この記事で分かること
- 学部が判明した582名のうち理系出身者は115名(19.8%)で、独立系ファンドを中心に幅広く在籍
- 理系出身者が多いファンドの上位は、ベインキャピタル19名、インテグラル14名、日本産業推進機構8名
- 理系出身者のうち投資銀行の経験を確認できたのは17.9%、戦略コンサルは31.2%、MBAは14.8%
- 系譜別に見ると、外資系ファンドの理系比率(31.1%)は国内系(18.4%)より高いこと
結論:理系出身者は判明者の19.8%、外資系ファンドではやや比率が高い
大手町プレップPE人物データベースで出身学部が判明した582名のうち、工学部・理工学系および理学部・農学部・薬学部・医学部系を合わせた理系出身者は115名、比率にして19.8%でした。理系出身者を系譜別に見ると、国内系ファンドに96名、外資系ファンドに19名が所属しており、それぞれの系譜内での理系比率は国内系18.4%(521名中96名)、外資系31.1%(61名中19名)です。
理系出身者が最も多いファンドはベインキャピタル(19名)、インテグラル(14名)、日本産業推進機構(8名)の順でした。以下、理系出身者の職歴・学歴との組み合わせや、所属ファンドの傾向を見ていきます。
分析対象とデータの定義
本分析の対象は、2026年8月30日時点で大手町プレップPEファンドDBに紐づく人物データベースのうち、出身学部が理系(工・理工、理・農・薬・医)に分類された115名です。この115名について、投資銀行・戦略コンサル・事業会社の経験記載の有無、MBAの記載の有無、所属ファンド、役職を集計しました。経験・学歴の記載は「記載を確認」「記載を確認できず」「情報不足で判定不能」の三値で管理しており、「記載を確認できず」はその経験がないことを意味しません。比率は判定可能だった人数を分母にしています。
理系出身者が多いファンド
理系出身者115名のうち、氏名が判明している人数の多いファンド上位15社の合計は95名で、理系出身者全体の82.6%を占めます。最多はベインキャピタルの19名、次いでインテグラル14名、日本産業推進機構8名、D Capital7名、サンライズキャピタル・ポラリス・キャピタル・グループがそれぞれ6名と続きます。残り20名は、上位15社に含まれない少人数のファンドに分散しています。
役職構成
理系出身者115名の役職構成は、マネージングディレクター・ディレクターが29名で最も多く、パートナー・経営層28名、アソシエイト・アナリスト24名、VP・マネージャー16名、プリンシパル10名、オペレーティング・経営支援3名、その他5名でした。マネジメント層(マネージングディレクター・ディレクター、パートナー・経営層)だけで57名、理系出身者の約半数を占めており、理系出身者が若手層に偏っているわけではないことがうかがえます。
投資銀行・コンサル経験やMBAとの組み合わせ
理系出身者のうち経歴情報を確認できた112名を対象に見ると、投資銀行業務の経験記載があるのは20名(17.9%、95%信頼区間11.9〜26.0%)、戦略コンサルの経験記載は35名(31.2%、95%信頼区間23.4〜40.3%)、事業会社の経験記載は19名(17.0%、95%信頼区間11.1〜25.0%)でした。MBAについては115名中17名(14.8%、95%信頼区間9.4〜22.4%)が記載を確認できました。戦略コンサルの経験記載率が投資銀行を上回っている点は、理系出身者の一つの特徴といえます。
結果から言えること・言えないこと
言えること。(1)理系出身者は判明者582名の19.8%を占め、決して稀な存在ではありません。(2)理系出身者は特定の少数ファンドに偏っているわけではなく、独立系を中心に幅広いファンドに分散していますが、系譜内比率で見ると外資系ファンド(31.1%)は国内系(18.4%)より理系比率が高い傾向が確認できます。(3)理系出身者の役職構成はマネジメント層が半数を占め、若手層に限定されていません。
言えないこと。(1)外資系ファンドの分母(61名)は国内系(521名)に比べて小さく、比率の差が統計的に安定したものかは慎重に見る必要があります。(2)理系出身であることがPEファンドでの評価や採用に有利に働くかどうかは、このデータからは検証できません。(3)投資銀行・戦略コンサル経験やMBAの記載率は、記載がない人物にその経験がないことを意味せず、実際の比率はこれより高い可能性があります。
