想定読者:輸入部材を持つ製造業・商社の経理・調達・経営企画(予算と計画の管理)の担当者
前提知識:特に不要です。関税が輸入品の価格に対して課される税であることが分かれば足ります。

結論:EPA税率は「あること」と「使えること」を分けて見積もる

輸入先の国と協定があるので関税は下がるはずだ、と予算に入れたものの、品目ごとに調べると使えないものが混じっていた。この食い違いは、協定上の低い税率(以下「EPA税率」)が品目に設定されていることと、自社が輸入する貨物がその税率の対象になることを分けないまま見積もると起きます。税関は、協定の相手国から輸入する貨物でも「全ての貨物が一般の関税率よりも低い関税率(EPA税率)の適用を受けられる訳ではなく、各協定に定める原産品であることが必要です」と案内しています1。

本記事の結論は次のとおりです。①協定がその品目にEPA税率を設定している、②貨物が協定上の原産品である(原産地基準を満たす)、③原産品であることを示す証明を輸入申告で出せる、の3つがそろったとき、④課税価格×税率差が証明・管理のコストを上回る分が、純削減額になります。①と②の確認を抜いた見積もりは、削減額を過大に見せます。

以下の設例の税率・基準・費用はすべて学習用の仮定で、実在の協定や品目の値ではありません。記載は2026年10月時点で税関サイトに公表されている一般的な案内の範囲です。関税率が上がったときの営業利益への影響を価格転嫁率で試算する方法は関税影響分析(輸入コスト増を転嫁率ごとに試算するFP&Aの分析)に任せ、調達先を切り替える判断も扱いません。ここでは、現在の輸入先と品目のままEPA税率を使えるか、使えたらいくら減るかに絞ります。

EPA税率を使うための3つの条件

自由貿易地域は、複数の国が協定を結んで域内の関税や輸入割当などの障壁を下げる枠組みで、域外からの輸入には協定の便益が及ばない、というのが一般的な定義です2。日本の輸入通関では、この「域内のもの」かどうかを原産地規則で判定します。税関の案内では、原産地規則は貨物の原産地を決めるルールで、どのような貨物を原産品と認めるかの「原産地基準」と、輸入申告時の申告や事後の確認などの「原産地手続」からなります3。

手続の面では、EPA税率を適用するには貨物が適用するEPAの原産品でなければならず、原産品であることを示す原産地証明書などを原則として輸入申告の際に提出します。課税価格の総額が20万円以下の貨物では、この提出は不要とされています。協定締約国から日本へ直接運送されない場合は、通し船荷証券(B/L)などが必要です4。

輸入後に確認を受ける可能性もあります。税関の「事後確認」は、EPA税率で輸入申告された貨物が原産品かを輸入通関後に確認する手続で、原産品と確認できなければEPA税率の適用は否認されます5。予算に入れた削減額が後から取り消されうるので、判定の根拠は社内に残しておく必要があります。

原産地基準の3類型を品目別の判定表にする

税関の案内によれば、EPAの原産地基準は協定ごとに異なるものの、基本的には「完全生産品」(生産が1か国で完結している産品)、「原産材料のみから生産される産品」(締約国の原産材料だけから、その国で完全に生産される産品)、「実質的変更基準を満たす産品」が原産品とされます。第三国の材料(非原産材料)を使っても、最終産品が元の材料から大きく変化していれば原産品と認められ、その基準を実質的変更基準と呼びます。日本の多くの協定では、品目ごとに関税分類変更基準(材料と産品の関税分類番号が一定以上異なること)、付加価値基準(締約国で付加された価値が基準値以上であること)、加工工程基準(特定の加工工程が行われること)のいずれか、またはその組合せが使われています6。

この類型を、輸入する品目ごとに1行で判定する表にします。図表1は、X 社(産業用ポンプを製造する学習用の架空の部品メーカー)が B 国の製造元から輸入する3品目の判定表です。基準は学習用の仮定で、実在の協定の品目別規則ではありません。

図表1:X 社の品目別の原産地判定表(20X6年度の予算前提)(単位:税率は%)
品目実行関税率EPA税率原産地基準(仮定)判定根拠証明の方法
モーター部品3.0%0.0%関税分類変更基準○材料表で、非原産材料の分類が産品の分類と異なる第三者証明(原産地証明書)
鋼製ケーシング4.0%0.0%付加価値基準(40%以上)要確認付加価値42%。基準との差は2ポイントで余裕が小さい認定輸出者の自己証明
樹脂製シール3.9%1.3%加工工程基準(B国での成形)○製造元の工程記録で、成形が B 国内と確認輸入者の自己申告
対象期間:20X6年度。実行関税率は、EPA税率を使わない場合に適用される税率の仮定。判定の○は基準を満たす、要確認は材料表などの確認が未了。出所:学習用の仮定に基づき大手町プレップ作成。(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

