想定読者:暗号資産への投資手段を比較する事業法人の財務担当、運用会社・金融機関の企画担当、個人投資家
前提知識:割合(%)の計算ができれば足ります。ETF は「証券取引所で売買できる投資信託」と理解していれば十分です。

結論:短期は​コストの​構造で、​長期は​保管と​取引の​相手方で​選ぶ

暗号資産への投資手段は、「ETF は手数料が高く、現物は安い」といった印象で選ばれがちです。実質のコストは、毎年かかる費用と、買って売るまでに一度だけかかる費用に分けて初めて比べられます。本記事の学習用の設例(投資額1,000万円)では、毎年の費用が小さい現物は保有が長いほど有利になり、往復の費用が小さい ETF は短期ほど有利になりました。優劣が入れ替わる保有期間は約3.67年(44か月)です。

一文にまとめると、短期はコストの構造で、長期は保管と取引の相手方(カウンターパーティ)で選ぶ、という整理です。この比較には暗号資産の価格変動を含めません。どちらの手段も同じ価格変動を受けるため、コストだけを切り出しています。投資の推奨や価格の予想ではありません。

海外では、米国やカナダなどで暗号資産の価格に連動する ETF 等が上場されています1。日本については第7節で確認しますが、2026年10月時点で、確認できた範囲では、国内で暗号資産 ETF を組成できる状態になったことを示す法令の整備は見つかりませんでした。

ETF と​現物保有の​構造の​違い:持分・​保管・​売買の場

ETF(上場投資信託)は、ファンドが資産を持ち、投資家はそのファンドの持分を証券取引所で売買する商品です。暗号資産の ETF には、暗号資産そのものを持つ現物裏付け型と、先物を持つ先物型があります。Corporate Finance Institute(CFI)は、ETF の利点として、通常の取引所で売買でき、暗号資産取引所への登録が要らず、ウォレット(暗号資産の保管手段)のパスワードを失って資産を失うといった直接保有のリスクを負わずに済むことを、欠点として、管理費用がかかることと、暗号資産を直接所有しないことを挙げています2。ただし CFI のこの記事は2020年に公開された米国の制度を前提にした一般論で、日本の制度や費用を述べたものではありません。

図表1:暗号資産の保有手段の構造比較(持分・保管・売買の場・費用の出方)
手段何を保有するか誰が保管するか売買の場毎年かかる費用の形往復で一度かかる費用の形
現物(自己管理)暗号資産そのもの。秘密鍵は自分が持つ自分(専用機器など)交換業者で購入し、自分のウォレットへ送付保管機器の費用など売買のコスト、送付時のネットワーク手数料
現物(業者預け)暗号資産そのもの。管理は業者に任せる暗号資産交換業者同じ業者の取引所または販売所業者の料金表による(保管料のない業者もある)取引所は手数料、販売所はスプレッド、円の出金手数料
現物裏付けETFファンドの持分。ファンドが暗号資産を保有ファンドが選ぶ保管機関証券取引所(株式と同じ)信託報酬など(ファンドの資産から控除)売買手数料とスプレッド、基準価額との乖離、海外上場なら為替
先物型ETFファンドの持分。ファンドは先物を保有ファンドの資産を預かる機関証券取引所(株式と同じ)信託報酬など。限月交代の損益が別に生じる現物裏付けETFと同じ
単位:なし​(文章による整理)。​出所:Corporate Finance Institute の​一般的な​説明と、​資金決済法の​分別管理の​定めを​基に​大手町​プレップ作成​(具体的な商品・事業者の料金は含みません)。​(スマートフォンでは​表を​横に​スクロールできます)

図表1のとおり、違いは持分・保管・売買の場の3点に表れ、それがコストの出方を決めます。現物は暗号資産そのものを持つため、保管の責任が自分か業者にあり、費用は売買のコストと保管の費用に分かれます。ETF はファンドの持分を持つため、費用は信託報酬としてファンドの資産から毎年引かれ、売買は株式と同じ場で行います。

