想定読者:長期の財務モデルで売上成長率と設備投資を置く、投資銀行・FAS(財務アドバイザリー)・PE(プライベート・エクイティ)・経営企画の担当者
前提知識:損益計算書・貸借対照表・減価償却の基本と、FCF(フリーキャッシュフロー。事業が生む自由に使える現金)の考え方。DCF(将来のキャッシュフローの現在価値で企業を評価する方法)の詳細は不要です。

結論:段階を判定し、成長率から設備投資を導くと、終端期までの前提がそろう

長期のモデルで売上成長率を年5%、設備投資(Capex)の売上高比を過去平均のまま10年引くと、成長期の高い投資がいつ維持の水準まで下がるのか、最終年の前提と矛盾しないのかを説明できません。業界ライフサイクル(業界が段階を進むという見方。5段階は後述)で段階を決め、成長率を段階ごとに置き、設備投資を成長率から導くと、数字で答えられます。

学習用の架空事例のD社(物流倉庫向けの自動搬送装置メーカー。基準年の売上高5,000百万円)では、FCFは成長期に28〜36百万円とほとんど残らず、淘汰期に190〜217、成熟期に330〜361へ増えます。終端期に成長率2%を置きながらCapexを減価償却費と同額にすると、終端のFCFは15.0%、企業価値は10.9%過大になります。段階の移行を2年早く(または遅く)置くと、企業価値は-12.4%(+14.2%)動きます。数字はすべて本記事の仮定です。

段階判定の閾値は本記事の目安で、確立した基準ではありません(編集部の見解)。設備投資の式も簡便モデルで、実務では更新周期や大型投資の波が加わります。

5つの段階と、景気循環との違い

業界ライフサイクルは、業界が立ち上げ(launch)・成長(growth)・淘汰(shake-out)・成熟(maturity)・衰退(decline)の5段階を進むという見方です。Corporate Finance Institute(CFI)の解説では、成長期は市場の大きさと売上の傾きが特徴で新規参入が多く、淘汰期は急成長が鈍って勝者以外が破綻や合併で退きます。成熟期は売上が横ばいになって減少に転じることもあり、成長への積極投資が減るため利益率が安定してキャッシュフローが増え、集中度が高まります。衰退期はM&Aが成長の担い手になり、集中度がさらに高まります1。立ち上げ期は投資の中心が研究開発と販売で、売上高比の設備投資が意味を持ちにくいため(編集部の見解)、本記事は成長・淘汰・成熟の3段階を設例で扱い、立ち上げ期と衰退期は目安にとどめます。

景気循環は、景気の谷から山への拡張と山から谷への後退を繰り返す数年周期の振れです。内閣府経済社会総合研究所が景気動向指数の一致指数の採用系列を基に設定する景気基準日付では、第2循環から第16循環までの全循環は31か月から90か月でした2。ライフサイクルは同じ方向に進む構造的な変化で、景気の山で出荷額が前年比12%伸びても、それだけで成長期とは言えません。景気の山と谷をまたぐ期間の趨勢で判定し、循環による利益変動の正常化はサイクル業種のバリュエーションに委ねます。製品単位・月次の計画は製品ライフサイクルで売上・販促費・在庫を計画するを参照してください。

段階の判定:4つの指標と目安

段階は、観測できる4つの指標で判定します。図表1は、段階別の目安と、D社の業界(学習用の仮定)の直近3年の値です。目安の数値は本記事の置き方で、公的な基準ではありません。

図表1:業界の段階を判定する4指標の目安表と、D社の業界の直近3年(単位:%、社)
指標立ち上げ期成長期淘汰期成熟期衰退期D社の業界(直近3年)
出荷額の伸び率(名目・前年比)規模が小さく、振れが大きい年10%超が続く年3〜10%へ鈍化年0〜3%で安定マイナスが続く+17%→+16%→+15%(鈍化)
参入・退出(社数)参入が先行、退出はほぼなし参入が退出を大きく上回る退出が参入に並ぶ・上回るともに少なく、社数が安定退出が続き、社数が減る参入8→6→5社、退出1→3→5社
平均単価(品質固定の価格の前年比)高く、仕様がまちまち緩やかに下落下落が加速ほぼ横ばい横ばいか下落-1%→-2%→-4%
上位3社のシェア合計不安定低く、分散上昇に転じる高く、上昇が続くM&Aで一段と上昇30%→33%→37%
対象:D社の業界(学習用の架空事例)の基準年までの3年間。単位:出荷額・単価は前年比%、シェアは%、参入・退出は社。段階の特徴はR1を参考に編集部が整理した目安で、閾値は公的な基準ではありません。出所:学習用の仮定に基づき大手町プレップ作成。(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