図表1の読み方は2点です。第1に、3品目とも税率差はありますが、削減額を見込めるのは判定が○の品目だけです。第2に、証明の方法は協定ごとに異なります。税関は、輸入者・輸出者・生産者が原産品申告書を作成する自己申告制度、輸出国の発給当局に申請する第三者証明制度、認定を受けた輸出者が申告文を作成する認定輸出者自己証明制度の3つを挙げ、どれが使えるかは協定ごとに違うとしています。自己申告制度でも、日本での輸入申告時には原産品であることを明らかにする書類の提出が原則として必要です7。設例の協定は3方式を併用できるものと仮定しています。

鋼製ケーシングの「要確認」の中身を、付加価値基準の仮定の式で見ます。

付加価値割合(学習用の仮定の式)
付加価値割合=(工場出荷価額−非原産材料の価額)÷工場出荷価額 ≧ 40%

工場出荷価額を100とし、第三国産の鋼板などの非原産材料が58なら、(100−58)÷100=42%で基準の40%を2ポイント上回ります。鋼板の価格が上がって非原産材料が62になると、(100−62)÷100=38%で、基準を2ポイント下回り原産品と認められません(工場出荷価額を100に固定した簡略計算)。材料価格の変動で判定が変わりうるため、この品目は確認が済むまで「要確認」とします。

税率の比較:EPA税率が低いときだけ適用される

EPA税率が設定されていても、常にそれが使われるわけではありません。税関の「税率決定までの流れ」では、EPA税率が設定されている品目について、暫定税率・基本税率・協定税率(WTO協定に基づく税率)と比べる手順が示されています。たとえば暫定税率がなく、基本税率と協定税率がある品目では、その低い方の税率よりEPA税率が低ければEPA税率を適用し、EPA税率がその低い方の税率以上なら低い方の税率を適用します。一般特恵関税の対象品目や後発開発途上国(LDC)原産の貨物は別の比較になります8。この記事の「実行関税率」は、EPA税率を使わない場合に適用される税率を指す編集部の整理です。税率が同じなら証明の手間をかけてもEPA税率の便益はなく、税率差はゼロとして扱います。

実際の税率は、品目ごとに税関が公表する実行関税率表(2026年1月1日版が掲載されている)で確認します。同ページは、掲載の税率表を参考として利用するよう案内しており、不明点は各税関の税関相談官に問い合わせるとしています9。税率が段階的に下がる品目では、予算年度に適用される年次の税率を使います(年次の読み方は協定と実行関税率表で確認してください)。ここまでの判断の流れを、図表2にまとめます。

図表2:EPA税率を使えるかの判断フロー(4つの確認) ① 協定が品目にEPA税率を設定しているか ② 原産地基準(材料表・工程)を満たすか ③ 証明を取得し、輸入申告で提出できるか ④ 税率差×課税価格がコストを上回るか すべて「はい」:EPA税率を適用し純額を試算 はい はい はい はい 実行関税率のまま 削減額は 0 外れた段を品目表に 記録する いいえ いいえ いいえ いいえ
単位:金額は扱わない(判断の手順を示す図)。①〜③は税関の案内(脚注1・3〜5・8)に基づく確認項目、④は編集部が加えた経済性の確認。出所:税関の案内を基に大手町プレップ作成。(スマートフォンでは図を横にスクロールできます)

①〜③のどこで外れたかを品目表に残しておくと、次の予算で再確認すべき品目が分かります。④は経済性の確認です。税率差が小さい品目や輸入額が少ない品目では、証明や管理のコストが削減額を上回る場合があります。

削減額を「課税価格×税率差−コスト」で積み上げる

関税は、原則として輸入申告時の貨物の価格を課税標準とする従価税のものが多く、その価格を課税価格と呼びます。税関の案内では、課税価格は原則として、売買代金に相当する現実支払価格に、輸入港に到着するまでの運賃・保険料などを加えて計算します10。運賃・保険料まで含めた価格(CIF条件に近い考え方。編集部の整理)で見るため、取引条件の違いは貿易金融の基礎で扱うIncoterms(貿易条件)で確認してください。削減額の式は次のとおりです。

