想定読者:暗号資産と上場株式の両方で利益が出た(出そうな)顧客に、税引後の違いを説明するウェルスマネジメント・金融機関の担当者、自分の取引で試算したい個人投資家
前提知識:所得が増えるほど税率が上がる累進課税の基本。特に専門的な知識は不要です。

結論:同じ利益でも、税率の仕組みと損失の扱いが違うため手取りが変わる

「暗号資産で500万円、株式でも500万円の利益が出た。手取りは同じか」という質問は、顧客説明の場でよく出ます。同じではありません。以下は学習用の架空事例ですが、給与等の課税所得が400万円の人が令和8年分(2026年1〜12月)に500万円の利益を得ると、暗号資産(原則的な雑所得として総合課税)では税額158.4万円・手取り341.6万円、上場株式(申告分離課税)では税額101.6万円・手取り398.4万円で、税額の差は56.8万円です。

差の原因は2つです。1つ目は税率の形で、暗号資産の利益は他の所得と合算して累進税率、株式の譲渡益は他の所得と分けて一律20.315%で課税されます。2つ目は損失の扱いで、暗号資産の損失は通算できず、上場株式の譲渡損失は通算と3年間の繰越控除ができます。

暗号資産と株式は、価格変動や取引のされ方では似る一方、株式は発行企業の持分の一部を持つことであるのに対し、暗号資産は必ずしも持分ではないと整理されます1。法人が保有する暗号資産は期末評価(決算日の時価などで評価する会計処理)の対象で別の論点です(暗号資産(仮想通貨)の会計処理)。

時点は2026年10月、所得は令和8年分で、見直し中の制度は第6節で現行制度と分けて扱います。「暗号資産が不利」「株式が有利」と断じるのではなく、税負担が所得水準と損益の出方で変わることを数字で示します。

課税される場面・所得区分・取得価額:図表1で現行制度を並べる

暗号資産の利益が生じるのは、円に換えて売却したときだけではありません。商品の購入に使ったとき、別の暗号資産と交換したときも、保有分を譲渡したものとして、譲渡価額と譲渡原価の差額を所得に計算します2。

所得区分は原則として雑所得(その他雑所得)です。年間の収入金額が300万円を超える年は、帳簿書類の保存があれば原則として事業所得、なければ雑所得(業務に係る雑所得)になります3。本記事は原則的な雑所得を前提にし、区分が変わる場合は個別の判断が必要です。

利益の計算で差がつくのが譲渡原価です。暗号資産は種類ごとに、総平均法(年初の評価額と年中の取得価額の総額を総量で割る方法)か移動平均法(取得のたびに平均単価を計算し直す方法)で計算し、選択しない個人は総平均法です4。国税庁FAQの設例では、同じ取引でも両方式の譲渡原価が25,800円違うため、顧客の選択を先に確認します。

図表1:暗号資産と上場株式の課税ルール比較(2026年10月時点の現行制度・個人・課税口座)
項目暗号資産上場株式等
所得区分原則として雑所得(その他雑所得)。収入金額が年300万円超なら区分が変わる場合がある上場株式等に係る譲渡所得等として他と区分して計算
課税方式総合課税(他の所得と合算して税率表を適用)申告分離課税(他の所得と分けて計算)
税率(令和8年分)所得税5〜45%×1.021+住民税10%(合計の限界税率15.105〜55.945%)所得税15%×1.021+住民税5%=20.315%(一律)
損失の通算雑所得の損失は、給与所得など他の所得と通算できない上場株式等の譲渡損失は、確定申告で上場株式等の配当所得等と通算できる
損失の繰越翌年以後に繰り越す規定は参照資料に見当たらず、繰り越せないと読める(編集部の読み。第5節)通算後の損失を翌年以後3年間、確定申告で繰越控除できる
単位:%(税率)。対象時点:2026年10月の現行制度(令和8年分)。見直し中の事項は含めない。NISA口座内は対象外。出所:国税庁タックスアンサー No.1463・1474・2250・2260、国税庁FAQ、総務省「個人住民税」を基に大手町プレップ作成。(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

図表1のとおり、違いは所得区分・課税方式・税率・損失の通算と繰越に集約されます。次節で税率の違いを数式にします。

税率の違い:累進税率の総合課税と一律20.315%

総合課税では、給与などから所得控除(基礎控除や社会保険料控除など)を引いた課税所得に暗号資産の利益を足し、その合計に累進税率を適用します。税率は5%から45%の7段階で、速算表(課税所得×税率−控除額)で求められ、令和8年分は復興特別所得税(基準所得税額の2.1%)も加わります5。住民税の所得割は10%(市町村6%・都道府県4%)です6。