出荷額は、総務省・経済産業省の経済構造実態調査(製造業事業所調査)の製造品出荷額で追えます。この調査は2022年から従来の工業統計調査を含み、分類ごとに製造品出荷額等を上位から積み上げて総額の9割に達するまでの事業所が対象なので、2021年以前の系列とつなぐ際は、調査設計の違いを原資料で確認します3。参入と退出は経済センサスの事業所数・企業数の推移で代理しますが、産業分類と業界の範囲は一致せず、事業所の増減は企業の参入・退出と同じではありません(編集部の見解)4。平均単価は、出荷額÷数量だと製品構成が混ざるため、日本銀行の企業物価指数のように品質を固定した品目別の価格指数を使います(該当する品目がある場合)5。集中度は、公正取引委員会の生産・出荷集中度調査が品目別の上位3〜10社の累積集中度を公表していますが、平成25年・26年調査が最後で、その後は実施されていません6。最近の集中度は、有価証券報告書や業界団体の統計から自分で計算します。

D社の業界を図表1で読むと、出荷額の伸びは年15〜17%で成長期の目安に合う一方、参入と退出が並び、単価の下落が加速し、上位3社のシェアが上がっており、この3指標は淘汰期の入口の目安に当たります。そこで1〜3年目を成長期の終盤、4〜6年目を淘汰期、7年目以降を成熟期と置きます。4指標がそろうことは少ないため、重く見た指標を書き残し、感応度(後述)で補います。

段階別の成長率と設備投資の置き方

段階が決まったら、段階ごとに売上成長率を置き、設備投資を成長率から導きます。Capex/売上高(設備投資比率)の元になるCapexは、現状の能力を保つ維持更新投資と、能力を増やす成長投資に分けます。分離の手法はCapex Normalizationの実務、償却スケジュールの実装はCapex・減価償却スケジュールの作り方が詳しいため、本記事は次の簡便モデルで置きます。

設備投資と成長率の関係(簡便モデル)
Capex = 維持更新投資(=減価償却費)+ 成長投資(=売上高の増加額 × 有形固定資産/売上高)
Capex ÷ 減価償却費 = 1 + 売上成長率 ÷ 償却率

入力値は、有形固定資産が売上高の30%、償却が前期末の有形固定資産の年10%、運転資本が売上高の20%、税率が30%です(学習用の仮定)。式から、Capexは成長率が高いほど減価償却費を上回り、成長率0%で一致し、マイナスなら下回ります。成長率3%なら1.3倍で、実績の倍率が1倍台前半まで下がってきたら成熟期に近づいた手がかりになります(編集部の見解)。

図表2:段階別の前提比較表(D社に置く値。単位:%、倍)
項目成長期淘汰期成熟期
売上成長率(年率)15%7%3%
営業利益率10%8%7%
Capex/売上高6.5%4.8%3.8%
減価償却費/売上高2.6%2.8%2.9%
Capex ÷ 減価償却費2.5倍1.7倍1.3倍
維持更新投資の割合(減価償却費÷Capex)40%59%77%
運転資本/売上高20%20%20%
ROIC16.1%12.0%10.1%
再投資率(成長率÷ROIC)93%58%30%
対象:D社(学習用の架空事例)。有形固定資産/売上高30%、償却率10%、運転資本/売上高20%、税率30%の簡便モデルによる理論値。ROIC=NOPAT÷期首の投下資本(有形固定資産+運転資本)。出所:学習用の仮定に基づき大手町プレップ作成。(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

図表2のとおり、Capex/売上高は成長期の6.5%から成熟期の3.8%へ下がり、維持更新投資の割合は40%から77%へ上がります。ROIC(投下資本利益率)は、NOPAT(税引後営業利益)を期首の投下資本(有形固定資産と運転資本の合計。運転資本は売上債権+棚卸資産-仕入債務)で割った率です。再投資率はNOPATのうち設備と運転資本の純増に回る割合で、投下資本/売上高が一定なら成長率÷ROICに等しく、成長期は9割超、成熟期は3割弱です。

水準感は法人企業統計調査で確認できます。令和3〜7年度の5年合計で、設備投資(ソフトウェアを含む)÷売上高は製造業3.7%、生産用機械3.6%、はん用機械3.9%で、はん用機械は単年で3.0〜4.5%動きました7。D社の成熟期の3.8%は近い水準ですが、業種平均は段階の異なる企業の合計で、ソフトウェアも含みます。

