概要
Antin Infrastructure Partnersは2007年にパリで設立された独立系インフラ投資運用会社で、2021年9月にユーロネクスト・パリへ上場した(ティッカー:ANTIN)。2024年12月には旗艦ファンドFlagship Fund Vを目標の100億ユーロを上回る102億ユーロで最終クローズし、2025年末時点の総AUMは338億ユーロ(フィーペイングAUM 220億ユーロ)に達している。投資対象はエネルギー・環境、デジタル、運輸、社会インフラの4セクターで、欧州(フランス・イタリア・英国・オランダ等)を中心としつつ、NextGen戦略を通じ米国のスマートグリッド事業(PearlX、Sapphire Gas Solutions等)にも投資を広げている。大手町プレップの公開情報ベースの分析では、Idex(地域熱供給、フランス)やNorthC・Pulsant(データセンター、欧州)のように大手企業からのカーブアウト案件を軸にプラットフォームを構築し、コントロール株式取得によるバリューアップを図る投資スタイルが特徴的である。また上場運用会社として四半期ごとにAUMや投資活動を開示しており、非上場の同業他社と比べて情報透明性が高い点も、本データベースの情報収集を通じて確認された特徴と言える(同分析部分)。
投資戦略・重点領域
投資戦略
インフラ(バリューアッド型) バイアウト(コントロール投資) コーポレートカーブアウト ミッドキャップインフラ デジタルインフラ/NextGen(新興インフラテーマ)
重点業種
エネルギー・環境 デジタルインフラ 運輸 社会インフラ
基本情報
- 正式英語名
- Antin Infrastructure Partners
- 本拠地
- パリ、フランス(2021年9月24日にユーロネクスト・パリ(コンパートメントA)へ上場、ティッカー:ANTIN)
- 設立
- 2007年(創業者:Alain Rauscher、Mark Crosbie)
- 活動地域
- EMEA / APAC / US
- 出自/系列
- 公式沿革ページによれば、Antinは2007年にAlain RauscherとMark Crosbieにより、欧州インフラへのバリューアッド型投資戦略を掲げて設立された独立系運用会社である。現在はパリ本社に加え、ロンドン・ニューヨーク・シンガポール・ソウル・ルクセンブルクにオフィスを構え、240名超・30カ国以上の国籍のプロフェッショナルを擁する。2021年9月にユーロネクスト・パリへ上場し、2021年のパリ市場最大規模のIPOとなった。日本国内に拠点は確認できず、本調査で確認できた一次情報の範囲では日本企業への直接投資事例も見当たらない。ソウル・シンガポールのオフィスを通じたAPAC展開はうかがえるが、日本特化の活動有無は要確認(本データベースにおける調査時点で「非開示・未確認」として扱う)。
- 状態
- 運用中(上場資産運用会社として存続、ユーロネクスト・パリに上場)
- 投資方針
- マジョリティ(コントロール投資中心)。Idex、Eurofiber、SNRG等いずれも過半数株式を取得し経営関与する案件が中心で、Eurofiberの事例では少数株主(PGGM)の受け入れ後もAntinが引き続き過半数株主の地位を維持している。
- 主な案件タイプ
- バイアウト(コントロール投資)、コーポレートカーブアウト、セカンダリー買収、ボルトオンM&A(バイ・アンド・ビルド)、マイノリティ株式のセカンダリー売却(一部Exit)
- 投資サイズ(Equity Check)
- 非開示(個別案件のエクイティチケットサイズは公表されていない)
- 対象企業EV
- 非開示(案件ごとの想定エンタープライズバリューは個別開示されていない)
- Fund Size
- Flagship Fund V:102億ユーロ(2024年12月18日最終クローズ、目標100億ユーロを上回る)
- AUM
- 総AUM 338億ユーロ、うちフィーペイングAUM 220億ユーロ(2025年12月末時点、2026年3月12日付決算発表)
- 主要ファンド
- Antin Infrastructure Fund III(36億ユーロ・2016年12月(最終クローズ))
- Antin Infrastructure Fund IV(65億ユーロ・2020年(ハードキャップで最終クローズ))
- Antin Mid Cap Fund I(22億ユーロ・2021年(ハードキャップで最終クローズ))
- Antin NextGen Infrastructure Fund I(12億ユーロ・2023年11月(最終クローズ))