ETF の価格は2つあります。1つは基準価額(NAVPS:純資産総額を口数で割った1口当たりの価値)、もう1つは取引所での市場価格です。両者のずれは乖離率=(市場価格-基準価額)÷基準価額で表し、プラスならプレミアム、マイナスならディスカウントです。この定義と収れんの仕組みはパッシブ​運用・​ETF​運用の​実務で扱っています。買うときにプレミアムで、売るときにディスカウントだと、その分が往復のコストになります。

現物裏付け型でも、基準価額は信託報酬などの費用の分だけ原資産の価格から離れていきます。「ETF は原資産と同じ値動き」とは言えません。先物型は暗号資産そのものでなく先物を持つため、第5節の限月交代のコストが別に生じます。なお、ETN(指標連動証券)は発行体の債券で、ファンドの持分である ETF とは信用リスクの所在が違います(ETN と ETF の​違い)。

保有コストを​「毎年」と​「往復で一度」に​分けて​比べる

以下は学習用の架空事例です。国内の事業法人の財務担当者が、運用資産のうち1,000万円を暗号資産に振り向けるとして、(A) 登録済みの国内交換業者の取引所で現物を買い、業者に預けて保有する場合と、(B) 海外で上場されている現物裏付け ETF を証券口座で保有する場合を比べます(日本の投資家が B を買えるかは第7節で確認します)。実在の商品名・事業者名・手数料率は使わず、すべて仮定の値です。

コストは投資額に対する割合で置き、毎年かかる費用(年間費用率)と、買って売るまでに一度だけかかる費用(往復費用)に分けます。往復費用には、売買の手数料とスプレッド(買値と売値の差)、ETF の乖離、為替、出金や送付の手数料を入れます。スプレッドは、買うときは高めに、売るときは安めに約定することで生じる差額で、実質的な売買コストです(ビッドアスクスプレッド)。

年率換算総コスト(%)
年率換算総コスト=年間費用率+往復費用率÷保有年数
保有期間中の総コスト(円)=投資額×(年間費用率×保有年数+往復費用率)

Aの往復費用は、売買コスト片道0.50%の2回分で1.00%、出金・送付手数料が0.05%で、合計1.05%です。Bは、売買コスト片道0.10%の2回分で0.20%、乖離が取得時のプレミアム0.05%と売却時のディスカウント0.05%で0.10%、為替が片道0.10%の2回分で0.20%となり、合計0.50%です。年間費用率はAが0.10%、Bが0.25%です。

図表2:現物(A)と現物裏付けETF(B)の保有コスト入力表と年率換算総コスト(単位:%。総コストのみ円)
項目A 現物(取引所・業者預け)B 現物裏付けETF(海外上場)
毎年かかる費用(投資額に対する%)
年間費用率(A:保管・管理、B:信託報酬など)0.100.25
往復で一度かかる費用(投資額に対する%)
売買コスト(手数料+スプレッド)片道0.50%/0.10%の2回分1.000.20
市場価格と基準価額の乖離(取得時+売却時)0.000.10
為替コスト(円とドルの交換)片道0.10%の2回分0.000.20
出金・送付手数料など0.050.00
往復費用の合計1.050.50
年率換算総コスト=年間費用+往復費用÷保有年数(%)
保有1か月(1/12年)12.706.25
保有1年1.150.75
保有5年0.310.35
保有期間中の総コスト(投資額1,000万円、円)
保有1か月105,83352,083
保有1年115,00075,000
保有5年155,000175,000
対象:投資額1,000万円。​暗号資産の​価格​変動は​含めず、​コストだけを​切り​出しています。​年率換算は​小数第3位を​四捨五入、​円は​円未満を​四捨五入。​出所:学習用の​仮定に​基づき大手町​プレップ​作成。

