想定読者:銀行・信用金庫・証券会社・ウェルスマネジメントの窓口やコールセンターの若手、および金融機関を志望し投資詐欺の実務を知りたい方
前提知識:特に不要(預金・振込の基本が分かれば読めます。暗号資産の技術的な知識は要りません)

結論:窓口が見るのは文面の怪しさではなく、目的・指示者・金額・出金方法の4つの事実

本稿は、2026年10月時点で公表されている資料の範囲で、「暗号資産で儲かる」と言われて振込に来た顧客の場面を扱います。結論は3点です。第一に、手口は「どう接触されたか」と「お金がどこを通るか」で分けると、窓口に現れる場面と対応づけられます。第二に、窓口が見るのは文面の質ではなく、目的を語れるか、誰かに指示されていないか、金額が普段とどれだけ違うか、資金の作り方が普段と違わないか、という行動と取引の事実です。第三に、窓口の役割は詐欺かどうかの断定ではなく、確認し、記録し、社内と必要に応じて外部へつなぐことです。

統計で規模を確認します。警察庁の令和7年(2025年)の確定値では、SNS型投資詐欺の認知件数は9,523件、被害額は1,288.0億円でした。このうち、金融機関のATM・インターネットバンキング(IB)・窓口などで円を振り込ませる「振込型」は7,135件(全体の約7割)・1,000.6億円、暗号資産を送らせる「暗号資産送信型」は1,898件・215.5億円です1。振込型の内訳は、ATM 1,846件、IB 5,049件、窓口240件で、窓口は振込型の3.4%(240÷7,135。編集部の計算)にとどまります。件数は多くありませんが、人が直接声をかけられる数少ない接点の一つです(編集部の見解)。

暗号資産を名目にしながら実際に動くのは円の銀行振込、という事例が多いのではないかというのが本稿の出発点(仮説)です。ただし、上の内訳は被害として認知された件数であり、窓口に来店する顧客の実態を示すものではありません。

取引時確認や疑わしい取引の届出は、KYC・AML(本人確認と、資金洗浄・テロ資金供与の防止の枠組み)の用語ページとKYC・AMLの実務とAIで扱っています。届出が必要かどうかの判断は担当者個人ではなく社内の手続(コンプライアンス部門)で行われるため、この記事は、その手前の「窓口の気づき」を整理します。

手口を「接触経路」と「お金の通り道」の2軸で分ける

顧客が窓口で口にするのは手口の名前ではなく、「知人に勧められた」「アプリで運用している」といった断片です。そこで、手口を次の2軸に置き直します。

  • 接触経路:SNS・マッチングアプリ・メールやSMS・広告のうち、どこから接触が始まったか
  • お金の通り道:顧客が、暗号資産を送るのか、円を銀行から振り込むのか、ログイン情報などの情報を渡すのか

暗号資産の詐欺は、一般的な概念として次のように整理されています。フィッシングは偽のサイトやメールでログイン情報(復旧用の文字列を含む)を入力させる手口、ラグプルは投資を集めた後にプロジェクトを閉鎖する手口です。ほかに、SNS上の偽の配布、なりすまし、偽の身分で近づくロマンス型があり、共通点は信頼づくりと、恐怖や期待で判断を急がせることだとされています2。この整理は海外の一般的な概念であり、日本の被害状況や窓口の兆候を示すものではありません。

日本の事例は警察庁の手口説明で確認できます。SNS型投資詐欺は、SNSのダイレクトメッセージや広告から接触し、LINEなど別のSNSに誘導して、「株や暗号資産に投資すれば利益が得られる」と信用させ、「投資金」や「手数料」の名目でネットバンキングなどにより金銭を振り込ませる手口です3。SNS型ロマンス詐欺では、令和7年は暗号資産送信型が2,177件・247.7億円、振込型が3,055件・276.0億円で、振込型のうち窓口は104件でした4。図表1は、これらを2軸に整理した編集部の表です。