理系のバックグラウンドを投資実務にどう生かすか
理系出身者は定量分析への抵抗が少ない一方、PEファンドの選考ではLBOモデルを使ったリターン分析など、金融特有のモデリング作法を新たに習得する必要があります。大手町プレップの無料Excelスターターパックでは、財務モデリングの基礎をExcelで演習できます。
データの定義と限界
本記事の母集団・三値分類・信頼区間の算出基準は以下のとおりです。
集計方法・データ定義(大手町プレップPE人物データベース独自集計)
- 対象データ
- 大手町プレップPEファンドDBの地域カテゴリに「日本」を含むPEファンド133社(外資系・グローバルファンドの日本拠点を含む)について、各社公式サイトのチーム・メンバーページに現職として掲載された人物1,456名(2026年8月30日時点)。関連会社間の重複を除いた実人数は1,438名。
- 集計単位
- 人物属性(学歴・MBA・職歴など)の集計は実人数(ユニーク人物)単位、ファンド別の集計は人物・所属レコード単位で行っています。
- 三値分類
- 各属性は「記載を確認」「公式プロフィールに記載を確認できず」「経歴情報が不足し判定不能」の3つに分けています。比率は原則として記載有無を判定できた人数(判明者)を分母とし、本文・図表に分母を明記しています。「記載を確認できない」ことは「経歴・資格がない」ことを意味しません。
- ランキングの基準
- 比率のファンド別ランキングは属性判明者10名以上のファンドを対象とし、5〜9名は参考値、4名以下は対象外としています。
- データソース
- 各PEファンドの公式サイト(チームページ・人物プロフィール・会社概要等)の公開情報。役職名・経歴は公式表記を機械的な基準で正規化・分類しています。
本分析は公式サイトの公開情報のみを機械的に集計したものであり、各ファンドの実際の人員構成・採用基準を網羅・代表するものではありません。経歴の開示方針はファンドにより大きく異なるため、比率の差がそのまま実態の差を意味するとは限りません。出身大学・前職等は人物の能力・評価を示すものではなく、相関関係は因果関係を意味しません。
よくある質問(FAQ)
Q. 理系出身でもPEファンドに転職できますか。
A. 公開経歴データ上、理系出身者は判明者の19.8%を占めており、一定数が在籍していることが確認できます。ただし本データは在籍者の経歴の集計であり、転職の成否や難易度を示すものではありません。
Q. 理系出身者はどのファンドに多いですか。
A. 公開情報で確認できた範囲では、ベインキャピタル19名、インテグラル14名、日本産業推進機構8名が上位です。ただしこれはファンドの人数規模の違いも反映した数値であり、比率ではありません。
Q. 理系出身者はMBAを取得している人が多いですか。
A. 理系出身者115名のうちMBAの記載を確認できたのは17名(14.8%)です。理系出身者全体で見ると、MBAが標準的な経歴とまでは言えません。
Q. 理系と文系でPEファンドの系譜に違いはありますか。
A. 外資系ファンドでは理系比率が31.1%、国内系では18.4%と、外資系の方がやや高い傾向が確認できます。
まとめ
PE業界は文系中心のイメージが強いものの、学部が判明した582名のうち19.8%は理系出身であり、役職面でもマネジメント層まで幅広く在籍しています。理系出身者を含めた学部全体の分布はPE人材の出身学部ランキング、文理と所属ファンドの関係は文系と理系で所属するPEファンドに違いはあるのかを参照してください。
出典・データについて
- 大手町プレップPE人物データベース(日本のPEファンド公式サイト掲載情報を独自集計・2026年8月30日時点)
- 大手町プレップPEファンドDB https://otemachiprep.com/pe-funds/
※本記事は公開情報に基づく教育目的のデータ分析であり、特定のファンド・個人の評価や、転職成否の保証・投資助言ではありません。出身大学・経歴は人物の能力を示すものではありません。
データ基準日: 2026年8月30日(人物データベースの更新に合わせて本記事の数値・表・グラフは再集計されます)