この​記事で​分かる​こと

  • SQ・SQ値・SQ日・取引最終日の定義と日付の決まり方(日経225・TOPIX)
  • 先物・オプションの最終損益の計算を整数設例で確認
  • メジャーSQ(四半期)とその他のSQの違いと、現物市場・価格算定への影響
  • SQ日をExcelで求める式と、米国の満期日との違い

30秒で​分かる​定義

SQ(Special Quotation、特別清算指数)とは、株価指数先物・オプションの最終決済に使う特別な指数値で、取引最終日の翌営業日(SQ日)に、指数の各構成銘柄の始値から算出します。読みは「えすきゅー」で、算出された値を「SQ値」と呼びます。日経225先物では、SQ値は取引最終日の翌営業日における各構成銘柄の始値に基づき算出した特別な日経225で[1]、TOPIX先物も同様に各構成銘柄の始値から特別なTOPIXを算出します[2]。四半期(3・6・9・12月)のSQを一般に「メジャーSQ」と呼びますが、これは市場の通称です。

なぜ実務で​重要なのか

SQは、指数先物・オプションの建玉が最終的に清算される日で、現物株式の売買や価格形成にも影響が及ぶとされます。市場部門・裁定取引(アービトラージ)担当は、先物と現物の裁定ポジションの解消や、オプションの最終損益を管理します。経営企画・IRは、自社株買いや第三者割当の価格算定の期間にSQ日が含まれるかを確認します。現物と先物の関係は裁定取引​(現物・先物)で扱っています。

計算式​(または仕組み)

SQの日付と算出の規則は次のとおりです。日経225先物と日経225オプション、TOPIX先物で共通です。

項目規則
取引最終日各限月の第2金曜日(休業日に当たる場合は順次繰り上げ)の前日に終了する取引日[1]
SQ日取引最終日の翌営業日[1]
SQ値SQ日における各構成銘柄の始値に基づき算出した特別な指数値[1]
先物の最終決済最終清算数値(SQ値)による決済[1]
オプションの権利行使日SQ日[3]

先物の限月は3・6・9・12月で、日経225先物は6・12月限が直近16限月、3・9月限が直近3限月です[1]。オプションは四半期限月のほかに、直近8限月(最長12か月)のその他の限月があります[3]。四半期限月と同じ月のSQは先物とオプションの双方が最終決済を迎える(一般にメジャーSQ)一方、それ以外の月のSQでは、日経225先物(ラージ)とTOPIX先物は最終決済を迎えず、オプションのほか、日経225miniのように四半期以外の限月を持つ先物が対象になります[4]。

先物(買建て)の最終損益 =(SQ値 − 建値)× 1,000円(日経225先物の指数1ポイント当たりの金額)
コール・オプションの最終損益 = MAX(SQ値 − 権利行使価格, 0)× 1,000円 − 支払プレミアム(日経225オプション)

取引単位は日経225先物が日経平均株価×1,000円[1]、TOPIX先物がTOPIX×10,000円です[2]。このため損益は、指数の差に1,000円(TOPIX先物は10,000円)を掛けて求めます。先物と指数の関係は先物取引・​先渡取引​(Futures/Forward)、指数自体は日経平均株価・TOPIX​(東証株価指数)のページを参照してください。

整数設例で​確認する

設例(架空数値)。2026年12月限を例にします。12月の金曜日は4日・11日・18日・25日なので、第2金曜日は12月11日、取引最終日はその前日の12月10日(木)、SQ日は取引最終日の翌営業日で12月11日(金)です。

日経225先物1枚を建値39,800円で買い建てたまま最終決済を迎え、SQ値が40,300円なら、最終損益は (40,300−39,800)×1,000円=500,000円です。権利行使価格40,000円のコール・オプションを保有していれば、SQ値との差は (40,300−40,000)×1,000円=300,000円で、支払ったプレミアムを差し引いたものが最終損益になります(指数値はいずれも説明用の架空の値です)。

市場・​取引制度上の​位置付け

SQの最終決済は、先物はSQ値による決済、オプションは権利行使と権利行使の割当てによる決済で、いずれも現物株式の受渡しを伴いませんが、先物と現物を組み合わせた裁定ポジションや、指数連動のポートフォリオの解消にはSQ日の寄付きの株式売買が使われることがあるとされます。このため、SQ日の寄付きは売買が集中しやすく、始値や出来高が平常日と異なる場合があります。自社株買いや第三者割当の価格を平均株価で定める場合は、算定期間のどの日にSQ日が含まれるかも確認します。出来高加重平均の考え方はVWAP​(出来高加重平均価格)で整理しています。