年間の純削減額(品目別)
純削減額=課税価格×(実行関税率−適用するEPA税率)−証明・管理コスト
※判定が×の品目は、削減額もコストも0として除く

税率差から証明・管理コストを引く形は、案によって金額が変わる部分だけを比べる差額原価・増分分析の考え方と同じです。図表3は、20X6年度の年間輸入(課税価格1,200百万円)について、3品目すべてでEPA税率を使えた場合(後述のケースC)を計算した表です。証明・管理コストは、証明の取得費用と材料表の収集など社内の管理工数を金額に換算した年額の仮定です。

図表3:品目別の年間削減額(3品目すべて適用できた場合)(単位:百万円。税率差はポイント)
品目課税価格税率差粗削減額証明・管理コスト純削減額採算ラインの課税価格
モーター部品5003.015.01.213.840.0
鋼製ケーシング4004.016.01.015.025.0
樹脂製シール3002.67.80.67.223.1
合計1,200-38.82.836.0-
対象期間:20X6年度。採算ラインの課税価格=証明・管理コスト÷税率差(小数第1位に四捨五入)。出所:学習用の仮定に基づき大手町プレップ作成。(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

モーター部品は500×(3.0%−0.0%)=15.0、これから証明・管理コスト1.2を引いて13.8です。鋼製ケーシングは400×4.0%=16.0で純額15.0、樹脂製シールは300×(3.9%−1.3%)=300×2.6%=7.8で純額7.2です。合計は粗削減額38.8から証明・管理コスト2.8を引いた36.0で、課税価格の合計1,200に対して3.0%です。採算ラインは、たとえばモーター部品なら1.2÷3.0%=40.0で、年間の課税価格が40.0百万円を下回るなら適用しても純額はマイナスになります。

3ケースで比べて、予算に入れる値を決める

図表1のとおり鋼製ケーシングは確認が済んでおらず、樹脂製シールのEPA税率は段階的に下がる途中の年次の値(1.3%)です。この2点が結果を動かすので、シナリオを3つ置き、結果を図表4に並べます。ケースAは全品目で適用でき、シールのEPA税率が引下げ完了後の0.0%になった場合、ケースBは鋼板の値上がりで付加価値が38%となりケーシングが基準未達の場合(実行関税率のまま、証明コストも発生しないと仮定。シールは20X6年度の1.3%)、ケースCは全品目で適用でき、シールが20X6年度の1.3%の場合です。

図表4:年間削減額の3ケース比較(単位:百万円)
項目ケースA:引下げ完了後ケースB:ケーシング未達ケースC:20X6年度の税率
粗削減額42.722.838.8
証明・管理コスト2.81.82.8
純削減額39.921.036.0
対象期間:20X6年度の年間輸入(課税価格1,200百万円)。ケースBはモーター部品とシールのみが適用。出所:学習用の仮定に基づき大手町プレップ作成。(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

差の中身は次のとおりです。ケースCとBの差15.0は、ケーシングの純削減額(16.0−1.0)です。ケースAとCの差3.9は、シールの税率差が2.6ポイントから3.9ポイントに広がる1.3ポイント分の300×1.3%です。判定が×のケーシングは、実行関税率との差があっても削減額が出ません。

予算に入れる値は、確認が済んだ品目だけを積み上げた額にします。20X6年度は、ケーシングの確認が終わるまでケースBの21.0を置き、材料表と証明の確認が済んだ時点でケースCの36.0へ更新します。ケースAは引下げ完了後の姿なので、20X6年度の予算ではなく、完了年次を含む中期計画で扱います。差額の15.0は予算の上振れ候補として別に管理するのが安全です(編集部の見解)。

削減額は資金と損益にどう表れるか

関税は輸入品の取得に要した費用なので、会計上は取得原価に含めて在庫に計上し、販売した時点で売上原価になる、という処理が一般的です(編集部の整理。会計基準の条文までは本記事では確認していません)。そのため、資金と損益の削減には時間差があります。在庫の動きは在庫の評価方法とCOGSで、回転の速さは棚卸資産回転率(年間に在庫が何回入れ替わるか)で確認できます。