上場株式等の譲渡益は、他の所得と分けて所得税15%・住民税5%で課税され、復興特別所得税を加えると15%×1.021+5%=20.315%で、課税所得にかかわらず一律です7。配当にも同じ20.315%がありますが、配当は総合課税も選べる別の仕組みです(法人税と配当の二重課税)。

暗号資産の増分税額(課税所得T、暗号資産の利益G、単位:万円)
増分税額=(所得税(T+G)−所得税(T))×1.021+G×10%
所得税(課税所得)=課税所得×税率−控除額
速算表(税率・控除額):195以下 5%・0/195超330以下 10%・9.75/330超695以下 20%・42.75/695超900以下 23%・63.6/900超1,800以下 33%・153.6/1,800超4,000以下 40%・279.6/4,000超 45%・479.6
株式の税額=G×20.315%

増分税額は利益を加えた後の税額から加える前の税額を引いた金額、実効税率は増分税額÷利益です。利益が1万円増えたときの追加の税率が限界税率で、図表2は区分ごとの値です。

図表2:課税所得の区分ごとの限界税率(暗号資産)と株式の20.315% 合計限界税率(%)=所得税率×1.021+住民税10% 0 10 20 30 40 50 60 15.105% 〜195 所得税5% 20.21% 195〜330 所得税10% 30.42% 330〜695 所得税20% 33.483% 695〜900 所得税23% 43.693% 900〜1800 所得税33% 50.84% 1800〜4000 所得税40% 55.945% 4000超 所得税45% 株式の譲渡益 20.315%(一律) 330万円を超える帯から 暗号資産の限界税率は 株式の20.315%より高い 課税所得の区分(万円)。薄い色の2本は株式以下の帯
単位:%(縦軸)、万円(横軸の課税所得)。対象:令和8年分の所得。復興特別所得税2.1%を含み、所得税率に1.021を掛けた値に住民税10%を加えている。出所:国税庁タックスアンサー No.2260・No.1463、総務省「個人住民税」を基に大手町プレップ作成。(スマートフォンでは図を横にスクロールできます)

図表2のとおり、課税所得195万円以下の区分は15.105%、195万円超330万円以下は20.21%で、どちらも株式の20.315%以下です。330万円を超える区分から30.42%になり株式を上回ります。最高の55.945%は課税所得4,000万円超の部分だけにかかる税率で、利益全体にかかる税率ではありません。利益が区分をまたぐときは区分ごとに段階的に課税されるため、実効税率は図表3のように増分税額から求めます。

設例:4人の個人投資家で、同じ利益の手取りを検算する

以下は学習用の架空事例です。課税所得(所得控除後)がAさん100万円、Bさん400万円、Cさん800万円、Dさん2,000万円の4人が、令和8年分に同額の売却益を暗号資産X(雑所得)で得た場合と上場株式Y(課税口座)で得た場合を並べます。課税所得は固定し、税額控除・千円未満の端数処理・均等割・必要経費は考えません。

Bさん・利益500万円を電卓で追います。

  1. 利益を加える前の所得税:400×20%−42.75=37.25
  2. 利益を加えた後の課税所得は400+500=900。所得税:900×33%−153.6=143.4(900万円は33%の区分の下限で、23%の区分の式でも同額)
  3. 所得税の増分:143.4−37.25=106.15。復興特別所得税を含めて106.15×1.021=108.37915、0.1万円未満を四捨五入して108.4
  4. 住民税:500×10%=50.0
  5. 暗号資産の税額:108.4+50.0=158.4。手取りは500−158.4=341.6、実効税率は158.4÷500=31.7%
  6. 株式の税額:500×20.315%=101.575、四捨五入して101.6。手取りは500−101.6=398.4。税額の差は158.4−101.6=56.8
図表3:同じ利益を暗号資産と上場株式で得たときの税額・手取り(単位:万円。実効税率のみ%)
人(課税所得)利益暗号資産 税額暗号資産 手取り暗号資産 実効税率株式 税額株式 手取り税額の差(暗号資産−株式)
Aさん(課税所得100)10015.484.615.4%20.379.7-4.9
500123.8376.224.8%101.6398.4+22.2
Bさん(課税所得400)10030.469.630.4%20.379.7+10.1
500158.4341.631.7%101.6398.4+56.8
4,0001,893.92,106.147.3%812.63,187.4+1,081.3
Cさん(課税所得800)10033.566.533.5%20.379.7+13.2
500208.3291.741.7%101.6398.4+106.7
4,0001,992.82,007.249.8%812.63,187.4+1,180.2
Dさん(課税所得2,000)10050.849.250.8%20.379.7+30.5
500254.2245.850.8%101.6398.4+152.6
1,500762.6737.450.8%304.71,195.3+457.9
4,0002,135.71,864.353.4%812.63,187.4+1,323.1
令和8年分(学習用の仮定)。税額は0.1万円未満を四捨五入。手取り・実効税率・差は表示した税額から計算(実効税率は0.1%未満を四捨五入)。差が+なら暗号資産の税額が大きい。出所:学習用の仮定に基づき大手町プレップ作成。(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

