この記事で分かること

  • EBITDAブリッジ(100→140)を例に、積み上げ棒+透明下駄でウォーターフォール図を作る手順
  • 「下駄」の計算表の作り方(ここさえ合えば図は勝手に完成する)
  • IB水準の仕上げ:色・ラベル・軸・点線コネクタの整え方

STEP 0:何を作るか

ウォーターフォール(ブリッジ)は「起点→増減要因→終点」を階段状に見せる、実務資料の頻出図です。設例はバリューアップの章のEBITDAブリッジ:100 →(売上+20)→(粗利+12)→(販管費+8)→ 140。Excelの標準ウォーターフォール機能もありますが、細部の制御が利く積み上げ棒+透明下駄の古典手法を身につけると、どの環境でも同じ品質で作れます(フットボールチャート(作り方)と同じ発想です)。

1下駄の計算表を作る(10分)

操作:データ範囲に「ラベル/下駄(透明)/表示値」の3行(または3列)を作ります。下駄=その棒の下端の高さ。増分棒の下駄は「直前までの累計」、起点・終点の下駄は0です。
X下駄の計算表(単位:百万円・設例)
項目買収時売上成長粗利改善販管費Exit時
下駄(塗りなし)01001201320
表示値(塗りあり)10020128140
検算:下駄+表示値100120132140140
図1:下駄は「=前の列の下駄+前の列の表示値」で自動計算できます(起点・終点だけ0を手置き)。検算行が右肩上がりに140へ収束していれば、図にする前から正しさが保証されます。

2グラフ化する(5分)

  • 3行まとめて選択→挿入→積み上げ縦棒
  • 「下駄」系列を選択→塗りつぶしなし・枠線なし。これで増分棒が宙に浮きます。
  • 減少要因がある場合(例:コスト増▲5)は、下駄=累計−絶対値、表示値=絶対値とし、色を変えて(後述)符号をラベルで示します。

3IB水準に仕上げる(5分)

  • :起点・終点は濃紺(#0E2440級)、増加はネイビー、減少は控えめのグレー系——資料全体のパレットに合わせ、彩度の高い赤緑は避けるのが一般的傾向です。
  • ラベル:データラベルは「表示値」系列だけに、棒の内側または上に直置き。凡例は削除(ラベルが語るため)。
  • 軸とグリッド:縦軸は非表示または最小限、横グリッドは削除。数字はラベルが持っているので、線は情報を持ちません。
  • コネクタ:棒の天面をつなぐ点線は、細い罫線の図形を手で置くか、誤差線を流用します。なくても成立しますが、あると視線誘導が滑らかです。
  • タイトルと単位:図の左上にタイトル、右上に(単位:百万円)——本サイトの図表規格と同じ配置です。

Q. Excel標準のウォーターフォール機能ではだめですか?

A. 手早く作るには便利ですが、色の個別制御・コネクタ・合計棒の扱いに癖があり、社内テンプレの色規則に合わせ込む場面では透明下駄方式が確実です。両方使えて、場面で選ぶのが実務的です。

Q. 減少と増加が混ざると下駄の式を間違えます。

A. 「下駄=MIN(直前累計, 当期累計)、表示値=ABS(増減)」と機械化すると符号ミスが消えます。累計行を1本先に作ってから下駄を計算するのがコツです。

まとめ

  • ウォーターフォールの本体はグラフでなく「下駄の計算表」。検算行が終点に収束すれば勝ち。
  • 積み上げ棒→下駄を透明化→ラベル直置き・凡例と目盛りは捨てる。
  • 色は紺系で統一、減少はグレー。図は資料の脇役——数字が主役になる引き算の仕上げを。

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本記事について

本文中の数値例はすべて理解のための設例であり、実在の企業・案件とは関係ありません。制度・実務慣行に触れる箇所は一般的傾向の整理です。個別案件への適用時は必ずその時点の一次情報・専門家にご確認ください。