ケースCで、輸入額の20%が期末在庫として残ると仮定します(学習用の仮定)。輸入時に納める関税は38.8減るので、資金流出の減少は輸入のタイミングで38.8です。一方、売上原価の減少は38.8×(1−20%)=31.04で、小数第1位に四捨五入して31.0、在庫に残る分は7.76で7.8です(31.0+7.8=38.8)。証明・管理コスト2.8は発生した期の費用と置くと(処理の判断は本記事の範囲外)、営業利益への効果は31.0−2.8=28.2になります。同じ「削減額」でも、資金繰りでは38.8、営業利益では28.2と読む必要があります。輸入時には関税のほか内国消費税と地方消費税も課されますが11、これは別の税で、本記事の削減額には含めていません。

よくある間違いと限界

1つ目は、EPA税率が低いことを、使えることと同一視する誤りです。原産地基準を満たしていない貨物は、証明書類を整えても原産品になりません。2つ目は、判定の根拠を残さないことです。事後確認で原産品と確認できなければ適用は否認されうるため(脚注5)、材料表と工程の記録を保管する必要があります。3つ目は、協定ごとの違いの見落としです。基準、証明の方法、直接運送の要件は協定ごとに異なります。

円建ての課税価格は、為替レートの前提で変わります。輸入額を予算レートで円換算している場合は、レートが動くと削減額も動くため、為替エクスポージャー管理(為替変動が資金と損益に与える影響を把握して管理すること)の前提と合わせて更新してください。また、本記事の試算は現在の輸入先を変えない前提です。EPA税率の有無を含めて仕入先を切り替える判断は、仕入先を1社に絞るか2社目を認定するかの領域です。

実務チェックリスト

  • 輸入品目を実行関税率表の品目番号で特定し、EPA税率が設定されているかを品目ごとに確認したか
  • EPA税率が、EPA税率を使わない場合の税率(基本税率・暫定税率・協定税率)より低いことを確認したか
  • 原産地基準の種類(関税分類変更・付加価値・加工工程)を品目ごとに調べ、材料表と工程記録で判定を○・×・要確認に分けたか
  • 付加価値基準の品目は、非原産材料の価格変動で基準との差が何ポイント残るかを確認したか
  • 証明の方法(第三者証明・認定輸出者・自己申告)と、輸入申告時に提出できる書類の一式を決めたか
  • 品目ごとに課税価格×税率差が証明・管理コストを上回るか、採算ラインで確認したか
  • 予算には確認済みの品目だけを入れ、確認待ちの品目の削減額を上振れ候補として別枠にしたか
  • 判定の根拠(材料表・工程記録・証明)を、事後確認に備えて保管しているか

よくある質問(FAQ)

輸入許可を受けた後でEPA税率を使えると気づいた場合、後から適用できますか。

税関のカスタムスアンサーは、原産地証明書等を原則として輸入申告の際に提出するとし、事後提出が認められる場合として、税関長が災害その他やむを得ない理由があると認めたとき、または輸入許可前引取りの承認を受けたときを挙げています12。輸入許可後に適用を求められるかどうかは、本記事では確認していません。個別の事情は税関相談官に確認してください。

輸出国の発給機関の証明書があれば、基準を満たさない品目でもEPA税率を使えますか。

使えません。EPA税率の適用には貨物が協定に基づく原産品であることが必要で、原産地証明書などはその事実を税関に示すための書類です13。基準を満たすかどうかの判定が先にあり、証明は判定の結果を示す手続です。

まとめ

EPA税率を使えるかは、EPA税率の設定、原産地基準、証明の3点で決まり、使えるものだけが課税価格×税率差−コストの純額で削減額になります。設例では、3品目すべてを適用できれば36.0百万円、鋼製ケーシングが基準未達なら21.0百万円、引下げ完了後なら39.9百万円でした。予算には確認済みの品目だけを入れ、確認待ちの品目は上振れ候補として管理します。資金面の削減は輸入時、損益面は販売時に表れる点にも注意してください。