図表1:暗号資産が絡む詐欺の類型(接触経路 × お金の通り道。分類表のため単位なし)
型主な接触経路顧客が行うこと(お金の通り道)窓口に現れる想定場面
フィッシングメール・SMS・偽サイト情報を渡す(ログイン情報など)身に覚えのない出金・乗っ取りの相談(被害後)
無登録業者の勧誘広告・SNS・紹介円を振り込む/暗号資産を送る業者名や登録の有無を答えられない振込
SNS型投資ダイレクトメッセージ・広告からグループへ円を振り込む(個人名義口座など)/暗号資産を送る目的を「投資」とだけ説明する増額振込
ロマンス型マッチングアプリ・SNS円を振り込む/暗号資産を購入して送る相手との関係や理由の説明が曖昧な送金
なりすまし偽アカウント・偽広告情報を渡す/送る著名人や担当者の「紹介」を理由にした来店
ラグプル新しい暗号資産・NFTの募集暗号資産を送る(購入資金を振り込む)新規銘柄の購入資金の振込、閉鎖後の相談
当選・配布型SNS・ダイレクトメッセージ「確認のため」に暗号資産を送る少額の「手数料」の振込
対象時点:2026年10月。出所:暗号資産詐欺の一般的な類型(参考文献R6)と警察庁の手口説明(R2)を基に大手町プレップ作成。右端の「窓口に現れる想定場面」は編集部の整理であり、実態調査に基づくものではありません。(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

図表1から読み取れるのは、同じ顧客の来店でも「お金の通り道」が違えば窓口での見え方が変わる点です。円を振り込ませる型(SNS型投資・ロマンス型・無登録業者)は、窓口では普通の振込依頼に見えます。暗号資産を送らせる型は、銀行の窓口よりも暗号資産交換業者のコールセンターや店頭に現れやすいと考えられます(仮説)。

兆候は「文面の質」に置かない

「不自然な日本語が詐欺の目印」という説明は海外の自衛策に見られますが、文章を整える手段が普及した現在、メッセージの質での判断は危うい、というのが編集部の見解です。本稿の兆候は、窓口で観察できる行動と取引の事実に限ります。

設例の設定:3週間で4回振り込み、5回目に定期預金を解約しに来る

以下は学習用の架空事例です。A信用金庫の窓口に、70代の個人顧客Bさんが来店します。Bさんの預金(普通預金と定期預金の合計)は当初1,800万円、通常月の振込額は5万円程度です。Bさんは、SNSで知り合った相手から「暗号資産の運用で月8%の利益が出る」と誘われ、3週間で4回、円を振り込みました。振込額は1回目50万円、2回目120万円、3回目300万円、4回目500万円で、4回の合計は970万円です。5回目として、定期預金を解約して600万円を振り込むよう依頼します。

Bさんは、接触と信頼づくりの段階(窓口からは見えない)を経て、少額の振込から増額へ進みました。窓口に現れるのは、初回の来店、増額振込、定期解約といった接点です。各来店で止めた場合の既払い累計(その来店より前の振込の合計)は、図表2のとおり、1回目の来店で0万円、2回目で50万円、3回目で170万円、4回目で470万円、5回目で970万円です。早く気づくほど被害額が小さい、という関係が確認できます。

図表2:詐欺の段階と窓口の接点(Bさんの来店ごとの既払い累計) 初回来店 目的を確認 2回目 増額振込 3回目 増額振込 4回目 増額振込 5回目 定期解約+振込 0 500 1,000 5回目(600万円)を実行すると累計は1,570万円 早い来店で止めるほど、既払いは小さい 0 50 170 470 970 1回目の来店 2回目の来店 3回目の来店 4回目の来店 5回目の来店 縦軸:その来店で止めた場合の既払い累計(その来店より前の振込の合計。単位:万円)
単位:万円。対象期間:架空のBさんの3週間(1〜4回目)と5回目の来店。出所:学習用の仮定に基づき大手町プレップ作成。(スマートフォンでは図を横にスクロールできます)

図表2のとおり、5回目の来店で止めても既払いは970万円ですが、1回目で気づけていれば0万円でした。ただし、1回目の時点で兆候が見えるとは限らないため、次節で各回の取引を数字で確かめます。

送金履歴を検算する:累計・預金残高比・通常月との倍率

回ごとの数字を次の式で並べます。累計は、その回の振込を含む合計です。

検算の式(単位:万円、%、倍)
累計比(%)=累計 ÷ 当初の預金残高1,800 × 100(小数第2位を四捨五入)
倍率(倍)=その回の振込額 ÷ 通常月の振込額5
来店前残高=1,800 − それまでの累計

1回目は、倍率が50÷5=10倍、累計比が50÷1,800=2.8%です。5回目は、来店前残高が1,800−970=830万円で、振込額600万円は来店前残高の72.3%(600÷830)にあたり、振込後の残高は230万円です。約束された利回りは月8%で、単純に12か月分を足すと年96%(8%×12)になります。これは約束どおりに続く前提での単純な換算で、実際の利回りではありません。