図表2のとおり、保有1年の年率換算総コストは、Aが0.10+1.05÷1=1.15%、Bが0.25+0.50÷1=0.75%で、Bが低くなります。保有1か月(1/12年)ではAが0.10+1.05÷(1/12)=12.70%、Bが0.25+0.50÷(1/12)=6.25%です。1か月の年率換算は、一度きりの往復費用を1年に引き伸ばした表示で、実際に払う総額はAが105,833円、Bが52,083円です。保有5年では順位が逆転し、Aが0.10+1.05÷5=0.31%、Bが0.25+0.50÷5=0.35%で、差は0.04ポイントです。総コストはAが155,000円、Bが175,000円で、20,000円の差になります。

優劣が​入れ替わる​保有期間​(損益分岐)を​求める

2手段の年率換算総コストが等しくなる保有年数Nは、次の式で求まります。

損益分岐の保有年数
Aの年間費用+Aの往復費用÷N=Bの年間費用+Bの往復費用÷N
N=(Aの往復費用-Bの往復費用)÷(Bの年間費用-Aの年間費用)

数値を入れると、N=(1.05-0.50)÷(0.25-0.10)=0.55÷0.15=11/3年で、約3.67年(44か月)です。検算として、N=11/3年のとき、Aは0.10+1.05÷(11/3)、Bは0.25+0.50÷(11/3)で、どちらも約0.386%になります。図表3の2本の曲線はこの点で交わります。交点より短い保有ではB(ETF)が、長い保有ではA(現物)が低コストです。

図表3:保有年数と年率換算総コストの交差(損益分岐) 縦軸:年率換算総コスト(%) 横軸:保有年数(年) 0.2% 0.4% 0.6% 0.8% 1.0% 1.2% 1年 2年 3年 4年 5年 6年 7年 8年 交点:約3.67年(44か月) 年率換算コストは両方とも約0.386% A 現物(実線・丸) B ETF(破線・四角) 交点より短い保有:B(ETF)が低コスト / 交点より長い保有:A(現物)が低コスト 1か月保有はA 12.70%・B 6.25%で縦軸の範囲外。価格変動・税・複利は含まない。
単位:年率換算総​コスト​(%)。​対象:投資額に​対する​割合で、​保有年数1〜​8年。​曲線は​年間費用+往復費用÷保有年数​(図表2の入力)。​出所:学習用の​仮定に​基づき大手町​プレップ​作成。​(スマートフォンでは​図を​横に​スクロールできます)

この交点は入力に敏感です。販売所(買値と売値の差が大きい形式)で買い、片道のスプレッドが2.0%だとすると、Aの往復費用は2.0%×2+0.05%=4.05%になり、N=(4.05-0.50)÷0.15=約23.7年と、実質的にはETFが有利なままです。逆に、ETFの年間費用が0.50%だと、N=(1.05-0.50)÷(0.50-0.10)=1.375年(16.5か月)まで縮み、現物が有利になる期間が長くなります。「どちらが安いか」は、前提ごとに優劣が変わると読むべきです。

この計算は簡略化で、年間費用は投資額に対する一定割合として足し、複利・価格変動・税は含みません。出金や送付の手数料は定額の場合が多く、投資額が小さいほど割合は大きくなります。

先物型 ETF の​ロールコストを​別に​見る

先物型の ETF は、期限のある先物を持つため、満期が近づくと期近の限月を手放して期先の限月に乗り換えます。期先が期近より高い状態(コンタンゴ)では、乗り換えのたびに割高な限月を買うことになり、基準価額に不利に働きます。この損益がロールイールドです。

学習用の仮定として、1回の乗り換えで期先が期近より0.80%高く、年4回乗り換えるとします。年間のロールコストは単純合計で0.80%×4=3.20%で、年間費用0.25%を足すと年3.45%の負担です。曲線の形が変われば小さくなり、符号が逆になる(バックワーデーション)こともあり、固定の費用ではありません。保有が長いほど積み上がる点は「毎年かかる費用」に近いため、先物型は現物裏付けとは別の表で比べます。