図表3の読み取りは次のとおりです。Aさんは利益100万円だと合計200万円で195万円を少し超えるだけなので、暗号資産の税額15.4万円が株式の20.3万円より4.9万円小さくなります。利益500万円では合計600万円が330万円超の区分に入り、暗号資産の税額123.8万円が株式の101.6万円を22.2万円上回ります。同じ人でも利益の大きさで有利・不利が入れ替わります。

B・C・Dさんは、図表3のすべての利益額で暗号資産の税額が大きく、差は10.1万円(Bさん・利益100万円)から1,323.1万円(Dさん・利益4,000万円)まで広がります。Dさんの実効税率は利益100万円・500万円で50.8%(1,800万円超4,000万円以下の区分に収まるため)、利益4,000万円では4,000万円超の部分に45%がかかって53.4%です。株式は20.3%のままです。

損益が混在する年:通算できる株式と、通算できない暗号資産

利益と損失が同じ年に出ると、差はさらに開きます。雑所得の損失は給与所得など他の所得と通算できず、通算できる損失は不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の損失に限られます。申告分離課税の株式等の譲渡所得等についても、その損失は他の所得と通算できず、逆に他の所得の損失を株式等の譲渡所得等と通算することもできないとされています8。繰越しを認める規定は参照した国税庁資料に見当たらず、3年間繰り越せる純損失は損益通算後も控除しきれない損失を指すため、損益通算の対象外の雑所得の損失は繰り越せないと読めます(編集部の読み)。同じ年の暗号資産の売却益と売却損は、雑所得の金額の計算の中で合算されます(編集部の説明)。

上場株式は、残った譲渡損失を確定申告で上場株式等の配当所得等と通算でき、なお残る分は翌年以後3年間繰越控除できます。損失が出た年から連続した申告が必要で、NISA口座内の損失などは対象外です9。

課税所得800万円のCさん(学習用の架空事例)で、年間の純損益がどの場面でも+100万円になる4つの場面を置きます。

図表4:純損益が同じ+100でも、通算可否で税額が変わる(課税所得800のCさん・万円)
場面暗号資産の損益株式の損益年間の純損益税額純損益−税額損失の翌年以後
① 暗号資産の利益と株式の損失(現行)+300-200+100120.9-20.9株式の損失200は3年繰越可
② 暗号資産の損失と株式の利益(現行)-200+300+10060.9+39.1暗号資産の損失200は繰り越せないと読める(編集部の読み)
③ 株式だけ(利益と損失を通算)なし+300と-200の通算+10020.3+79.7損失は残らない
④ 暗号資産だけ(雑所得の中で合算)+300と-200の合算なし+10033.5+66.5損失は残らない
単位:万円。令和8年分(学習用の仮定)。税額は0.1万円未満を四捨五入。株式は課税口座で金融商品取引業者等を通じた取引と仮定。出所:学習用の仮定に基づき大手町プレップ作成。(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

①は、暗号資産の利益300万円に増分税額120.9万円がかかり、株式の損失200万円は通算されません。純損益+100万円に対し税額が上回り、純損益−税額は−20.9万円です。②は逆で、株式の利益300万円に300×20.315%=60.945、約60.9万円がかかり、暗号資産の損失200万円は通算されません。③は株式の中で通算するので税額は20.3万円、④は暗号資産の中で合算し増分税額は33.5万円です。同じ純損益でも税額は20.3万円から120.9万円まで広がります。