図表3:Bさんの送金履歴の検算表(単位:万円、%、倍)
回振込額累計来店前の預金残高累計比(%)通常月(5万円)の倍率
1回目50501,8002.810
2回目1201701,7509.424
3回目3004701,63026.160
4回目5009701,33053.9100
5回目(依頼)6001,57083087.2120
対象期間:架空のBさんの3週間(1〜4回目)と5回目の依頼。累計比は当初の預金残高1,800万円に対する割合(小数第2位を四捨五入)。出所:学習用の仮定に基づき大手町プレップ作成。(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

図表3から、2回目の時点で振込額は通常月の24倍に達し、3回目には累計が当初残高の26.1%になっています。回を重ねるごとに倍率と累計比が上がる形は、金額が段階的に増える兆候です。5回目は来店前残高の72.3%を一度に動かす依頼で、定期預金の解約も伴います。これらの数字は詐欺の証拠ではなく、窓口が「聞いてみる理由」になるという意味で読みます。

窓口の兆候を配点し、声かけの水準に振り分ける

窓口では、図表3の数字のほかに顧客の言動も見えます。警察庁は、投資を勧められたときの確認点として、勧誘の経路、登録業者かどうか、「必ずもうかる」といった文言、投資先の実在、振込先の不審点を挙げています。振込先については、投資話が本物であれば、個人名義の口座を指定されることも、振込のたびに口座が変わることも「まずありません」と説明されています5。

こうした確認点を、窓口で観察できる10の兆候にまとめ、配点しました。配点は編集部の仮の設計であり、公的な基準でも、各金融機関の内規でもありません。合計点は、声かけや上席相談の水準を考える目安にとどまり、合計点だけで取引を断る根拠にはなりません。兆候のうちF・G・Hは、図表3の数字から機械的に付きます(Fは通常月の20倍以上、Gは累計比20%以上、Hは2回目以降の反復)。

図表4:窓口の兆候配点表と、Bさんの5回目の来店への当てはめ(単位:点)
記号兆候(窓口で観察・確認できる事実)配点Bさん5回目
A目的を語らない、または説明が曖昧22
B第三者(SNSで知り合った相手など)の指示や助言に従っている33
C来店中も通話やメッセージで指示を受けている20
D「今日中」など急ぐ理由を挙げる22
E高い約束利回り(「必ず」「月○%」など)を挙げる33
F振込額が通常月の20倍以上22
G累計が当初の預金残高の20%以上22
H同じ目的の振込が短期間に反復している(2回目以降)22
I定期預金の解約や借入など、普段と違う方法で資金を作る22
J振込先が個人名義、または振込のたびに変わる22
合計(満点22点)2220
対応水準(編集部の仮設計):0〜3点=通常対応、4〜7点=声かけ、8〜12点=上席相談、13点以上=保留・警察相談の検討。出所:学習用の仮定に基づき大手町プレップ作成(配点は公的基準ではありません)。(スマートフォンでは表を横にスクロールできます)

5回目の来店は、Cを除く9項目で2+3+2+3+2+2+2+2+2=20点となり、13点以上の「保留・警察相談の検討」の水準です。A・B・D・Eは質問への答えで、F・G・Hは履歴で、I・Jは依頼の内容で分かる事実です。

履歴の数字だけで付く点(F+G+H)を各回で見ると、1回目は0点、2回目はF(24倍)とH(反復)で4点、3回目はF・G(26.1%)・Hで6点、4回目と5回目も6点です。つまり、2回目の来店で4点に達して「声かけ」の水準に入ります。4回目に同じ質問をして、BとEが確認できたとすると、6+3+3=12点で「上席相談」の水準です。

声かけの質問と、答えに応じた次の一手

声かけは、疑いを伝える場ではなく事実を確認する場です。答えを誘導せず、顧客が自分の言葉で目的を説明できるかを見ます。

  • 「この送金は、どのようなお金のお支払いですか」(目的)
  • 「どなたかに勧められたり、指示を受けたりしていますか。その方とはどのように連絡されていますか」(指示者)
  • 「受け取る側の口座名義と、その方との関係を教えてください」(振込先)
  • 「お金を引き出すときの条件や手数料について、説明は受けていますか」(出金方法)
  • 「ご家族や、警察などに相談されたことはありますか」(相談の有無)

答えに応じた次の一手は、次の手順で整理します。

  1. 確認する:目的・指示者・振込先・出金条件を聞く。具体的で、本人が納得して説明できるなら、通常の手続に戻る。
  2. 止める:説明が得られない、または図表4の合計が高い場合は、その場で処理を進めず、上席に相談する。保留するかどうかは、担当者個人ではなく社内の基準と上席の判断による。
  3. 記録する:顧客の発言、確認した事実、得点、時刻を、社内の様式に沿って事実のまま残す。推測や評価は区別して書く。
  4. つなぐ:社内のコンプライアンス部門へ報告し、警察への相談や情報提供が必要かどうかは社内の手続で決める。顧客本人には、警察相談専用窓口(#9110)や消費者ホットライン(188)などの相談先を案内する。