保管と​信用​リスク:手数料の​差とは​別に​確認する

保管の違いから生じるリスクは、図表2の手数料の差より大きい場合があります。図表4に、誰の破綻・不正・紛失が資産に影響するかを整理しました。

図表4:保管方法別のリスク整理(誰の破綻・不正・紛失が資産に影響するか)
保管方法影響を受ける原因日本法上の保護とその限界投資家が直接確認できる情報
自己管理秘密鍵や復元用情報の紛失、盗難、誤送付業者への預け入れではないため、資金決済法の分別管理・優先弁済の対象にならない自分の管理状況のみ
国内の交換業者に預ける業者の破綻、不正、ハッキングによる流出登録業者に分別管理義務と、利用者の優先弁済の権利がある。ただし対象は分別管理された暗号資産などで、経営の健全性や流出を防ぐ制度ではない登録の有無、業者の開示、管理状況の監査の有無
海外の業者に預ける同上。加えて現地の法令と破産手続上記の定めは暗号資産交換業者(登録業者)に関するもの。海外業者への預け入れに当てはまるかは本稿では確認していない業者の利用規約と開示
ETFの保管機関保管機関の破綻、不正、流出。投資家は鍵を持たない商品の設計と準拠法による。本稿は特定の商品の保管方式を確認していない目論見書・運用報告書の保管機関と保管方式の記載
単位:なし​(文章による整理)。​出所:資金決済法第63条の​11、​第63条の​19の​2を​基に​大手町​プレップ作成​(対象時点:2026年10月16日に​確認した​条文)。​海外業者・​ETFの​欄は​一般的な​整理で、​個別の​商品の​確認結果ではありません。​(スマートフォンでは​表を​横に​スクロールできます)

日本の暗号資産交換業者(資金決済法に基づく登録業者)は、利用者の暗号資産を自己の暗号資産と分別して管理しなければならず、管理の状況は公認会計士または監査法人の監査を受けます3。利用者は、分別管理された対象暗号資産などについて、他の債権者に先立って弁済を受ける権利を持ちます4。これは分別管理(顧客の資産を自社の資産と区分して管理すること)の考え方で、同ページは証券会社などの説明です。暗号資産交換業者の根拠は資金決済法で、規制の全体像は暗号資産​ヘッジファンドとはで整理しています。

この制度が守るのは、業者の外にある資産の所在です。業者の経営が健全であることや、ハッキングによる流出が起きないことは保証しません。FTX Japan の例で分別管理が守ったのは資産の所在であって経営の健全性ではない、という整理はFTX 破綻に​学ぶ​暗号資産交換業者の​ガバナンスにあります。自己管理では、預け先の破綻リスクはなくなる代わりに、紛失と盗難がすべて自己責任になります。

ETF では、投資家は秘密鍵を持たず、保管機関が資産を保管します。紛失のリスクは投資家から保管機関に移りますが、消えるわけではありません。海外業者への預け入れやETFの保管機関には、上記の日本法の定めがそのまま当てはまるとは確認できていません。目論見書や運用報告書で、保管機関の名称、保管方式、保管機関が破綻した場合の扱いを読むことが出発点です。