翌年以後の扱いも違います。①の株式の損失200万円は、翌年に株式で200万円の利益が出れば、申告をしていれば差し引け、税額は0です(使わなければ200×20.315%=40.63、約40.6万円)。②の暗号資産の損失200万円は、上記のとおり繰り越せないと読めるため、翌年に暗号資産で200万円の利益が出ると全額が課税対象になる計算です。課税所得800万円のままなら、所得税は(1,000×33%−153.6)−(800×23%−63.6)=56.0、1.021倍して57.176、住民税20.0を加えて77.176、約77.2万円です。

見直し中の制度:確認できた事項と未確認の事項を分ける

2026年10月時点で一次資料により確認できた事項は次のとおりです。令和8年度税制改正の大綱は、金融商品取引法等の改正を前提に、暗号資産取引業を行う者に特定暗号資産(金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産等)を譲渡等した場合の譲渡所得等を、他の所得と分離して20%(所得税15%、個人住民税5%)で課税し、損失の翌年以後3年内の繰越控除を可能とするとしています10。この内容を含む所得税法等の一部を改正する法律は令和8年3月31日に成立しています11。

適用時期について、大綱は金融商品取引法の改正法の施行日の属する年の翌年1月1日以後の譲渡等に適用するとしています(成立法の附則は未確認)。金融商品取引法等の改正法は令和8年7月15日に成立し、その法律案要綱では原則として公布の日から1年を超えない範囲で政令で定める日に施行するとされていますが、政令で定める施行日は2026年10月3日時点の本記事の確認範囲では確認できていません12。大綱の定めと要綱の施行規定がそのまま当てはまると仮定すれば、適用開始は2027年1月1日か2028年1月1日のどちらかです(編集部の推論で、確定した日付ではありません)。いずれの場合も、令和8年分の所得に新制度は適用されません。

確認していない事項もあります。特定暗号資産以外の暗号資産の取扱い(大綱には別の措置もあります)、新制度の20%に復興特別所得税等を加えた合計税率、令和9年以後の復興特別所得税1.1%と防衛特別所得税への切替え(国税庁タックスアンサー No.2260 に注記があります)の影響は計算していません。図表1〜4は令和8年分の現行制度での計算です。

顧客説明での使い方:前提をそろえ、手取りの差を2つに分ける

  1. 前提をそろえる。課税所得、年間の利益、損失の有無、株式の口座の種類、暗号資産の所得区分を確認します。
  2. 利益を税額に直す。暗号資産は増分税額、株式は利益×20.315%で計算し、手取りと実効税率を並べます。
  3. 手取りの差を「税率の違い」(図表3)と「損失の通算・繰越の違い」(図表4)に分けて伝えます。
  4. 見直し中の制度は第6節のように別枠で示します。
  5. 税務の最終判断は、税理士や所轄の税務署に確認するよう案内します。

顧客属性に応じた説明はウェルスマネジメントのコンプライアンス・適合性原則実務、暗号資産の相続・贈与は相続・贈与と資産運用が扱います。所得区分の違いで手取りが変わる構図は、ファンドの成功報酬(キャリー)や経営陣の株式報酬(MIP)の税務にもあり、未上場スタートアップへの投資の優遇はエンジェル税制という別制度です。

試算は課税所得を固定した単純化で、実際の税額は控除や端数処理で変わり、事業所得などになる場合は損益通算の扱いも変わりえます。

実務チェックリスト

  • 暗号資産の所得区分(収入金額が300万円を超えて区分が変わっていないか)を確認したか。
  • 譲渡原価の評価方法(総平均法か移動平均法か)を、顧客がどちらで選んでいるか確認したか。
  • 比較する株式が課税口座か、NISA口座かを確認したか。
  • 暗号資産の税額を、限界税率ではなく利益を加えた前後の税額の差(増分)で計算したか。
  • 同じ年の損益を、暗号資産どうし・株式どうしでどこまで通算できるかを分けて確認したか。
  • 見直し中の制度を、現行制度の試算に混ぜていないか。

よくある質問(FAQ)

暗号資産の利益が20万円以下なら、申告しなくてよいのですか。

給与を1か所から受け、その全部が源泉徴収の対象となる場合は、給与所得・退職所得以外の各種の所得金額の合計が20万円を超えると確定申告が必要とされています13。これは所得税の確定申告の要否で、住民税の申告の要否は別です。給与を2か所以上から受ける場合などは条件が異なります。申告が不要になることと、利益が非課税になることも別の話です。