登録の有無の確認も、声かけの一部になります。日本の居住者を相手に暗号資産交換業や金融商品取引業を行う者は、登録が必要です。金融庁は、登録業者の一覧と、無登録のまま警告を受けた業者の公表を示しています6。暗号資産交換業と金融商品取引業は登録制度が異なるため、顧客が「登録されている」と言っても、該当する一覧で名称を照合します。ただし、登録があれば安全とは限りません。金融庁のページでは、金融庁を騙った電子メールや動画への注意喚起と、日本暗号資産等取引業協会の会員を騙った勧誘やサイトへの注意喚起も案内されています7。金融庁は、登録にあたっては、預かった資産を自社の財産と分けて管理する分別管理などの投資者保護の態勢の整備が求められ、無登録業者についてはその態勢を当局が確認できないと説明しています。なお、証券会社の破綻時に顧客資産を補償する投資者保護基金は、暗号資産を対象としません(用語ページの記載)。

金融機関と警察の連携は進んでいます。令和7年6月18日、大手銀行等8行と警察庁は、モニタリングで詐欺被害の可能性が高いと判断した取引等に係る口座の情報を、関係する都道府県警察と警察庁へ迅速に共有する内容の「情報連携協定書」を締結しました8。これは大手銀行等での取組みの例であり、信用金庫や証券会社、ウェルスマネジメントの窓口でどう対応するかは、各社の内規と警察との連携体制によって異なります。取引モニタリングの設計はAIによる不正検知・異常取引検知に委ねます。

限界:窓口は断定せず、「確認し、記録し、つなぐ」

兆候は、詐欺の証拠ではなく、声かけの契機です。高い得点が出ても、顧客が本物の投資を、自分の意思で、十分に理解して行っている場合もあります。窓口に求められるのは、顧客の自己決定を尊重しながら、判断に必要な情報を確認する姿勢です(顧客の利益を優先する考え方は受託者責任の用語ページを参照)。

誤って止めれば、正当な取引を遅らせ、顧客の信頼や機会を損ないかねません。守秘義務の関係で誰に何を話してよいかは社内の基準に従い、法令上どこまで保留できるか、警察や家族へどこまで共有できるかは金融機関ごとの内規によります。本稿は法令上の義務を断定していません。

暗号資産に関する日本の規制は見直しが続いており、2026年10月時点の最新は確認していません。規制の枠組みは暗号資産ヘッジファンドとは、円などに価値を連動させるステーブルコイン(日本では法定通貨に連動する型のうち一定の要件を満たすものが、電子決済手段として規制)は用語ページ、金融機関が顧客に勧誘する側の義務はウェルスマネジメントのコンプライアンス・適合性原則実務に委ねます。企業の粉飾決算で言う「レッドフラグ」(不正のトライアングルと財務分析で見える兆候)と区別するため、本稿では「兆候」と書きます。

実務チェックリスト

  • 目的を顧客本人の言葉で説明できるか(A)。曖昧なまま質問を重ねず、上席へ相談する
  • 第三者の指示・助言があるか、来店中に通話やメッセージを受けているか(B・C)を確認する
  • 「必ず」「月○%」といった約束利回りがないか(E)。あれば年率に換算して記録する
  • 振込額が通常月の何倍か、累計が当初の預金残高の何%かを、履歴から計算する(F・G)
  • 定期解約や借入など普段と違う資金作りをしていないか(I)、振込先が個人名義か毎回変わっていないか(J)
  • 相手の業者を金融庁の登録業者一覧と警告の公表で照合し、結果と時刻を記録する
  • 得点だけで断らず、顧客の発言・確認事項・上席への相談を事実として残し、社内の手続でつなぐ

よくある質問(FAQ)

顧客が「自分のお金だから放っておいてほしい」と言う場合は、どこまで聞いてよいですか。

顧客の自己決定は尊重されます。目的や振込先を確認する質問は、窓口の通常の確認の延長として行われると考えられますが、どこまで聞けるか、保留できるかは金融機関の内規によって異なります。説明が得られなかった事実と、顧客の意向を記録し、上席に相談します。