財務​モデル・​Excelでの​使い方

  • SQ日の自動計算:第2金曜日は =DATE(年,月,1)+MOD(6-WEEKDAY(DATE(年,月,1)),7)+7(WEEKDAYは既定の日曜=1型)で求め、休業日なら =WORKDAY(第2金曜日+1,-1,休日表) で繰り上げます。取引最終日は =WORKDAY(SQ日,-1,休日表) です。
  • 最終損益:=(SQ値-建値)*1000*枚数(買建て)、オプションは =MAX(SQ値-権利行使価格,0)*1000*枚数-プレミアム で計算します。
  • ヘッジの必要枚数:ポートフォリオの先物ヘッジの枚数は最小分散​ヘッジ​比率の​求め方のように、ヘッジ比率から決め、SQ日までのロールの要否を日付で確認します。

この​用語を​Excelで​「組める」​状態に​する

限月から​SQ​日・​取引最終日を​自動計算し、​先物・​オプションの​最終損益と​価格算定期間の​SQ日の​有無を​管理できるようになる。

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実務家が​確認する​ポイントと​よく​ある​誤解

誤解1:「SQ日と取引最終日は同じ」→ 取引最終日はSQ日の前営業日で、SQ日は取引最終日の翌営業日です[1]。第2金曜日が休業日の場合は繰り上げ、その前日が取引最終日になります。

誤解2:「SQ値は終値で決まる」→ SQ値は取引最終日の翌営業日の各構成銘柄の始値に基づいて算出されます[1]。前日の終値や、SQ日の終値とは別の値です。

誤解3:「SQはすべての月に同じ規模で来る」→ 先物は四半期限月が中心で、オプションにはその他の限月もあるため[3]、四半期の月とそれ以外の月で最終決済の対象と建玉の規模が異なります。

日本実務での​扱い

日本では、SQの日付と算出方法は大阪取引所(日本取引所グループ)の商品の制度概要に定められています[1][3][2](2026年11月時点)。始値は通常、寄付きの板寄せ方式で決まります(板寄せ方式と​ザラ場方式)。海外では、米国では、四半期ごとの第3金曜日に株価指数の先物・オプションなどの満期が重なる日が、俗に「ウィッチング」と呼ばれることがあります(対象商品と呼び方は時期や資料によって異なります)。日本のSQは、第2金曜日の前日に終了する取引日を取引最終日とする規則で[1]、満期日の決め方が異なるため、海外の知識をそのまま日本の日付にあてはめることはできません。

面接・​モデルテストで​問われる​ポイント

Q:SQ値はどう決まり、先物の最終損益にどう使われますか。
「取引最終日の翌営業日の各構成銘柄の始値から、特別な指数を計算して決めます。先物の建玉は転売・買戻しをしない限り、このSQ値で最終決済され、買い建てなら (SQ値−建値)×1,000円が損益になります。日経225先物の取引単位は日経平均×1,000円なので、指数1ポイント当たり1,000円です。」

深掘りの観点:①取引最終日とSQ日の違い、②メジャーSQとその他のSQの違い、③SQ日前後の現物市場への影響です。

よく​ある​質問​(FAQ)

Q. SQ日前後に株価が動きやすいのはなぜですか。
A. 先物・オプションの最終決済に向けて、現物と先物の組み合わせポジションの解消やヘッジの調整が行われ、SQ日の寄付きに売買が集中しやすいとされます。ただし、方向や大きさは一定ではなく、因果を断定することはできません。

Q. 個別株オプションにもSQはありますか。
A. 本ページが扱うのは日経225・TOPIXなど株価指数の先物・オプションです。個別株や他の商品の最終決済の規則は、取引所の各商品の制度概要で確認してください。

出典・参考​(2026-11確認)

  1. 日本取引所グループ「日経225先物 制度概要」(取引最終日・SQ日・最終清算数値(SQ値)・取引単位・限月). https://www.jpx.co.jp/derivatives/products/domestic/225futures/01.html(2026年11月参照)
  2. 日本取引所グループ「TOPIX先物 制度概要」(取引最終日・SQ日・最終清算数値(SQ値)・取引単位・限月). https://www.jpx.co.jp/derivatives/products/domestic/topix-futures/01.html(2026年11月参照)
  3. 日本取引所グループ「日経225オプション 制度概要」(限月・取引最終日・SQ日・権利行使日・取引単位). https://www.jpx.co.jp/derivatives/products/domestic/225options/01.html(2026年11月参照)
  4. 日本取引所グループ「日経225mini 制度概要」(限月:四半期限月のほか、その他の限月は直近3限月。取引最終日・SQ日は日経225先物と同じ規則). https://www.jpx.co.jp/derivatives/products/domestic/225mini/01.html(2026年11月参照)

※本記事は教育目的の一般的な解説であり、法務・税務・投資助言ではありません。設例は理解のための架空数値です。

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