暗号資産の含み益にも、年末に税金がかかりますか。

個人が保有しているだけの含み益は所得計算の対象外で、売却・交換・使用した時点で所得を計算します(編集部の説明)。法人の期末評価とは扱いが異なります。

まとめ

暗号資産の利益は原則として雑所得で総合課税、上場株式の譲渡益は申告分離課税の20.315%です。課税所得400万円の人が利益500万円を得ると、税額は暗号資産158.4万円、株式101.6万円で、差は56.8万円でした。課税所得が330万円以下の範囲では暗号資産の限界税率が株式以下の区分もあり、差は所得水準と利益の大きさで変わります。損失は、株式なら通算と3年間の繰越ができ、暗号資産は他の所得と通算できず繰り越せないとも読めるため、純損益が同じ+100万円でも税額は20.3万円から120.9万円まで開きました。見直し中の制度は現行制度と分けて説明します。

脚注

  1. Corporate Finance Institute「Cryptocurrency vs Stocks」の「Cryptocurrency vs Stocks – Similarities」と「Differences」の節に、暗号資産と株式は価格変動(ボラティリティ)や取引のされ方で似る一方、株式の購入は発行企業の持分の一部を取得することだが、暗号資産の購入は必ずしも持分の取得を意味しない、との整理がある。同ページは課税を扱っていない。一般的な概念の参考であり、日本の課税に関する記述の根拠ではない(参考文献 R1)。↩
  2. 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」(令和7年12月最終改訂)の1-1(p.5)、1-2(p.6)、1-3(p.7)。暗号資産を売却した場合、暗号資産で商品を購入した場合、暗号資産同士を交換した場合のいずれも、暗号資産の譲渡に係る所得金額(譲渡価額と譲渡原価の差額)を計算する必要があるとされ、1-1には、4,000,000円で4BTCを購入し、0.2BTCを210,000円で売却した場合の所得金額を210,000円−(4,000,000円÷4BTC)×0.2BTC=10,000円とする設例がある。国税庁「タックスアンサー No.1524」は、暗号資産を使用して利益が生じた場合の課税関係の詳細として、この資料を案内している(参考文献 R2、R3)。↩
  3. 同FAQの2-2(p.16)。暗号資産取引により生じた利益は原則として雑所得(その他雑所得)に区分され、その年の暗号資産取引に係る収入金額が300万円を超える場合は、帳簿書類の保存があれば原則として事業所得、保存がなければ原則として雑所得(業務に係る雑所得)に区分されるとされている(参考文献 R2)。↩
  4. 同FAQの2-4(p.18)と1-1の注1(p.5)。譲渡原価は暗号資産の種類ごとに総平均法または移動平均法のいずれかの評価方法で計算し、選択しない場合は個人では総平均法とされている。2-4の設例(年間の売却額5,295,000円・5BTC、購入額4,037,800円・6.5BTC)では、譲渡原価は総平均法で3,106,000円、移動平均法で3,080,200円とされている(参考文献 R2)。↩
  5. 国税庁「タックスアンサー No.2260 所得税の税率」(令和8年4月1日現在法令等)。分離課税に対するものなどを除き、所得税の税率は5%から45%の7段階で、課税される所得金額に対する所得税額は速算表(税率と控除額)で求められること、平成25年から令和19年までの各年分の確定申告では所得税と復興特別所得税(原則としてその年分の基準所得税額の2.1%)を併せて申告・納付することが記載されている。同ページには、令和9年1月1日以後に生ずる所得については復興特別所得税の税率が1.1%に引き下げられ、防衛特別所得税(源泉徴収すべき所得税の額の1%相当額)が併せて源泉徴収される旨の注記もある(参考文献 R4)。↩
  6. 総務省「地方税制度 個人住民税」。所得割の税率は所得に対して10%(道府県民税4%、市町村民税6%)とされ、政令指定都市では道府県民税2%・市民税8%になる(合計は同じ10%)と記載されている(参考文献 R5)。↩
  7. 国税庁「タックスアンサー No.1463 株式等を譲渡したときの課税(申告分離課税)」(令和8年4月1日現在法令等)。株式等の譲渡による所得は、上場株式等に係る譲渡所得等の金額と一般株式等に係る譲渡所得等の金額に区分して他の所得と分けて計算する申告分離課税となり、上場株式等の税率は20%(所得税15%、住民税5%)で、平成25年から令和29年までの各年分は復興特別所得税を所得税と併せて申告・納付する(基準所得税額に2.1%)こと、譲渡益は総収入金額から必要経費(取得費+委託手数料等)を引いて計算することが記載されている(参考文献 R6)。↩