暗号資産交換業者の登録を受けた相手宛の送金なら、安心してよいですか。

登録は、事業者に態勢の整備が求められているという意味にとどまり、個別の取引の安全を保証するものではありません。金融庁のページも、金融庁や業界団体の会員を騙った勧誘への注意喚起を案内しています。名称が一覧と一致するかに加え、実際の接触経路や指示者の有無を確認してください。

ロマンス型の被害者は「恋愛」と言いたがりません。どう見分けますか。

恋愛の話を聞き出す必要はありません。見るのは、図表4のように、第三者への送金という事実、増額の経過、振込先の名義です。暗号資産を購入して送る型は、窓口には「購入資金の振込」として現れるため、目的の説明が手がかりになります(編集部の整理)。

まとめ

暗号資産が絡む詐欺は、接触経路とお金の通り道の2軸で整理すると、窓口で出会う場面と結びつきます。窓口が見るのは、文面の質ではなく、目的・指示者・金額・出金方法という事実です。設例のBさんは、2回目の来店で数字だけの点が4点に達し、5回目には20点でした。配点は編集部の仮の設計で、合計点だけで取引を断ることはできません。窓口の役割は、確認し、記録し、社内と必要に応じて外部へつなぐことです。

脚注

  1. 警察庁「令和7年における特殊詐欺及びSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・検挙状況等について(確定値)」p.12・p.16。SNS型投資詐欺は9,523件・1,288.0億円、振込型7,135件(約7割)・1,000.6億円(ATM 1,846件、IB 5,049件、窓口240件)、暗号資産送信型1,898件(約2割)・215.5億円。窓口の割合3.4%は編集部の計算(参考文献R1)。↩
  2. Corporate Finance Institute「What Crypto Scams To Watch Out For」の「Common Scams in Crypto」「Key Highlights」「Helpful Tips」。フィッシング(シードフレーズの詐取を含む)、ラグプル、SNS上の偽の配布・なりすまし・ロマンス型が挙げられ、信頼を得たうえで期待や恐怖により緊急性を作り、要求を受け入れさせる点が共通の手口とされる。米国の事情を中心とした一般的な概念の参考で、日本の状況を示すものではない(参考文献R6)。↩
  3. 警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ「SNS型投資詐欺」の「手口と被害の実態」。ダイレクトメッセージなどで接触しLINE等に誘導、「投資金」「手数料」の名目でネットバンキング等により振り込ませる手口と説明されている(参考文献R2)。↩
  4. 警察庁(確定値)p.19。SNS型ロマンス詐欺は5,645件・546.4億円(p.17)。振込型3,055件・276.0億円(ATM 1,400件、IB 1,551件、窓口104件)、暗号資産送信型2,177件・247.7億円(参考文献R1)。↩
  5. 警察庁・SOS47特殊詐欺対策ページ「SNS型投資詐欺」の「気を付けるべきポイント」。ダイレクトメッセージでの接触、LINEへの誘導、登録業者か、「必ずもうかる」といった文言、著名人のなりすまし、実在しない暗号資産・投資アプリ、振込先の口座の不審点を確認項目とし、個人名義の口座の指定と振込のたびに口座が変わることは「まずありません」とされている。同ページには警察相談専用窓口(#9110)と消費者ホットライン(188)も掲載されている(参考文献R2)。↩
  6. 金融庁「無登録業者との取引は要注意!!」(令和5年6月30日、令和6年6月28日更新)。日本の居住者を相手に金融商品取引業・暗号資産交換業を行う者は登録が必要で、登録業者の一覧と、無登録で警告を受けた者の公表を案内している。登録にあたっては分別管理などの投資者保護の態勢の整備が求められ、無登録業者はその態勢を当局が確認できないとされている(参考文献R3)。↩
  7. 金融庁「暗号資産の利用者のみなさまへ」。暗号資産交換業者は登録が必要であること、「当庁を騙った電子メールや動画にご注意ください」と、日本暗号資産等取引業協会のウェブサイトへの「当会員を騙った勧誘やサイトにご注意ください」の案内、および相談窓口(消費者ホットライン188、詐欺と思われるトラブルは最寄りの警察)が掲載されている(参考文献R4)。↩
  8. 金融庁報道発表資料「金融機関と警察庁における特殊詐欺等の被害拡大防止を目的とした『情報連携協定書』の締結について」(令和7年6月18日)。大手銀行等8行と警察庁が締結した(参考文献R5)。↩

参考文献(2026年10月確認)

※本記事は教育目的の一般的な解説であり、法務・税務・投資助言ではありません。設例は理解のための学習用の架空事例であり、実在の企業・案件とは関係ありません。