日本で​2026年10月時点に​使える​手段か:確認手順と​結果

制度は見直しの途中にあるため、結論は「確認できた範囲」と時点を付けて書きます。次の順に確認します。

  1. 金融審議会の報告の位置づけを読みます。2025年12月10日の報告は、米国やカナダなどで暗号資産の価格に連動する ETF 等が上場され、資金流入が続いていることを、投資対象化の進展の例として挙げています5。同じ報告は、金融商品取引所が暗号資産(現物)そのものを上場することについては、現時点では慎重に考えるべきとしており、これは ETF の上場とは別の論点です。
  2. 法律の成立と施行を確認します。暗号資産の規制を資金決済法から金融商品取引法に移す改正法(令和8年法律第64号)は、2026年7月15日に参議院で可決され、7月23日に公布されました。暗号資産取引の規制に関する規定の施行は、原則として公布の日から1年を超えない範囲内で政令が定める日で、本稿では施行日を定める政令を確認できませんでした6。ICO・​IEO・​STOの​記事も同じ時点の整理です。暗号資産ヘッジファンドの記事には「2026年8月時点で未成立」との記述がありますが、本稿は2026年10月16日閲覧の参議院の議案情報に基づきます。
  3. 投資信託で暗号資産を持てるかを確認します。投資信託及び投資法人に関する法律施行令第3条は、運用の対象となる特定資産を列挙しており、第2号のデリバティブ取引からは暗号等資産に係るものを除いています。法令検索で確認した版では、同施行令に「暗号資産」の語は見当たりませんでした7。
  4. 税の区分を確認します。令和8年度税制改正の大綱は、金融商品取引法等の改正を前提に、特定暗号資産の譲渡を分離課税にするとともに、投資信託については投資信託法施行令の改正を前提に、特定暗号資産を投資の対象とする投資信託の受益権を株式等の譲渡所得の特例の対象に加えるとしています8。保有の手段によって適用される課税の枠が分かれる設計ですが、税額の計算は暗号資産と​株式の​課税比較に譲ります。

以上から、2026年10月16日時点では、国内で暗号資産 ETF を組成・上場できる状態になったことを示す法令は、確認できた範囲で見つかりませんでした。存在しないと断定はしません。東京証券取引所の公表資料は取得できず確認していないため、上場商品の有無は銘柄一覧で別途確かめる必要があります。海外上場の ETF を日本の証券口座で買えるかは、証券会社の取扱いに依存し、本稿では確認していません。つまり「使える」とも「使えない」とも言い切れず、「確認できず」です。

実務​チェックリスト

  • 年間費用と往復費用を別の欄に入力し、往復費用の内訳(売買、乖離、為替、出金)を空欄のまま残していないか確認する。
  • 想定する保有期間と、損益分岐の保有年数を比べ、どちら側にあるかを書き出す。
  • 実在の商品の費用率を使うときは、目論見書または料金表の取得日と版を記録し、仮定値と混ぜない。
  • 保管方法ごとに、誰の破綻・不正・紛失が資産に影響するかを図表4の形で書き出す。
  • 先物型は限月交代のコストを別表にし、現物裏付け型と同じ表に混ぜない。
  • 国内の制度は、法律の公布と施行日、政省令、上場制度、税の区分を、時点を付けて確認する。

よく​ある​質問​(FAQ)

ETF なら​秘密鍵の​紛失リスクは​なくなりますか。

投資家自身が​鍵を​持たないため、​自分の​紛失や​誤送付は​起きません。​ただし、​保管機関の​破綻や​不正と​いう​別の​リスクを​負います。​リスクの​所在が​自分から​保管機関に​移ると​考えるのが​正確です。

保有中の​市場価格と​基準価額の​乖離は、​コストに​入れなくて​よいのですか。

保有中の​乖離は、​売らない​限り​確定しないため、​本記事では​取得時と​売却時の​乖離だけを​往復費用に​入れました。​取得時に​プレミアムで、​売却時に​ディスカウントだと、​その​差が​不利に​働きます。

まとめ

暗号資産の保有手段は、年間費用と往復費用に分けて同じ表で比べると、保有期間によって優劣が入れ替わることが分かります。設例では、約3.67年より短ければETF、長ければ現物が低コストでした。ただし、前提を変えると交点は大きく動くため、自分の入力で確かめる必要があります。コストの差とは別に、保管と取引の相手方のリスクを確認し、日本の制度は時点を付けて確かめてください。