設例:D社の10年のFCFを追う

以下は学習用の架空事例です。D社は物流倉庫向けの自動搬送装置の業界に属し、基準年(0年目)の売上高は5,000百万円です。1〜3年目を成長期(成長率15%・営業利益率10%)、4〜6年目を淘汰期(7%・8%)、7〜10年目を成熟期(3%・7%)と置きます。淘汰期の利益率低下は、参入障壁は何年持つかを数字で考えるの考え方で根拠を置きます。単位は百万円で、各項目は百万円未満を四捨五入し、以降は表示値から計算します。1年目は次のとおりです。

1年目の計算(百万円)
売上高=5,000×1.15=5,750/NOPAT=5,750×10%×(1-30%)=402.5→403
減価償却費=5,000×30%×10%=150/成長投資=(5,750-5,000)×30%=225/Capex=150+225=375
運転資本の増加=(5,750-5,000)×20%=150/FCF=NOPAT+減価償却費-Capex-運転資本の増加=403+150-375-150=28

図表3のとおり、売上高は基準年の5,000から10年目の10,484へ約2.1倍になります。Capex/売上高は段階ごとに下がり、減価償却費/売上高は2.6%から2.9%へ緩やかに上がるため、2本の線の間隔は3.9・2.0・0.9ポイントと縮みます。成熟期の7年目以降は、Capexの4分の3超が維持更新投資です。

図表3:D社の売上高と設備投資比率の推移(1〜10年目) 成長期(1〜3年目) 淘汰期(4〜6年目) 成熟期(7〜10年目) 売上高(百万円) 0 5,000 10,000 5,750 1年目 6,613 2年目 7,605 3年目 8,137 4年目 8,707 5年目 9,316 6年目 9,595 7年目 9,883 8年目 10,179 9年目 10,484 10年目 設備投資比率と減価償却費比率(売上高に対する%) Capex/売上高(実線・丸) 減価償却費/売上高(破線・四角) 0% 2% 4% 6% 8% 6.5% 2.6% 4.8% 2.8% 3.8% 2.9% 1年目 2年目 3年目 4年目 5年目 6年目 7年目 8年目 9年目 10年目 線の間隔(Capex比率-減価償却費比率):成長期3.9ポイント→淘汰期2.0ポイント→成熟期0.9ポイント 間隔が縮み、Capex÷減価償却費が1.3倍前後になる時期が成熟期の入口です。
単位:売上高は百万円、比率は売上高に対する%。対象期間:D社(学習用の架空事例)の1〜10年目。出所:学習用の仮定に基づき大手町プレップ作成。(スマートフォンでは図を横にスクロールできます)
図表4:D社の10年のNOPAT・設備投資・FCFの推移(単位:百万円。比率は%)
項目1年目2年目3年目4年目5年目6年目7年目8年目9年目10年目
段階成長期淘汰期成熟期
売上高5,7506,6137,6058,1378,7079,3169,5959,88310,17910,484
NOPAT403463532456488522470484499514
減価償却費150173198228244261279288296305
Capex375432496388415444363374385397
運転資本の増加15017319810611412256585961
FCF283136190203217330340351361
ROIC(%)16.116.116.112.012.012.010.110.110.110.1
再投資率(%)93.193.393.258.358.458.429.829.829.729.8
対象:D社(学習用の架空事例)の1〜10年目。基準年(0年目)の売上高5,000。百万円未満を四捨五入し、以降は表示値から計算。ROIC=NOPAT÷期首の投下資本(前年売上高の50%)、再投資率=(Capex-減価償却費+運転資本の増加)÷NOPAT。出所:学習用の仮定に基づき大手町プレップ作成。(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

図表4のFCFは、成長期が28〜36とほとんど残りません。NOPATの93%前後を再投資に回すためです。淘汰期は、4年目に営業利益率を8%へ下げてNOPATが532から456へ減っても、成長投資と運転資本の増加が減るためFCFは190へ増えます。成熟期は330〜361で、再投資率は30%前後です。再投資率は成長率÷ROICと0.2ポイント以内で一致します(四捨五入による差)。

終端期:Capexを「減価償却費+成長に必要な分」で置く

10年目の先は、ターミナルバリュー(予測期間より先のキャッシュフローを1つにまとめた価値)で扱います。予測期間(FCFを年ごとに予測する年数)は、成長率・Capex・運転資本が安定する成熟期まで取ります。永久成長率の置き方はターミナルバリューの計算に委ね、ここでは成長率2%、WACC(加重平均資本コスト)8%と仮定して、Capexの置き方だけを見ます。