  8. 国税庁「暗号資産等に関する税務上の取扱いについて(FAQ)」の2-11(p.32)に、雑所得の金額の計算上生じた損失は給与所得など他の所得から差し引く(通算する)ことはできず、他の所得と通算できる損失は不動産所得・事業所得・山林所得・譲渡所得の金額の計算上生じたものに限られるとある(参考文献 R2)。国税庁「タックスアンサー No.2250 損益通算」(令和8年4月1日現在法令等)の(注2)に雑所得等の損失は他の各種所得の金額から控除できないこと、(注5)に申告分離課税の株式等に係る譲渡所得等の損失は他の所得と損益通算できず、逆に株式等に係る譲渡所得等以外の所得の損失も株式等に係る譲渡所得等と損益通算できないことが記載されている(参考文献 R14)。国税庁「タックスアンサー No.2070 青色申告制度」は、損益通算の規定を適用してもなお控除しきれない部分(純損失の金額)を翌年以後3年間繰り越すと説明している(参考文献 R15)。雑所得の損失を繰り越せないと明示した記述は参照資料内に無く、本文の「繰り越せないと読める」はこれらに基づく編集部の読みである。↩
  9. 国税庁「タックスアンサー No.1474 上場株式等に係る譲渡損失の損益通算及び繰越控除」(令和8年4月1日現在法令等)。上場株式等を金融商品取引業者等を通じて譲渡したこと等により生じた譲渡損失は、確定申告により上場株式等の配当所得等と損益通算でき、控除しきれない損失は翌年以後3年間、確定申告により上場株式等に係る譲渡所得等の金額・配当所得等の金額から繰越控除できること、損失が生じた年から連続して付表付きの確定申告書を提出する必要があること、NISA口座内の譲渡損失や相対取引などによる譲渡損失は損益通算・繰越控除できないことが記載されている(参考文献 R7)。↩
  10. 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(令和7年12月26日閣議決定)p.23〜24(「3 金融・証券税制」の(2))。金融商品取引法等の改正を前提に、居住者等が暗号資産取引業を行う者に対して特定暗号資産(金融商品取引業者登録簿に登録されている暗号資産等)の譲渡等をした場合の譲渡所得等を他の所得と分離して20%(所得税15%、個人住民税5%)で課税すること、その譲渡等で生じた損失の翌年以後3年内の繰越控除を可能とすること、取引業者の報告書の提出などが記載されている。改正のうち課税・繰越控除の部分は、金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年1月1日以後に行う特定暗号資産の譲渡等に適用する(注1)とされている(参考文献 R8)。↩
  11. 財務省「第221回国会提出法案」のページに、所得税法等の一部を改正する法律の成立日が令和8年3月31日と記載されている(参考文献 R10)。同法律案要綱(令和8年2月20日付)の租税特別措置法の改正(16)には、特定暗号資産に係る譲渡所得等の課税の特例を創設すること、損失の翌年以後3年内の繰越控除を可能とすることが記載されている。要綱では、所得税分は他の所得と分離して百分の十五の税率で課税するとされ、住民税の5%は大綱の記載による(参考文献 R9)。↩
  12. 金融庁「第221回国会における金融庁関連法律案」のページに、「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律」が令和8年4月10日提出・令和8年7月15日成立と記載されている(参考文献 R11)。同法律案要綱の第3「施行期日等」に、原則として公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行するとの記載がある(参考文献 R12)。政令で定める施行日そのもの、成立した法律が要綱どおりの施行規定か、公布日は、2026年10月3日時点の本記事の確認範囲では確認できていない。↩
  13. 国税庁「タックスアンサー No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」(令和8年4月1日現在法令等)。給与を1か所から受け、その給与の全部が源泉徴収の対象となる場合に、給与所得・退職所得以外の各種の所得金額の合計額が20万円を超える人は確定申告をしなければならないと記載されている。このページは所得税の確定申告の要否を扱っており、住民税の申告の要否は扱っていない(参考文献 R13)。↩

参考文献(2026年10月確認)

※本記事は教育目的の一般的な解説であり、法務・税務・投資助言ではありません。設例は理解のための学習用の架空事例であり、実在の企業・案件とは関係ありません。