(II.C)・表3(p.18)。自社の楽観度:係数0.604(t値25.65)、R²0.240(6,038件)、過去の回答を加えても過去の回答は有意でない。売上成長率見込み(今後12か月、%):係数0.451(t値3.72)、R²0.071(3,045件)、両固定効果0.219(t値1.71)、直前の回に回答した人に絞った列(5)は0.255(t値1.09)で有意でない。↩
- R1 p.19(II.D)・図1(p.20)。93四半期それぞれの R² の中央値は約0.21、最高は2022年4〜6月期の0.92、2020年1〜3月期は0.11。履歴のない初回回答者の LLM の値は狭い帯に集中。↩
- R1 p.19・p.21(II.E)・表4(p.21)。四半期平均(93四半期、Newey-West 標準誤差)。LLM 平均の係数0.574〜0.586、R²0.715〜0.717。ミシガン大学消費者信頼感指数と SPF の実質GDP成長率予測だけでは R²0.316、LLM を加えると両指標は有意でない。↩
- R1 p.6〜8(序論・I.A(i))・p.24(III)。個々の回答は公表されず、Duke と OpenAI の機関契約で学習から除外されると説明(p.6〜7)。2020年1〜3月期は締切日を2020年2月14日とし、ウェブ検索を有効にしても楽観度の低下は見られなかった(p.8、論文自身が「1四半期のみ」と留保)。間接的な混入は完全には排除できず、将来の調査回での生の検証を予定(p.24)。↩
- R1 p.23〜24(III「Limitations and caveats」)。↩
- R1 付録F(p.39〜40)・表A4(p.41)。Gemma 4(gemma-4-31B、ローカル実行、ウェブ検索なし)。基本の係数0.572・R²0.263(GPT-5.4では0.565・0.269)、最も厳しい列は0.282(同0.286)。参照した v2 に収録された分析。↩
- R3 の要旨(共著者 J. J. Horton の論文ページ掲載の Summary、2024年12月更新の表示。2026年10月23日確認)。SPF 参加者の特性・リアルタイムのマクロデータ・前期の SPF 中央値を与えて1999〜2023年の23変数を予測させ、予測者の特性を外すと精度はやや悪化し、リアルタイムのデータと、とくに前期の中央値を外すと誤差が大きく増えたと報告。本文は未確認(要旨のみ。SSRN 版は取得していない)。R1 は p.3・p.5 でこの研究を最も近い先行研究として紹介。↩
- R1 の arXiv 掲載ページ(https://arxiv.org/abs/2606.13812、2026年10月23日確認)の Submission history(v1:2026年6月11日、v2:2026年9月21日)。v2 の表紙の版表示は September 8, 2026。↩
- R1 p.2(序論)。著者らは、条件づけが適切なら LLM が将来、経営者の「デジタルツイン」として高頻度の期待データを提供しうると述べている(p.1 要旨、p.25)。精度の上限はモデルの能力より条件づけ情報の質と量で決まるという解釈は p.21〜22。↩
- R4(日本銀行調査統計局「短観(全国企業短期経済観測調査)」の解説, 2026年4月)。作成周期・公表時期は解説ページの概要欄、回答期間は解説 PDF 第2章1(p.11)、業況の選択肢は第2章2(1)(p.11)、DI の算式は第3章1(p.19)。↩
参考文献(2 026年10月確認)
- R1 Graham, J. R., C. R. Harvey and M. Jha (2026), “CFOs Meet LLMs,” arXiv 2606.13812 [q-fin.CP]. DOI: 10.48550/arXiv.2606.13812. 参照した版:arXiv v2(2026年9月21日掲載、表紙の版表示 2026年9月8日)。初版 v1 は2026年6月11日掲載(arXiv の掲載履歴)。査読状況は未確認。 arxiv.org (参照箇所:本文 I〜IV 節、表1〜4、図1、付録A〜F(表A2・A4)(PDF p.1〜41)。脚注1〜10・12〜17・19・20の根拠。閲覧日:2026年10月)
- R2 Santurkar, S., E. Durmus, F. Ladhak, C. Lee, P. Liang and T. Hashimoto (2023), “Whose Opinions Do Language Models Reflect?,” arXiv 2303.17548. DOI: 10.48550/arXiv.2303.17548. 参照した版:arXiv v1(2023年3月30日)。 arxiv.org (参照箇所:要旨・1節・4.1節(PDF p.1〜3、p.9〜10)。脚注11の根拠。閲覧日:2026年10月)
- R3 Hansen, A. L., J. J. Horton, S. Kazinnik, D. Puzzello and A. Zarifhonarvar, “Simulating the Survey of Professional Forecasters,” Working Paper, SSRN 5066286. 参照した版:共著者 J. J. Horton の論文ページ掲載の要旨(2024年12月更新の表示、2026年10月23日確認)。本文は未確認。査読状況は未確認。 john-joseph-horton.com (参照箇所:要旨。脚注18の根拠。閲覧日:2026年10月)
- R4 日本銀行調査統計局「『短観(全国企業短期経済観測調査)』の解説」(2026年4月) boj.or.jp (参照箇所:概要欄(作成周期・公表時期)、解説 PDF 第2章1・2(1)(p.11)、第3章1(p.19)。脚注21の根拠。閲覧日:2026年10月)
※本記事は教育目的の一般的な解説であり、投資助言・法務・税務の助言ではありません。研究結果は各論文の対象・期間・方法の範囲で得られたもので、日本の個別企業・案件にそのまま当てはまるとは限りません。設例は学習用の架空の数値です。アイキャッチ画像は生成AIによるイメージです。