再投資率とFCF
再投資率 = (Capex - 減価償却費 + 運転資本の増加)÷ NOPAT = 成長率 ÷ ROIC
FCF = NOPAT × (1 - 再投資率)

11年目の売上高は10,484×1.02=10,694、NOPATは10,694×7%×(1-30%)=524です。ROICは524÷(10,484×50%)=10.0%で、再投資率は2.0%÷10.0%=20.0%、FCFは524×(1-20.0%)=419です。内訳は、成長投資が(10,694-10,484)×30%=63、運転資本の増加が(10,694-10,484)×20%=42で、524-63-42=419と一致します。Capexは、減価償却費315に成長投資63を足した378です。

ターミナルバリューは419÷(8%-2%)=6,983.3で、現在価値は6,983.3÷1.08の10乗=3,234.6です。1〜10年目のFCFの現在価値1,214.7と合わせた企業価値(EV)は4,449.3百万円で、その72.7%が終端の価値です。終端のCapexを減価償却費と同額の315にすると、FCFは524-42=482で15.0%多く、企業価値は4,935.7で10.9%過大になります。成長率2%なのに成長に必要な設備を増やさない矛盾が、価値を押し上げます。この簡便モデルでCapex=減価償却費と整合するのは、成長率0%の場合です。

段階の移行を2年誤ると、企業価値はどう動くか

段階の移行を2年早く、または遅く置いて確かめます。基準は成長期1〜3年目・淘汰期4〜6年目・成熟期7年目以降です。2年早い場合は成長期1年目のみ・淘汰期2〜4年目・成熟期5年目以降、2年遅い場合は成長期1〜5年目・淘汰期6〜8年目・成熟期9年目以降とし、他の前提は変えません。

企業価値は、2年早い場合3,895.8(基準比-12.4%)、基準4,449.3、2年遅い場合5,079.2(+14.2%)です。1〜10年目のFCF合計は順に2,107、2,087、1,879で、差は企業価値ほど大きくありません。2年早い場合は、10年目の売上高が8,412と基準の10,484より小さく、終端の価値も小さくなります。2年遅い場合は、FCFが28〜48の期間が5年続きますが、10年目の売上高が13,072まで増え、終端の価値が大きくなります。判定の誤りは、毎年のFCFより、終端期の事業の大きさを通じて企業価値に効きます。

この効き方は、ROICがWACCを上回る前提(設例は終端でも10.0%)に依存します。投資が資本コストと同じ率しか稼がなければ、成長は価値を増やさず、移行時期の違いの影響は小さくなります(編集部の理解)。ROICが資本コストへ下がる過程は経済的な堀とROICの減衰をDCFに組み込むで扱います。

成立条件と限界

  • 段階の内側で成長率を一定にし、境目で階段状に変えています。実際は内側でも逓減します(設計は多段階DCF成長モデル)。
  • 設備投資は式どおりにそろいません。先行投資や大型案件で比率は動きます(はん用機械は単年で3.0〜4.5%)。
  • 維持更新投資を減価償却費と同額にするのは簡便法です。取得原価ベースの減価償却費は、物価の上昇や技術の更新で実際の更新費用を下回ることがあります。

実務チェックリスト

  • 段階の判定に、4指標の直近3年以上の値を並べ、景気の山と谷をまたぐ期間の趨勢で見たか。
  • 統計の入手元を明記し、2021年以前と2022年以降の調査設計の違い(系列の接続)を原資料で確認したか。
  • 段階ごとに成長率と有形固定資産/売上高を置き、Capexを維持更新投資と成長投資に分け、Capex÷減価償却費の推移が段階と合っているか。
  • 最終年の再投資率が成長率÷ROICと一致し、成長率が0%超なのにCapex=減価償却費になっていないか。ROICが資本コストを上回り続ける前提なら、その期間と根拠を書いたか。
  • 段階の移行を前後2年動かして企業価値の振れを確認し、判定の閾値を業界の過去の系列で検証したか。
  • 業種平均は、年度・業種・ソフトウェアを含むかを明記し、桁の検算に使ったか。

よくある質問(FAQ)

業界は成熟期なのに、自社だけ年15%で成長している場合は、どの段階で置きますか。

設備投資の式は自社の成長率で動くため、自社の成長率を使います。ただし、業界の段階は外部環境、自社の成長はシェア拡大などの結果なので分けて書き、シェア増の根拠と、それを支える設備・人員の計画も確かめます。売上の分解は売上予測とドライバー設計が参考になります。