脚注

  1. 税関「原産地規則のいろは」の「経済連携協定等の原産地規則」の冒頭に、「経済連携協定等を結んでいる相手国から輸入する貨物であっても、全ての貨物が一般の関税率よりも低い関税率(EPA税率)の適用を受けられる訳ではなく、各協定に定める原産品であることが必要です。」とある(参考文献 R2)。↩
  2. Corporate Finance Institute「Free Trade Area」の冒頭および「Free Trade Area vs. Customs Union vs. Single Market」の節に、自由貿易地域は関税や輸入割当などの貿易障壁を下げることを目的とし、域外からの輸入には協定の便益が及ばないという趣旨の説明がある。一般的な概念の参考であり、日本の原産地規則・税率・手続は同ページに書かれていない(参考文献 R1。訳・要約は編集部)。↩
  3. 税関「原産地規則のいろは」の「原産地規則とは」に、原産地規則は貨物の原産地を決めるためのルールで、どのような貨物が原産品と認められるかの基準を定めた「原産地基準」と、輸入申告時の申告や輸入国の税関による事後確認などを定めた「原産地手続」があると記載されている(参考文献 R2)。↩
  4. 税関カスタムスアンサー1524「経済連携協定(EPA)税率を適用する場合の輸入通関手続(原産地証明手続)について」に、EPA税率の適用には輸入貨物が適用するEPAの原産品であることが必要なこと、原産地証明書等は原則として輸入申告の際に提出すること、課税価格の総額が20万円以下の貨物では提出が必要ないこと、協定締約国から日本へ直接運送されない場合は通しB/L等が必要なことが記載されている(参考文献 R3)。↩
  5. 税関「原産地規則のいろは」の「事後確認」に、特恵税率で輸入申告された貨物について各協定や関税関係法令の規定に基づき輸入通関後に原産品かどうかを確認すること、確認できない場合は特恵税率の適用が否認されることが記載されている(参考文献 R2)。↩
  6. 税関「原産地規則のいろは」の「経済連携協定等の原産地規則」「1.原産地基準」に、基本的には完全生産品、原産材料のみから生産される産品、実質的変更基準を満たす産品が原産品とされること、実質的変更基準は品目ごとに異なり、多くの協定で関税分類変更基準・付加価値基準・加工工程基準のいずれかまたはその組合せが採用されていることが記載されている。同ページは、理解を容易にするため法令の用語と異なる用語や簡略化した説明を含むと注意書きしている(参考文献 R2)。↩
  7. 税関「原産地規則のいろは」の「2.原産地手続」の「証明制度」に、自己申告制度・第三者証明制度・認定輸出者自己証明制度の説明があり、どの方法が使えるかは協定ごとに異なること、自己申告制度では原産品申告書のほか原産品であることを明らかにする書類の提出も原則として必要なことが記載されている(参考文献 R2)。↩
  8. 税関「税率決定までの流れ」の「2.原産地ごとに適用される税率を決定する。」に、EPA税率が設定されている品目について、暫定税率・基本税率・協定税率とEPA税率の大小により適用する税率を決める流れが示されている。たとえば協定税率がEPA税率以下の場合は協定税率を、基本税率がEPA税率以下の場合は基本税率を適用する旨の記載があり、一般特恵対象品目およびLDC原産の貨物は別の流れが示されている(参考文献 R4)。↩
  9. 税関「実行関税率表(2026年1月1日版)」のページの注に、掲載している実行関税率表は参考としての利用であること、実際の輸入手続で不明な点は各税関の税関相談官へ問い合わせることが記載されている。ページには類ごとの税率表への入口が掲載されている(参考文献 R5)。↩
  10. 税関カスタムスアンサー1104「関税の課税標準」に、関税は原則として輸入申告時の貨物の価格または数量を課税標準として課されること、課税標準となる価格を課税価格と呼ぶことが記載されている(参考文献 R6)。同1403「原則的な課税価格の決定方法」に、現実に支払われた又は支払われるべき価格に、輸入港に到着するまでの運送に要する運賃、保険料その他運送に関する費用などの加算要素を加えて課税価格を計算する方法が記載されている(参考文献 R7)。↩
  11. 税関カスタムスアンサー1104「関税の課税標準」の冒頭に、貨物を輸入しようとするときには原則として関税、内国消費税および地方消費税が課税されることが記載されている(参考文献 R6)。輸入消費税の課税標準の計算や仕入税額控除は同ページでは確認しておらず、本記事では扱わない。↩
  12. 税関カスタムスアンサー1524に、原産地証明書等は原則として輸入申告の際に提出すること、税関長が災害その他やむを得ない理由があると認めた場合または輸入許可前引取り承認を受けた場合には事後提出が認められることが記載されている(参考文献 R3)。↩
  13. 税関カスタムスアンサー1524の冒頭に、EPA税率を適用するためには輸入される貨物が適用しようとするEPAの規定に基づく原産品でなければならないこと、輸入通関時に原産品であることを税関に示すために原産地証明書・原産地申告・原産品申告書のいずれかを用いることが記載されている(参考文献 R3)。↩

参考文献(2026年10月確認)

※本記事は教育目的の一般的な解説であり、法務・税務・投資助言ではありません。設例は理解のための学習用の架空事例であり、実在の企業・案件とは関係ありません。