- Antin Infrastructure Partners Flagship Fund V(102億ユーロ・2024年12月(最終クローズ))
- Antin Mid Cap Fund II(非開示(募集中)・2026年(募集開始、規模未確定))
掲載区分・注記:本データベースに掲載しているポートフォリオ企業は、公式プレスリリース・信頼できる報道等の一次情報で個別に確認できた代表的な投資案件(現在保有中の案件および主要なExit事例)を収録したものであり、Antinが運用する各ファンドが開示するポートフォリオ企業(2025年末時点で合算約35社)の全てを網羅するものではない。
投資先(ポートフォリオ)
| 投資先 | 国 | 業種 | 投資時期 | Exit時期 | 投資期間 | 状態 | 案件タイプ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| イデックス 地域熱供給・冷却ネットワーク(パリ・ラ・デファンス地区含む)および廃棄物発電施設の運営、エネルギーサービス契約 |
フランス | エネルギー・環境(地域熱供給・廃棄物発電) | 2018-08-08 | — | 7年11ヶ月(継続中) | 投資中 | コーポレートカーブアウト(Cube Infrastructure Managersからの取得) |
| ノースC・データセンターズ オランダ・ドイツ・スイスでエンタープライズ向けコロケーションデータセンターを25拠点、140MW超の容量で運営 |
オランダ(ドイツ・スイスにも展開) | デジタルインフラ(データセンター) | 2026-03-20 | — | 4ヶ月(継続中) | 投資中 | コーポレートカーブアウト(DWSおよび少数株主からの取得) |
| パルサント 英国内10拠点でコロケーション・クラウド・ネットワークサービスを提供するデータセンター事業者 |
英国 | デジタルインフラ(データセンター) | 2021-07-27 | — | 5年(継続中) | 投資中 | セカンダリー買収(Oak Hill CapitalおよびScottish Equity Partnersからの取得) |
| サファイア・ガス・ソリューションズ 米国30州で公益・商業・工業・再生可能天然ガス顧客向けに低炭素の圧縮天然ガス(CNG)・液化天然ガス(LNG)ソリューションを提供 |
米国 | エネルギー・環境(CNG/LNGソリューション) | 2026-04-01 | — | 3ヶ月(継続中) | 投資中 | コーポレートカーブアウト(Apollo Fundsからの取得) |
| パールエックス カリフォルニア州・テキサス州等の集合住宅向けに太陽光・蓄電池・コミュニティ電化システムを展開するスマートグリッド事業者 |
米国 | エネルギー・環境(スマートグリッド/分散型エネルギー) | 2023-02-16 | — | 3年5ヶ月(継続中) | 投資中 | グロース投資(NextGen戦略、北米第1号案件) |
| エスエヌアールジー スマートグリッドの開発・運営を手掛ける英国企業 |
英国 | エネルギー・環境(スマートグリッド) | 2022-04 | — | 4年3ヶ月(継続中) | 投資中 | コーポレートカーブアウト(Centricaからの取得、Centricaも一部株式を継続保有) |
| ユーロファイバー オランダ・ベルギー・フランス・ドイツで光ファイバー網とデータセンターを運営する通信インフラ事業者 |
オランダ(ベルギー・フランス・ドイツにも展開) | デジタルインフラ(光ファイバー網) | 2015-05 | 非開示 | 11年2ヶ月(継続中) | 一部Exit | マイノリティ株式のセカンダリー売却 |
| ベランブラ フランス国内のホリデークラブ・保養施設運営 |
フランス | 社会インフラ(レジャー・観光施設) | 2026年前半(2026年2月13日に独占交渉開始を公表、EU競争当局の審査クリア後クロージング。正確なクロージング日は一次情報で確認できず) | — | 1ヶ月(継続中) | 投資中 | バイアウト(Caravelleからの取得、Bpifranceも共同出資と報道) |
| グランディ・スタツィオーニ・リテール イタリア主要14駅の商業スペース・広告事業運営 |
イタリア | 社会インフラ(商業施設・鉄道駅リテール) | 2016 | 2024(プレスリリース時点ではQ4完了予定) | 8年 | Exit済 | 戦略的売却(インフラ投資家コンソーシアムへの売却) |
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