景気後退で出荷額が2年連続で落ちたら、衰退期に切り替えますか。

切り替えません。景気循環による落ち込みか、構造的な需要の減少かを分けます。参入・退出、単価、集中度が同じ方向に動くか、景気の谷の後に出荷額が前の山の水準へ戻るかを見て、戻らない状況が続くなら衰退期を疑います。衰退期は式の上でCapexが減価償却費を下回るため、撤退や設備売却は別に検討します。

まとめ

業界の段階は、出荷額の伸び・参入と退出・平均単価・集中度の4指標で判定し、段階ごとに成長率を置きます。設備投資は、減価償却費に成長に必要な分を足して導くと、成長期の高いCapexが成熟期に維持の水準へ下がる過程を説明できます。終端期は成長率とROICから再投資率を計算して整合させ、段階の移行を前後に動かして確かめてください。

脚注

  1. CFI「Industry Life Cycle」は、業界の寿命を launch・growth・shake-out・maturity・decline の5段階に分け、launch では投じた資本が初めは研究開発、少し後にマーケティングと販売へ向かうこと、growth は市場の大きさと売上の傾きが特徴で新規参入が多いこと、shake-out では急成長が鈍り勝者以外が破綻や合併で退くこと、maturity では売上が横ばいになり減少に転じることもあり、成長への積極投資が減るため利益率が安定してキャッシュフローが増え、集中度が高まること、decline では売上が減り、M&Aが成長の担い手となって集中度がさらに高まることを説明している。一般的な概念の参考であり、日本の統計・制度や本記事の数値前提の根拠ではない(参考文献 R1)。↩
  2. 内閣府経済社会総合研究所「景気基準日付」に、景気基準日付(山・谷)は CI一致指数の各採用系列から作られるヒストリカルDIに基づき、景気動向指数研究会での議論を踏まえて経済社会総合研究所長が設定する旨と、循環ごとの谷・山・谷の日付および拡張・後退・全循環の月数の表がある。第2循環(37か月)から第16循環(90か月)までの全循環のうち最短は第8循環の31か月、最長は第16循環の90か月(谷2012年11月・山2018年10月・谷2020年5月)である(参考文献 R2)。↩
  3. 総務省統計局「経済構造実態調査の概要」に、2022年調査から、これまで実施してきた工業統計調査を「経済構造実態調査」の一部(製造業事業所調査)として実施すること、製造業事業所調査の対象は分類ごとに売上高(製造品出荷額等)を上位から累積して総額の9割を達成する範囲に含まれる事業所であること、調査事項に製造品出荷額と有形固定資産が含まれること、毎年(経済センサス-活動調査の実施年を除く)実施することが記載されている(参考文献 R3)。↩
  4. 総務省統計局「経済センサス」のページに、経済センサスが事業所及び企業の経済活動の状態を明らかにする統計であり、「基礎調査」と「活動調査」から成ることが記載されている(参考文献 R4)。経済センサス-活動調査が5年ごとに産業横断的に経済構造を把握することは R3 に記載がある(参考文献 R3)。↩
  5. 日本銀行「企業物価指数(2020年基準)の概要」に、国内企業物価指数は国内で生産した国内需要家向けの財を対象に原則として生産者段階の出荷時点の価格を調査すること、純粋な価格変動分のみを反映させるため原則として品質(商品内容、取引先、取引条件、取引数量など)を固定し、実際に取引された価格を調査することが記載されている(参考文献 R5)。↩
  6. 公正取引委員会「統計データ(生産・出荷集中度調査)」に、調査結果を各社の市場占拠率から上位3・4・5・8・10社の累積集中度として公表していること、昭和50年以降のデータを掲載していること、平成25年・26年調査(平成28年5月27日公表)以降は実施していないことが記載されている(参考文献 R6)。↩
  7. 財務省「年次別法人企業統計調査(令和7年度)」の第8表「設備投資の推移」(p.10)の注に、設備投資=調査対象年度中の有形固定資産(土地を除く)増減額+ソフトウェア増減額+減価償却費+特別減価償却費とあり、表の数値はソフトウェアを含む。第1表「売上高の推移」(p.3)と合わせ、令和3〜7年度の製造業・生産用機械・はん用機械の設備投資と売上高から、5年合計の比率と、はん用機械の単年の比率を編集部が計算した(参考文献 R7)。↩

参考文献(2026年10月確認)

※本記事は教育目的の一般的な解説であり、法務・税務・投資助言ではありません。設例は理解のための学習用の架空事例であり、実在の企業・案件とは関係ありません。