脚注

  1. 金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ報告」(2025年12月10日)のⅡ「暗号資産の取引の現状と課題」1(p.3)は、国際的にも米国やカナダ等の多くの国・地域でビットコイン等の暗号資産の価格に連動する ETF 等が上場され、それらを通じた資金流入が続いていると記しています(参考文献 R3)。外国の状況で、日本の制度とは別の問題です。↩
  2. Corporate Finance Institute「Bitcoin ETFs」(2020年12月21日公開)の「Advantages of Bitcoin ETFs」「Disadvantages of Bitcoin ETFs」の節。暗号資産取引所に登録せずに投資できること(ウォレットのパスワードを失うと暗号資産を永久に失うという直接保有のリスクの例を含む)、管理費用がかかること、暗号資産を直接所有しないことが書かれています。米国の制度を前提にした一般的な考え方の参考で、日本の制度・費用の根拠ではありません(参考文献 R1)。↩
  3. 資金決済法第63条の11第2項は、暗号資産交換業者が「暗号資産交換業の利用者の暗号資産を自己の暗号資産と分別して管理しなければならない」と定め、同第3項は、その管理の状況について公認会計士または監査法人の監査を定期に受けることを定めています(参考文献 R2)。↩
  4. 資金決済法第63条の19の2第1項は、暗号資産交換業者との間で暗号資産の管理を内容とする契約を結んだ者が、対象暗号資産(分別管理された利用者の暗号資産と履行保証暗号資産)について、他の債権者に先立ち弁済を受ける権利を持つと定めています(参考文献 R2)。↩
  5. 金融審議会「暗号資産制度に関するワーキング・グループ報告」(2025年12月10日)のⅡ「暗号資産の取引の現状と課題」1(p.3)に、米国やカナダ等で暗号資産の価格に連動する ETF 等が上場され資金流入が続くとの記述があります。「7.市場開設規制」(p.29)は、金融商品取引所による暗号資産(現物)の上場を可能とすることは現時点において慎重に考えるべきとしています(参考文献 R3)。↩
  6. 金融庁「金融商品取引法及び資金決済に関する法律の一部を改正する法律案要綱」の第3「施行期日等」は、原則として公布の日から起算して1年を超えない範囲内で政令で定める日から施行するとしています(参考文献 R4)。参議院の議案情報は、2026年7月15日の本会議可決、7月23日公布、法律番号64を記載しています(参考文献 R5)。同要綱は、この法律案の内容として、投資信託及び投資法人に関する法律の改正を掲げていません(要綱の全文を検索して確認)。↩
  7. e-Gov 法令検索の「投資信託及び投資法人に関する法律施行令」(平成12年政令第480号)第3条(特定資産の範囲)。第2号は「デリバティブ取引(暗号等資産…及び暗号等資産関連金融指標…に係るものを除く。…)に係る権利」と定めています。2026年10月16日に法令検索のデータで確認した版(2025年5月1日施行の改正を反映)の全文に「暗号資産」の語はありません。今後の改正で変わる可能性があります(参考文献 R6)。↩
  8. 財務省「令和8年度税制改正の大綱」(2025年12月26日閣議決定)p.23〜24「3 金融・証券税制」(2)は、①で特定暗号資産の譲渡等による譲渡所得等の分離課税を、⑤で投資信託及び投資法人に関する法律施行令の改正を前提とした投資信託に関する措置を定めます。適用開始は、注1が金融商品取引法の改正法の施行の日の属する年の翌年の1月1日以後の譲渡等としています(参考文献 R7)。金融庁の資料も、暗号資産 ETF 等については投信法施行令の改正を前提に分離課税とすると記しています(参考文献 R8)。↩

参考文献​(2026年10月確認)

※本記事は教育目的の一般的な解説であり、法務・税務・投資助言ではありません。設例は理解のための学習用の架空事例であり、実在の企業・案件とは関係ありません。